カスタムGPTsで自分専用ツールを作る
GPTsとは
ChatGPT有料版(Plus/Team/Enterprise)の機能で、特定の目的に特化したChatGPTを自分で作れる。プログラミングは不要。日本語の指示文だけで作れる。
一度作れば、毎回プロンプトを書き直す必要がない。チームで共有もできる。
医師が実際に作っているGPTs
在宅医療の「みどり訪問クリニック」が9つのカスタムGPTsを公開している [1]。その中から代表的なものを紹介する。
1. 診療情報提供書GPTs
やること: 病歴を入力すると、搬送用の紹介状を自動生成する。
設定の核(Instructions):
あなたは在宅医療の診療情報提供書を作成する専門アシスタントです。
以下の情報が入力されたら、他病院搬送用の診療情報提供書を作成してください。
出力形式:
- 患者基本情報
- 既往歴
- 現在の治療内容
- 今回の経過と搬送理由
- 申し送り事項
トーンはフォーマルな医療文書。略語は正式名称を併記。
2. 倫理的意思決定支援GPTs
やること: Jonsenの4分割表(医学的適応、患者の意向、QOL、周囲の状況)で倫理的ジレンマを整理する。
終末期の治療方針、DNARの判断、家族間の意見対立など、「正解がない問題」を構造化するのに使える。
3. 専門医試験対策GPTs
大塚篤司先生は、ガイドラインをアップロードし「Study Guide機能でクイズを自動生成するワークフロー」を書籍で紹介している [2]。NotebookLMと組み合わせるとさらに強力だ。
GPTsの作り方(5分)
- ChatGPTの左サイドバーから「GPTを探す」→「GPTを作成」
- 名前をつける(例:「退院サマリー要約くん」)
- Instructionsに指示を書く(日本語でOK)
- 必要に応じてKnowledge(PDF等)をアップロード
- 「保存」して完了
Instructionsのテンプレート
あなたは{専門領域}の{役割}です。
ユーザーが{入力内容}を入力したら、以下の手順で処理してください:
1. {処理ステップ1}
2. {処理ステップ2}
3. {処理ステップ3}
出力形式: {フォーマットの指定}
制約: {やってはいけないこと}
トーン: {文体の指定}
実用的なGPTsアイデア
| GPTs名 | 用途 | 入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| 退院サマリー要約 | 退院時 | カルテ経過 | 200字要約+3項目 |
| 患者説明文ジェネレーター | 外来 | 病名 | 保護者向け説明文 |
| 紹介状ドラフト | 搬送時 | 病歴+搬送理由 | 診療情報提供書 |
| 論文アブスト翻訳 | 研究 | 英語アブストラクト | 構造化日本語要約 |
| カンファ構成提案 | 発表 | 症例サマリー | スライド構成案 |
| 薬物相互作用チェック | 処方 | 薬剤リスト | 相互作用の注意点 |
無料版でもできること
ChatGPTの無料版でもGPTsは使える(作成には有料版が必要だが、共有されたGPTsは無料で利用可能)。
有料版を契約していなくても、以下は無料版で十分できる:
- プロンプトのテンプレートを自分で保存しておく
- レッスン2で学んだRole/Task/Formatの型を毎回使う
- ChatGPTのMemory機能で「自分は○○科の医師」と覚えさせる
Dr. Ash(YouTube)は、ChatGPTのMemory機能を使って「自分の専門、よく使うフォーマット、好みの出力スタイル」を覚えさせることで、毎回のプロンプト入力を大幅に減らすテクニックを紹介している [3]。
次のステップ
ChatGPT入門はここまで。4レッスンで実力の把握、プロンプトの型、臨床ワークフロー、カスタムGPTsまで一通り触れた。
- まだ試していないなら、レッスン2のプロンプトをそのままコピペして試す
- 使い始めたら、自分の科に合ったGPTsを1つ作ってみる
- 慣れてきたら、Claude・NotebookLMと使い分ける
ChatGPTは「何でもできるが、何でも正しいわけではない」ツール。その前提で使えば、間違いなく業務効率は上がる。
参考文献
- みどり訪問クリニック. note.com/midori_homon, 2024.
- 大塚篤司. 医師による医師のためのChatGPT入門. 医学書院, 2024.
- Dr. Ash. "ChatGPT Memory Just Made Doctors 10x More Efficient." YouTube, 2025.