状況
退院サマリーは1件30分かかる。書く内容は分かっているのに、毎回「文体を整える」「過去のサマリーから様式を引っ張る」「言い回しを統一する」という整形作業に時間を取られていた。
入院中のメモは断片的な箇条書きで蓄積している。これを正式な文書に変換する 「整形のレイヤー」だけをAIに渡せばいい と気づいたのが起点。
やったこと
入院中のメモを以下の形でClaudeに渡す。
以下は入院経過のメモです。
当院の退院サマリーフォーマット(主訴/現病歴/経過/退院時指示/フォロー予定)に整理してください。
条件:
- 投薬や検査値の数値は元のメモから変えない
- 不明点は推測せず「(原カルテ参照)」と書く
- 文体は「である調」、医療従事者向け
- 経過は時系列順に、日付付きで
[メモ箇条書きをここに貼る]
返ってきた下書きを、原カルテと並べて1件あたり数分で突合・修正する。文体・構成はそのまま使え、修正は 数値と固有名詞だけ に集中できる。
効いたところ
- 1件あたり 30分 → 10分 に短縮
- 文体が安定し、上級医からの「言い回し直して」フィードバックが減った
- 「サマリーを書く気力」が温存され、当日のうちに完了するようになった
- 過去サマリーをコピペして上書きする悪習慣が消えた(毎回ゼロから整形できるため)
限界・気をつけていること
数値を間違えると患者安全に直結する。ここは妥協しない。
- 数値: 投薬量、検査値、入退院日、年齢、体重、すべて原カルテと1つずつ突合する
- 薬剤名: 後発品 / 先発品の表記揺れ、商品名と一般名の混在をAIが勝手に統一することがある。元のメモ通りに戻す
- 記載漏れ: AIは「メモに書かれていないこと」は補完しない。逆に メモに書き忘れた重要事項は最後まで漏れたまま になる。チェックリスト的に確認する
- 個人情報: 当然ながら、患者氏名・ID・DOBは送信前に伏字化する
「AIが作った下書きを医師が確認」ではなく「医師が書いたものをAIで整形している」という認識でいる方が安全。
横展開
紹介状、診断書、保険会社向け診療内容証明など、様式が決まっていてメモ→正式文書に変換するだけ の書類はすべて同じパターンで効率化できる。