一行でいうと
そのプロジェクトの約束事を書いておくファイルです。会話のたびに読み込まれ、Claudeの前提知識になります。

間違いから得た約束事を書き足すたびに、次の仕事の前提が育ちます。
何を書くのか
「AIへの指示」というより、新しく来た人に渡す申し送りだと思うとうまくいきます。
- このプロジェクトが何をするものか
- どこに何を置くルールになっているか
- やってはいけないこと
- よく使うコマンド
- 過去にやらかした失敗と、その回避策
最後の項目が、実は一番効きます。
迷ったときの判断基準は一つです。「この一行を消したら、Claudeは間違えるか」だけで決めます。
公式ドキュメントは、この基準をそのまま書いています。
For each line, ask: "Would removing this cause Claude to make mistakes?" If not, cut it. (一行ごとに問う。この行を削除したら、Claudeは間違えるか。そうでなければ削る)
含めるべきものと、除くべきものを並べると、こうなります。
作者本人の運用: 間違えたら書き足す
作者本人の運用はシンプルです。間違いを見たら、そのたびにCLAUDE.mdへ1行足す。
Boris Chernyは、自分の使い方をこう説明しています。
Anytime we see Claude do something incorrectly we add it to the CLAUDE.md (Claudeが何か間違ったことをするのを見たら、そのたびにCLAUDE.mdに書き足す)
チームで1つのCLAUDE.mdをgitで共有し、週に何度も更新しているとも語っています。
ここに発想の転換があります。多くの人は、間違いを見つけたらその場で「違う、こうして」と訂正して終わりにします。それだと、次の会話でまた同じ間違いが起きます。
そうではなく、訂正の内容をファイルに1行足す。すると、その学びは会話が終わっても消えません。
視点
訂正は口で言わず、ファイルに書く
同じ指摘を2回した時点で、それはCLAUDE.mdに書くべき内容です。3回目を言わなくて済むようにする。
自動メモリとの違い
似た仕組みに「auto memory」があります。CLAUDE.mdは人間が書く指示、auto memoryはClaude自身が書く学びです。役割の違いを、対比で覚えておきます。
どちらも「お願い」のレイヤーです(前のレッスンのhooksとの違いを思い出してください)。破られて困るルールは、こちらではなくhooksに置く。
CLAUDE.mdは、一箇所に置くものでもありません。置き場所によって、読み込まれるタイミングと共有範囲が変わります。
各階層のファイルは、@path/to/file という書き方で、他のファイルを呼び出せます。1つのファイルに全部詰め込まず、階層をまたいで分割しておける構成です。
よくある誤解と罠
罠1: 長くしすぎる
CLAUDE.mdは毎回全文が読み込まれます。手順書を足し続けると、毎回の会話が重くなる。
分岐点はここです。「常に効かせたいルール」はCLAUDE.md、「特定の場面の手順」はSkills。この仕分けをしないと、CLAUDE.mdが肥大化します。
公式ドキュメントにも、同じ理由がそのまま書かれています。
Bloated CLAUDE.md files cause Claude to ignore your actual instructions! (CLAUDE.mdが肥大化すると、Claudeは本当の指示を無視するようになる)
罠2: 「書いたから守られる」と思う
守られる確率は上がりますが、保証ではありません。絶対のルールはhooksへ。
罠3: 会話を1本で引っ張りすぎる
訂正を重ねるくらいなら、学びをCLAUDE.mdに書いて、会話を新しくするほうが速い。CLAUDE.mdの話から少し外れますが、対になる話なので触れておきます。
公式ドキュメントにこうあります。
A clean session with a better prompt almost always outperforms a long session with accumulated corrections. (訂正が積み重なった長い会話より、きれいな会話に良い依頼を投げるほうが、ほぼ常に勝る)
これが最も効率のよい直し方です。
使いどころ
効くのは、毎回同じ指摘をしている項目です。
- 「機密情報は絶対に書かない」を最初の行に置く(hooksでも塞いだうえで、意図としても明示する)
- 引用の作法(出典必須・記憶で書かない)を書いておく
- 自分の文章の癖(避けたい表現、使わない記号)を明記する
- よく使う定型作業の入口を書いておく
3つ目は効果が大きいです。毎回「その言い回しは使わないで」と言う代わりに、1行書く。
今日のまとめ
- CLAUDE.mdは、プロジェクトの申し送り。会話のたびに読まれる
- 作者本人の運用は「間違いを見たら、そのたびに1行足す」。学びを資産に変える
- 常時のルールはCLAUDE.md、場面の手順はSkills、絶対の禁止はhooks
CLAUDE.mdと自動メモリの違い、読み込みの範囲と上限。
次は、失敗したときに戻れる仕組み、Checkpointsです。