前の回で、請求書の日付の書き方が4種類あると分かりました。「2025/4/1」「令和7年4月1日」「4月1日」「2025-04-01」。これを「2025/04/01」の形にそろえたい。
さて、どう頼みましょう。ネットで見た「AIへの上手な頼み方」には、「あなたは優秀な事務員です」と役割を与えるとよい、丁寧に頼むとよい、と書いてありました。
試しました。結果は、前とあまり変わりませんでした。
Step 1:言い回しより、3つのこと
AIへの頼み方の文章を、プロンプトと呼びます。この本では「頼み方」と呼びます。
頼み方で大事なのは、言い回しの上手さではありません。次の3つが書いてあるかどうかです。
頼み方に書く3つのこと
目的
何のために、何をしてほしいか
変えてよい範囲
どこまで触ってよいか。どこは触らないか
確かめ方
終わったことを、何で見せてほしいか
Step 2:3つを書くと、こうなる
請求書の日付なら、こうです。送る前に、入力欄の下のモードの表示が Manual になっているかを確かめます(次の回で詳しく見ます)。入力欄に貼って送ります。
目的:請求書の日付を「2025/04/01」の形にそろえたい。
範囲:renshu/請求書の練習 フォルダの「請求書」が付いたファイルだけ。日付以外は変えない。申込書と、ほかのフォルダは触らない。
確かめ方:終わったら、変えたファイルの一覧と、1件だけ、変える前と後を並べて見せて。
役割も、丁寧な言葉もありません。それでも、AIが迷う所は減ります。何をしてよくて、何をしてはいけないかが、書いてあるからです。
同じお願いの、2つの頼み方
「あなたは優秀な事務員です。請求書の書式を、きれいにそろえてください。よろしくお願いします」
目的(日付を2025/04/01の形に)、範囲(請求書だけ、日付以外は変えない)、確かめ方(変えた一覧と、前後を1件)
Step 3:いちばん抜けやすいのは、確かめ方
3つのうち、いちばん書き忘れるのが確かめ方です。目的と範囲は思いつきますが、「終わったことを何で見せてほしいか」までは、なかなか考えません。
でも、確かめ方を書かないと、AIは「終わりました」とだけ言います。本当に終わったかは、自分で全部開いて見るしかありません。
確かめ方は、凝らなくて構いません。「変えたファイルの一覧」「前と後を1件」「件数」。これだけで、終わったことを自分の目で確かめられます。確かめ方については、第3章でもう一度深く扱います。
ここが核心
言い回しを工夫するのではなく、目的と、変えてよい範囲と、確かめ方を書く。
注意
ただし、範囲はお願いにすぎない
「ほかのファイルは触らない」と書いても、それはAIへのお願いです。AIが読み落とせば、触ってしまいます。だから、大事なファイルは最初から渡さない(練習用のフォルダで試す)のが一番確かです。お願い以外の止め方は、次の回で見ます。
セルフチェック
1. 「請求書の日付をそろえて」と頼んだら、「終わりました」とだけ返ってきました。次から書き足すと、いちばん効くのはどれですか?
今日のまとめ
- 頼み方(プロンプト)は、言い回しより中身
- 書くのは3つ:目的・変えてよい範囲・確かめ方
- いちばん抜けやすいのは、確かめ方