第1部では、自分のパソコンで、AIにいくつもの仕事を任せました。書類の整理、書式の統一、集計とグラフ、調べものから資料まで、規程の質問係。
第2部では、任せ方を仕組みにして、毎日、自動で、周りの人と使えるようにしていきます。任せる量が増えると、間違えたときの広がりも大きくなります。
だから、第2部に進む前に、2つの確認を身につけておきます。レベルマップでは、これを段と段の間の安全ゲートと呼んでいます。次の段の仕事をする前に持っておく、免許のようなものです。
Step 1:渡す前に止まる
1つ目は、AIに渡す前の確認です。エージェントが読んだ中身は、インターネットを通してAIの会社に送られます(第3章)。一度送った情報は、送らなかったことにはできません。
- 渡すファイルに、人を特定できる情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス、お客さんの番号など)が入っていないか。入っていたら、消すか、ぼかしてから渡す
- 本物を渡す前に、練習用のデータで試したか(第3章)
- 社外秘の情報なら、会社のAI利用のルールで、渡してよいものか確かめたか(第4章)
確かめ方の手順は、こうです。渡すファイルを開き、名前や番号が入っている列や行を探します。表なら、表計算のアプリ(Excel、Numbers など)でその列を消し、別の名前で保存したコピーを渡します。列を消す作業は、自分の手でやります。AIに頼むと、消す前の元のファイルをAIに渡すことになるからです。迷ったら、渡しません。
Step 2:出す前に止まる
2つ目は、AIが作ったものを、外に出す前の確認です。
- AIが書いた事実(数字、日付、名前)は、出典を開いて確かめたか。ネットで調べた要点も(第4章)、手元の資料に答えさせた答えも(第5章)
- 図や画像は、自分で作らせたものか。借りたものなら、使ってよい条件を満たしているか(第4章)
- 「できました」ではなく、動かした証拠で、完了を確かめたか(第3章)
Step 3:1枚のチェックリストにする
この6つを、1枚にまとめて、道具箱の一番上に貼っておきます。
第1部の安全ゲート(チェックリスト)
渡す前
人を特定できる情報を消した。列は自分の手で消した
渡す前
本物の前に、練習用のデータで試した
渡す前
社外秘は、会社のルールで確かめた
出す前
数字・日付・名前は、出典を開いて確かめた
出す前
図や画像の権利を確かめた
出す前
完了は、動かした証拠で確かめた
このチェックリストを、何も見ずに書き出せるようになったら、第1部の免許は取れています。
ここが核心
速く進むために、渡す前と出す前の、2か所で止まる。
止まるのは、遅くなるためではありません。間違いを外に広げないためです。広がった間違いを直すほうが、止まる時間より、ずっと長くかかります。
注意
ただし、チェックリストは、考えることの代わりにはならない
チェックリストを全部埋めても、想定していなかった危なさは残ります。「これは渡して大丈夫か」と少しでも引っかかったら、チェックリストが埋まっていても、渡さないか、人に聞きます。
セルフチェック
1. お客さんの名前と電話番号が入った表を集計したいとき、AIに渡す前にすることとして合っているのはどれですか?
今日のまとめ
- 渡す前に止まる:個人情報、練習用、会社のルール
- 出す前に止まる:出典、権利、動かした証拠
- 6つを1枚のチェックリストにして、道具箱の一番上に
これで第1部「任せる」は終わりです。道具箱には、各章で1行ずつ、変わった仕事が5行並んでいるはずです。第2部「広げる」では、任せ方を仕組みにして、周りに広げていきます(準備中です)。