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Geminiで何ができる?(Google製の医療AI)
レッスン 1 / 4|7分で読めます

Geminiで何ができる?(Google製の医療AI)

Googleは実は医療AIで他社の一歩先にいる。Med-Geminiは医師国試91.1%。何が強くて何が弱いのか、整理します。

このレッスンで終わる頃には

  • Geminiが 医療で何に強くて何に弱いか が分かる
  • ChatGPT / Claude / Gemini の 使い分け の感覚がつかめる

実はGoogle、医療AIで先行してる

意外かもしれないけど、医療AIの研究と投資ではGoogleが圧倒的 です。

ChatGPTやClaudeが「汎用AIの医療応用」なのに対して、Googleは 最初から医療に特化したAI を作ってる。Med-PaLMシリーズから始まって、2024年のMed-Geminiへ。

医師国試系ベンチマークの推移

モデルMedQA正答率
Med-PaLM202267.6%
Med-PaLM 2202386.5%
Med-Gemini202491.1%
MedGemma 27B202587.7%(オープンソース)

Med-Geminiは14の医療ベンチマーク中10で最高性能。GPT-4ファミリーを直接比較で 全勝 [2]。


差がつくのは 画像を読める こと

Geminiが他のAIと一番差がつくのが マルチモーダル(画像+テキストを同時に扱える)。

Med-Gemini-2D(X線、病理、皮膚、眼科)

  • 胸部X線レポート: 正常症例の 96%が放射線科医と同等以上 [2]
  • NEJM Image ChallengeでGPT-4Vを大幅に上回る

Med-Gemini-3D(CT/MRI)

  • 3D CTボリュームを解釈する 初の大規模マルチモーダル
  • 放射線科医が見落とした病変を正しく指摘した事例あり

Med-Gemini-Polygenic(ゲノム)

  • 従来の線形多遺伝子リスクスコアを8つのアウトカムで上回る

これ、研究段階モデルです

上で紹介したMed-Gemini系は 研究モデル。一般ユーザーが触れるGemini(Gemini Advancedなど)とは別物。

ただし「Googleの研究がどこに向かってるか」は知っておく価値があります。


一般ユーザー版の実力

じゃあ、普通に使えるGemini Advancedはどうか。

試験GeminiChatGPTClaude
USMLE Step 386%92%90%
日本薬剤師国試83.4%86.6%86%
欧州眼科ボード85.3%83.3%-
心血管薬理(上級)20%高精度-

試験の多くは他のAIと同等。でも 分野によってムラが大きい。心血管薬理の上級問題で20%まで落ちる報告もある [7]。


3大AI、こう使い分ける

ChatGPT・Claude・Geminiの3カードを横に並べ、それぞれの強みを3行ずつ要約した俯瞰図
3大AIは「同じ仕事を奪い合う関係」ではなく「役割が違う3人のチームメイト」。
AI強みこんな時に使う
ChatGPT汎用タスクの王道、GPTsで拡張とりあえず全般
Claude長文読解・文章力論文執筆、記事、長文要約
GeminiGoogle連携、最新情報検索、画像カレンダー・Gmail連携、マルチモーダル

1つに絞る必要なし。場面で使い分けるのが現実的。

2025年後半〜2026年初頭に起きた変化

ビジネス界隈では2025年10〜11月頃から 「Geminiの性能が一段上がった」 という声が増え、2026年初頭の検索トレンドでは Geminiへの関心が ChatGPT を上回る局面も出ています。

日経トレンディ 2026年4月号 では「Gemini vs ChatGPT 7番勝負」が組まれ、

  • 旅程プラン作成(紙面の特集ページを画像で読み込ませる)
  • 冷蔵庫の食材から複数日分のレシピ設計
  • 計算能力テスト(リバーシ対戦含む)

といった比較で Gemini優位の領域 が報告されています [9]。1年前の感覚で「ChatGPTが一番」と止まっているなら、一度触り直す価値はあります。


Geminiの弱み、正直ベース

1. 分野によるムラ

上級レベルの臨床薬理で精度が急落する。専門領域では他のAIと比較する習慣 が必要。

2. 文章の質は Claude / ChatGPT に及ばない

医師向けChatGPT入門本(大塚先生)でも、Geminiの推奨理由は 「Google連携」が中心 で、文章の質では他2つに軍配 [8]。

論文書くならClaude、仕事のメールはChatGPT、Google系連携はGemini、くらいで分けるといい。

3. ハルシネーションは他と同様

Google検索との連携(Grounding)でやや軽減はされる。でも 完全には防げない。医療情報は必ず自分で検証。


まとめ

  • Googleは 医療AI研究で先行。Med-PaLM → Med-Gemini → MedGemma
  • マルチモーダル(画像読める) が最大の強み
  • 試験系は他AIと同等だが、分野ムラがある
  • 実用での強みは Google連携(カレンダー、Gmail、Drive)と最新情報検索
  • 文章の質はClaude/ChatGPTに譲る。使い分けが正解

次は、Gemini最大の強みである Google連携 の話。カレンダーやGmailをそのまま扱える、ここが効きます。


参考文献

  1. Singhal K, et al. arXiv:2305.09617. 2023.
  2. Saab K, et al. arXiv:2404.18416. 2024.
  3. Google DeepMind. MedGemma. Hugging Face, 2025.
  4. AEI. How Well Can AI Chatbots Mimic Doctors. 2024.
  5. JMIR Medical Education. Japanese Pharmacist Exam. 2025.
  6. PMC. European Ophthalmology Board exam. 2024.
  7. Frontiers in Medicine. Cardiovascular pharmacology. 2025.
  8. 大塚篤司. 医師による医師のためのChatGPT入門2. 医学書院, 2024.
  9. 日経トレンディ. 「生成AI Gemini vs ChatGPT 7番勝負」特集. 2026年4月号.