前の回の日付そろえを頼んだら、途中で何度も止まりました。「このファイルを編集していいですか?」「はい」。「次のファイルを編集していいですか?」「はい」。8つの請求書で、8回聞かれました。
面倒になって、「このあとは聞かないで」のようなボタンを押しかけて、手が止まりました。これを押したら、次から何をされても聞かれないのでは。
Step 1:許可を求めるのは、関所
エージェントは、ファイルを書き換える前や、パソコンに命令を出す前に、あなたに許可を求めます。これをパーミッション(許可)と呼びます。第1章で一度出てきた言葉です。ファイルを読むだけのときは、ふつうは聞かれません。
許可を求められるのは、AIが勝手に進まないための関所です。面倒に感じるのは、関所がきちんと働いている証拠でもあります。
許可の画面には、どのファイルを、どう変えようとしているかが出ます。それを一瞬読みます。頼んだ範囲の中なら「はい」、範囲の外なら「いいえ」。「いいえ」を押すと、AIは別のやり方を考えるか、あなたに聞き直します。
Step 2:聞かれ方は、モードで選べる
どのくらい聞かれるかは、選べます。この選び方を、モードと呼びます。Claude のデスクトップアプリでは、入力欄の下の行にあるモードの切り替えで選びます。画面には英語で表示されます。
| モード(画面の表示) | 動き方 | 向いているとき |
|---|---|---|
| Manual(手動) | ファイルの編集や命令の前に、毎回聞く | 慣れないうち。大事なフォルダを渡すとき |
| Accept edits(編集を受け入れる) | ファイルの編集と、フォルダを作る・ファイルを移すといったよくある操作は、聞かずに進める | 練習用のフォルダや、戻せるようにしたとき |
| Plan(計画) | 調べて、何をするかの計画を書き、承認を待つ。まだ変えない | 何をされるか先に知りたいとき(次の回) |
| Auto(自動) | 見張り役のAIが、命令やネットへのアクセスを確かめ、頼んだことに合わないものを止める | 条件がそろうと表示される。この本では使わない |
最初に、入力欄の下のモードの表示を見て、Manual になっているかを確かめます。違っていたら、Manual に切り替えます。選んだモードは、フォルダごとに覚えられます。
気をつけたいのは、Accept edits です。編集だけでなく、ファイルの移動も聞かずに進めます。第1章のような整理を Accept edits で頼むと、移動の許可を一度も求められないまま、終わってしまいます。
聞かれる回数と、守られ方
何度も聞かれて手間はかかる。そのぶん、頼んでいないことは関所で止まる
手間は減る。そのぶん、止める役は「渡す範囲」と「戻せる仕組み」に移る
Step 3:一度、モードを切り替えてみる
練習用のフォルダで、一度だけ試します。申込書の3つは、壊れても作り直せる練習用なので、戻す仕組み(第3章)がまだ無くても試せます。入力欄の下で、モードを Accept edits に切り替えて、こう頼みます。
目的:申込書の日付も、請求書と同じ「2025/04/01」の形にそろえたい。
範囲:renshu/請求書の練習 フォルダの「申込書」が付いたファイルだけ。日付以外は変えない。
確かめ方:終わったら、変えたファイルの一覧と、1件だけ、変える前と後を並べて見せて。
今度は、聞かれずに進みます。返ってきた一覧に、申込書の3つだけが並んでいるかを見ます。見終わったら、モードを Manual に戻します。
聞かれなかったあいだ、守る役をしていたのは、頼み方に書いた範囲と、練習用のフォルダしか渡していないことでした。
Step 4:「このあとは聞かない」を押す前に
許可の画面には、「今回だけ」のほかに、「このあとも同じものは聞かない」のような選び方が出ることがあります。
押す前に、何を、どこまで許すのかを読みます。練習用のフォルダの中の編集だけを許すものなら、便利です。どんな命令でも許すような広いものは、押しません。
このほかに、すべての確認を飛ばす特別なモードもあります。設定で、わざわざ有効にしないと出てこないようになっています。この本では使いません。
ここが核心
許可の画面は面倒な確認ではなく、AIが勝手に進まないための関所。何を通すかを決めるのは、あなた。
注意
ただし、読まずに「はい」を押せば、関所は働かない
モードを Manual にしても、あなたが「はい」と押したことは実行されます。読まずに押し続ければ、関所は働きません。慣れても、何をしようとしているかの1行だけは読みます。
セルフチェック
1. 練習用のフォルダで、10個のファイルの編集を頼んだら、毎回許可を聞かれて手間です。この本がすすめる対応はどれですか?
今日のまとめ
- 許可(パーミッション):AIが勝手に進まないための関所
- モード:Manual・Accept edits・Plan・Auto。最初は Manual
- 「このあとは聞かない」は、何を、どこまで許すかを読んでから