売上の表を「見やすく整えて」と頼みました。数十秒で終わり、きれいな表になっていました。
ところが、整える前の表が、どこにもありません。AIは、元の表をそのまま書き換えていたのです。どこをどう変えたのかも、分からなくなりました。
任せたあとで、戻し方を考えても、遅いのです。
Step 1:作業の前に、控えを取らせる
戻せるようにする方法は、難しくありません。作業の前に、フォルダをまるごとコピーしておく。それだけです。このコピーを、この本では控えと呼びます。
控えを取るのも、AIに頼めます。
作業の前に、renshu/売上 をまるごとコピーして、renshu の中に「売上の控え」という名前で置いて。控えには触らないで
頼んだら、renshu の中に「売上の控え」というフォルダができたかを、自分の目で見ます。できていなければ、「控えは、どこにありますか?」と聞きます。
確認されたら、何をしようとしているかを1行読んでから答えます。
Step 2:任せて、違う所を比べさせる
控えがあれば、安心して任せられます。練習用の売上の表で、わざと変更を試します。
renshu/売上/練習用売上.csv で、「新宿支店」を全部「新宿店」にそろえて
終わったら、AIの「できました」だけで終わらせません。何が変わったのかを、控えと比べさせます。
控えと今のフォルダを比べて、違う所を一覧にして
一覧に出るのが、頼んだ変更だけなら合格です。頼んでいないファイルが混ざっていたら、不合格です。第3章の最初の回で見た「自分で確かめた証拠」が、この一覧です。
Step 3:戻したいときは、控えのとおりに
変更がおかしいと思ったら、戻します。
控えのとおりに戻して
戻したあとは、もう一度「控えと今のフォルダを比べて、違う所を一覧にして」と頼みます。「違う所はありません」と返ってくれば、元どおりです。
控えは、一度戻してみるまでは、本当に戻れるかどうか分かりません。練習用のフォルダで、必ず一度やっておきます。
控えを使う流れ
先に控えを取らせる
「作業の前に、renshu/売上 をまるごとコピーして、renshu の中に『売上の控え』という名前で置いて」。renshu の中に控えができる
任せる
頼んだ変更を、AIがフォルダに加える
比べさせる
「控えと今のフォルダを比べて、違う所を一覧にして」。頼んだ所だけが出れば合格
おかしければ戻させる
「控えのとおりに戻して」。もう一度比べて、違う所がなければ元どおり
ここが核心
壊れないように祈るのではなく、壊れても戻れる控えを先に取らせる。
注意
ただし、戻れるのは、控えを取った時点まで
控えは、取った時点の状態です。取ったあとに自分で直した所は、控えのとおりに戻すと消えます。大きな仕事を任せる前に、そのつど控えを取り直します。また、控えは大事な書類の原本の代わりにはなりません。原本は、別の場所にも残しておきます。
セルフチェック
1. 売上の表を整え直す作業を任せる前に、いちばん確かな備えはどれですか?
今日のまとめ
- 任せる前に:「今から触るフォルダをまるごとコピーして、renshu の中に『〇〇の控え』として置いて」
- 任せたあとに:「控えと今のフォルダを比べて、違う所を一覧にして」
- 戻すときに:「控えのとおりに戻して」。戻したら、もう一度比べる
次は、控えを取ったうえで、集計とグラフを任せてみましょう。集計とグラフを任せて、使える数字にするには?