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Caseカルテ・書類申し送り系

夜間イベントをAIで整理して、朝の指導医プレゼンを15分で組む

前夜の検査結果・看護記録を匿名化してClaudeに渡し、SOAP形式のプレゼン台本を生成。準備時間が体感で半減。ただし急変・指示変更は必ず原本確認。

小児科医 / 卒後10年目 / 中規模総合病院(愛育病院)Claude9 min

効いた点

1患者あたりの準備が体感10分→5分程度。プレゼン構成が毎回安定し、「何を先に話すか」で迷う時間が消えた

限界

急変・夜間指示変更の有無は必ず原カルテで確認。AIが整理した数値は突合必須。上級医には『AIで整理した』を開示する

場面

朝の回診前、前夜の検査結果・イベントを指導医プレゼン用に整理する

入力

匿名化した夜間バイタル・検査値・看護記録をClaudeに渡し、One-liner/Overnight Events/Assessment/Plan のSOAP形式で出力させる

状況

担当患者が6人いると、朝の回診準備だけで1時間近くかかる。夜間のバイタル推移、検査結果、看護記録のイベント、それぞれ別の画面を行き来しながら頭の中で統合して、プレゼンの順番を組み立てる。情報は揃っているのに、「構造化」の作業に時間が消えていく感覚がある。

自分は小児科だが、後期研修のころに内科ローテーションで苦労したのがこの準備工程だった。今は担当患者数こそ違うが、「夜間イベントを整理してプレゼンを作る」という構造は同じ。ここの整形レイヤーをAIに渡せると気づいてから、準備の密度が変わった。

やったこと

Step 1: 夜間イベントの構造化(1患者 約3分)

電子カルテの夜間データを匿名化してClaudeに貼り、サマリーを出力させる。

以下の患者の夜間経過を整理し、朝回診用のサマリーを作成してください。

# 患者情報
- 患者ID: [匿名化ID]
- 年齢/性別: [年齢/性別]
- 入院日: [入院日](入院[X]日目)
- 主病名: [診断名]
- 現在の主な治療: [主要な治療内容]

# 夜間データ(直近12時間)
## バイタルサイン推移
[看護記録からコピー]

## 新規検査結果
[血液検査・画像検査の結果]

## 看護記録の主要イベント
[疼痛コール、不眠、転倒、発熱など]

## IN/OUT バランス
[輸液量、尿量、ドレーン排液量]

# 出力形式
以下の形式で簡潔にまとめてください:

## One-liner(1文で患者を紹介)
## Overnight Events(箇条書き、重要度順)
## 本日の検査データ(前日比で変化のあるもののみ)
## Assessment(現在の臨床的評価、改善/悪化/横ばい)
## Plan(本日やるべきこと、優先度順に3-5項目)

「変化のあったデータだけを入力する」が時間短縮のコツ。正常値の羅列は不要で、AIが傾向を読む材料にならない。

Step 2: 悩ましい患者の追加深掘り(2〜3分)

「横ばい」「やや悪化」と出た患者だけ、続けて問いを入れる。

上記の患者について、以下を検討してください:

1. 現在の治療が奏効していない可能性がある場合、考えるべき原因は何か(3つ)
2. 本日追加すべき検査があるか(根拠とともに)
3. 指導医から聞かれそうな質問を3つ予測し、それぞれの回答を準備

簡潔に箇条書きで回答してください。

「指導医に聞かれそうな質問」の予測が特に効く。準備していれば回診中に詰まらない。

Step 3: 全患者の優先順位付け(2分)

全患者のサマリーが揃ったら、回診順をAIに提案させる。

以下の担当患者リストについて、朝回診での報告優先順位を提案してください。

# 患者リスト
1. [患者A]: 肺炎Day5、CRP改善傾向、本日抗菌薬変更予定
2. [患者B]: 心不全増悪、夜間SpO2低下あり
3. [患者C]: 糖尿病教育入院Day3、経過良好
4. [患者D]: 術後Day2、ドレーン排液量増加
5. [患者E]: 退院予定、退院処方の確認のみ

# 優先順位の基準
- 臨床的緊急度(状態変化、新規問題の有無)
- 指導医の判断が必要な事項があるか
- 他科コンサルトや検査の時間制約

優先順位とその理由を1行ずつ簡潔に。

Step 4: プレゼン台本の仕上げ(1患者 1分)

Step 1の出力を渡して、そのままプレゼン形式に変換させる。

以下の患者サマリーを、指導医への回診プレゼン形式(SOAP、2分以内)に変換してください。
「ここが指導医から突っ込まれるポイント」も併記してください。

[Step 1で生成したサマリーを貼り付け]

出てきた台本は「そのまま読む原稿」ではなく、頭の中を整理するメモとして使う。プレゼン本番は自分の言葉で話す。

効いたところ

  • 1患者あたりの準備が体感で10分→5分程度に短縮
  • プレゼンの構成(何を先に話すか)で迷う時間がなくなった
  • 「指導医に聞かれそうな質問」を事前に予測できるため、回診中に詰まるケースが減った
  • 患者ごとのサマリーが毎回同じ形式で出るため、チームへの引き継ぎにもそのまま使える

限界・気をつけていること

ここは妥協しない部分がある。

  • 急変・指示変更は原本必須: 夜間の重要イベント(急変、緊急指示変更)はAIの整理に頼らず、必ずカルテ原文を自分で確認する。AIは「渡したデータの中だけ」で動くため、貼り忘れたイベントは存在しないものとして扱われる
  • 数値は突合する: バイタル・検査値・投薬量はAI出力と原本を並べて1件ずつ確認する。改変はないはずだが、コピペミスが起きることがある
  • 「AIが整理した」は開示する: 上級医へのプレゼンでは「AIで構造化した」を隠さない。これは誠実さの問題で、プレゼンの質を担保するのはあくまで自分の臨床判断
  • 施設ポリシーの確認: 電子カルテの情報を外部AIに渡す前に、施設のセキュリティポリシーを確認する。患者名・カルテIDは匿名化が大前提

横展開

同じ構造は「夜間当直明けの申し送り」にも使える。担当が多い当直の後、朝の申し送りを時間内に終わらせるのにそのまま応用できる。ICU患者であれば入力に人工呼吸器設定・昇圧薬の用量推移を加えると精度が上がる。多職種チーム回診では、リハビリ目標・退院調整の進捗を追加出力させることで、NST・MSWとの情報共有にも使える。