前の回の売上の表は、本物でした。お客さんの会社名も、担当者の名前も入っています。それを、何も考えずにAIに渡していました。
あとで気づいて、背筋が寒くなりました。会社のルールで、AIに渡してよい情報が決まっていたのです。
Step 1:練習用のデータを作らせる
本物を渡す前に、本物に似せた練習用のデータで、やり方を固めます。この練習用のデータを、ダミーデータと呼びます。
ダミーデータは、自分で作らなくて構いません。AIに作らせます。
練習用の売上の表を CSV で作って、renshu/売上/練習用売上.csv に保存して。
列は「日付・支店・担当・商品・金額」。日付は2026年4月から9月まで、支店は5つ、行は100行。
会社名と人の名前は、実在しない架空のものにして。
わざと、金額が空欄の行を3つ、金額が0の行を2つ混ぜて。支店の1つは「新宿店」と「新宿支店」の2つの書き方を混ぜて。
Excel で開いても文字化けしない形で保存して。
「わざと」の行がこつです。本物で起きそうな厄介な所(空欄、0、名前の揺れ)を、わざと混ぜておきます。前の回の失敗は、支店の名前の揺れでした。練習用でそれが起きれば、本物の前に気づけます。
Step 2:CSV という形
表のファイルには、いくつか形があります。Excel のファイルのほかに、CSV という形がよく使われます。
CSV は、表の中身を、カンマで区切った文字だけで書いたファイルです。見た目の飾りがないぶん、AIが読み違えにくくなります。Excel のファイルは、Excel の「名前を付けて保存」で「CSV UTF-8(コンマ区切り)」を選べば、CSV にできます。ただの「CSV」を選ぶと、日本語が化けることがあります。Numbers や Google スプレッドシートからも、CSV で書き出せます。
この本では、表を渡すときは、できるだけ CSV で渡します。
Step 3:練習用で通ったら、本物へ
練習用のデータで、集計のやり方が固まったら、本物に移ります。移るときに確かめることは2つです。
本物に移るときの2つの確かめ
渡してよいか
会社のルールで、AIに渡してよい情報か。名前や連絡先は消すか、ぼかせるか
形が同じか
列の名前、日付の書き方、全角と半角。練習用と本物で違う所はないか
1つ目は、守ることです。エージェントが読んだ中身は、インターネットを通して、AIの会社(Claude なら Anthropic)に送られます。自分のパソコンの中で動いていても、中身は外に出る、と考えておきます。お客さんの名前や連絡先が要らない集計なら、Excel でその列を消し、別の名前で保存したコピーを渡します。元のファイルは渡しません。2つ目は、ずれを防ぐことです。練習用では「金額」だった列が、本物では「売上額」になっていると、AIは迷います。
ここが核心
本物でいきなり試すのではなく、本物に似せた練習用のデータで、やり方を固めてから本物へ移る。
注意
ただし、練習用で通っても、本物で外れることがある
練習用のデータは、あなたが想像できる厄介さしか含みません。本物には、想像していなかった書き方(「1,000円」「千円」「1000」が混ざる、など)があります。本物に移った最初の1回は、前の回の確かめ方で、必ず確かめます。
セルフチェック
1. 練習用の売上の表を AI に作らせるとき、わざと混ぜておくとよいものはどれですか?
今日のまとめ
- ダミーデータ:本物に似せた練習用。AIに作らせ、厄介な所をわざと混ぜる
- CSV:飾りのない表の形。AIが読み違えにくい
- 本物へ移るときは、渡してよいかと、形が同じかを確かめる
次の問い:間違えたとき、元に戻せるようにするには?