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ワークフローとエージェント: できるだけワークフローで

  • レッスン 8
  • 11分

このレッスンで

終わる頃には、次ができるようになります

  • ワークフローとエージェントの違いを、自分の言葉で説明できる
  • 並列化・連鎖・ルーティングという代表的なワークフローパターンを見分けられる
  • できるだけワークフローを優先するという設計判断の理由を説明できる

ここまでのレッスンで、1回の質問に答える道具、資料を読ませる道具、ツールを呼ばせる道具を作ってきました。最後のレッスンでは、複数の手順を組み合わせた、より大きな道具をどう設計するかを扱います。

ワークフローとエージェントの違い

Anthropicは、この2つを次のように区別しています。ワークフローは、LLMとツールを、あらかじめ決めたコードの手順に沿って組み合わせたものです。エージェントは、Claude自身が自分の処理とツールの使い方を、状況に応じて動的に決めていくシステムです。

ワークフロー vs エージェント

ワークフロー

手順はあなたが先に決めます。「まずAを呼び、その結果を使ってBを呼ぶ」というコードを、あなたが書きます。何が起きるかが予測しやすく、途中の結果も確かめやすくなります。ただし、あらかじめ想定していなかった分岐には対応できません。

エージェント

手順そのものをClaudeが決めます。目標と、使える道具だけを渡し、そこから先の進め方はClaudeに任せます。柔軟な反面、毎回同じ手順を踏むとは限らず、途中経過を予測しづらくなります。

見分け方の問いは1つです。「Claudeが辿るべき正確な手順を、あらかじめ思い描けるか」。思い描けるならワークフロー、思い描けないならエージェント、という判断になります。

ワークフローの代表的なパターン

決まった手順の中にも、いくつかの型があります。よく使われる3つを紹介します。

連鎖(Chaining)

大きな仕事を、小さな段階に分けて順番に処理する。1段階目の答えを2段階目の入力にする

ルーティング(Routing)

入力をまず分類し、種類ごとに違う手順・違うプロンプトへ振り分ける

並列化(Parallelization)

独立した複数の判断を、同時に別々のリクエストとして実行し、あとで結果をまとめる

ワークフローの代表パターン

たとえば、問い合わせメールに自動で下書きを返す道具を考えます。まず「請求」「技術的な質問」「クレーム」のどれかに分類し(ルーティング)、種類ごとに違うsystemプロンプトで下書きを作り、最後に丁寧さのチェックだけを別の呼び出しで行う(連鎖)、というように、複数のパターンを組み合わせて使うこともよくあります。

1つの巨大なプロンプトに、あらゆる条件を詰め込もうとすると、かえって精度が落ちることがあります。役割ごとに小さく分けたほうが、それぞれの精度を確かめやすく、あとから直しやすくもなります。

できるだけワークフローを選ぶ理由

エージェントは魅力的に見えます。目標だけ渡せば、あとはClaudeが考えて動いてくれるからです。ただし、その柔軟さには代償があります。

ワークフロー

精度と予測可能性が高く、評価もしやすい。事前の設計に手間がかかり、想定外の入力には弱い

エージェント

柔軟に対応できる幅が広い。成功率が安定しにくく、何が起きたかのテストや計測が難しい

ワークフローとエージェントの見比べ

Anthropic自身の指針も明確です。まずシンプルな解決策から始め、単純な仕組みでは実際に足りないと分かったときにだけ、複雑さを足していく、という順序です。手順を思い描けるタスクであれば、ワークフローのほうが、動作の予測しやすさと、レッスン03で扱った評価のしやすさの両方で有利になります。

視点

エージェントを組みたくなったら、まず問い直す

「Claudeに自由に考えさせたほうが楽そうだ」と感じたときほど、一度立ち止まって、本当に手順を事前に決められないのかを問い直す価値があります。多くの場合、想定される入力のパターンを数種類に分けるだけで、ルーティングと連鎖の組み合わせに落とし込めます。

エージェントそのものの実装や、Claude Codeでの自律的な作業の進め方は、Claude Codeの実践習慣のコースで扱っています。

やってみよう

演習1: 自分の道具はどちらに向くか

このコースを通して考えてきた自分の道具を思い浮かべてください。Claudeが辿るべき手順を、あなたはあらかじめ思い描けますか。思い描けるならワークフロー向き、そうでなければエージェントが要る場面かもしれません。理由も含めて考えてください。

演習2: どのパターンに当てはまるか

ワークフロー向きだと判断した場合、その道具は連鎖・ルーティング・並列化のどれに近いですか。複数の段階に分けて処理する、種類によって振り分ける、独立した判断を同時に走らせる、のどれが自分の仕事に合うか考えてみてください。

今日のまとめ

3行で振り返ります。

  • ワークフローは決められた手順、エージェントはClaude自身が手順を決める。見分ける問いは「手順を事前に思い描けるか」
  • 連鎖・ルーティング・並列化はよく使われるワークフローのパターンで、組み合わせて使うこともある
  • 「まずシンプルに、必要な時だけ複雑さを足す」が指針。手順を思い描けるならワークフローを優先する

これで、Claude APIで道具を作る8つのレッスンは終わりです。最初のリクエストから、評価、ツール、資料、キャッシュ、そして手順の設計まで一通り触れました。次は、自分の仕事で実際に使う道具を1つ、小さく作ってみることを勧めます。

セルフチェック

1. ワークフローとエージェントを見分ける問いとして、本文が挙げているものはどれですか。

2. ワークフローの代表パターンとして本文が紹介していないものはどれですか。

3. ワークフローとエージェントのどちらを優先すべきかについて、本文の結論はどれですか。

SourceARTICLE
Building effective agents

ワークフローとエージェントの定義、5つの代表パターン、使い分けの指針を示したAnthropicの技術記事。

Webanthropic.com
anthropic.com/engineering/building-effective-agents
SourceAMPL LEARN
Building with the Claude API(Academy)

このコースの枠組みのもとになったAnthropic公式の講座。API認証からRAG、ツール使用、ワークフローとエージェントまでを扱う。

次のレッスンacademy.claude.com
academy.claude.com/ja/courses/building-with-the-claude-api

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