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NanoBanana Proとは — 医師が使える画像生成AI

Gemini内蔵の画像生成モデル。テキストラベルが正確に出る、日本語対応、7つのテンプレート、医療図解の実力。

NanoBanana Proとは

Geminiの中に画像生成AIがいる

NanoBanana Proは、GoogleのGeminiに搭載されている画像生成モデルの通称だ。Geminiのチャット画面で「こういう画像を作って」と指示するだけで、2K〜4K解像度の画像が生成される。

Google DeepMindが開発したGemini 3 Pro Imageモデルで、2025年11月にリリースされた。SynthID(電子透かし)が自動的に付与される。


医療で使える3つの理由

1. テキストラベルが正確に描ける

AI画像生成の最大の弱点は「文字が崩れる」ことだった。MidjourneyもDALL-Eも文字は苦手だ。NanoBanana Proはテキストレンダリングが強い。

解剖図に「大動脈」「左心室」「肺動脈」とラベルを入れる。フローチャートに「診断」「治療」「経過観察」と書く。インフォグラフィックに「HR 0.58 (95% CI 0.44-0.76)」と数値を入れる。これらが読める形で生成される。

2. 日本語に対応している

英語だけでなく日本語のラベルも生成できる。患者説明用の図解を日本語で直接作れるのは大きい。

3. Geminiの中で完結する

別のアプリを開く必要がない。Geminiのチャット画面でテキスト質問と画像生成を行き来できる。論文をGeminiに要約させて、そのまま「この内容をインフォグラフィックにして」と指示できる。


「テイスト:BioRender」 — たった一言で変わる

@ai_biostatの発見が象徴的だ。

「医学研究のスライドやグラフィカルアブストラクト用に画像作りたい時は、Nanobananaのプロンプトに「テイスト:BioRender」ってつけると良さげ。」

BioRenderは医学論文やプレゼンでよく見るフラットな科学イラストのサービスだ。年間数万円の有料サブスクリプション。NanoBanana Proなら「テイスト:BioRender」と一言つけるだけで、あのスタイルに近い図解が無料で生成できる。


7つのプロンプトテンプレート

NanoBanana Proの画像生成には、目的に応じたテンプレートがある。プロンプトの先頭にスタイル指定を入れることで、出力が安定する。

1. イラスト(illustration)

スタイル:モダンでクリーンなフラットイラスト、医療・教育向け
色調:明るく親しみやすいパステルカラー
構図:中央配置、シンプルな背景
品質要件:手指は自然な本数、文字なし、ノイズ軽減

{具体的な内容を記述}

2. 図解・フローチャート(diagram)

スタイル:インフォグラフィック風の図解
色調:ブルー系のプロフェッショナルな配色
構図:情報の流れが左→右 or 上→下で明確
品質要件:テキストは最小限、矢印や接続線は明瞭

{具体的な内容を記述}

3. 医療イラスト(medical)

スタイル:医療教育向けのわかりやすいイラスト
色調:清潔感のある白・水色ベース
構図:解剖図やプロセス図として見やすい配置
品質要件:医学的に正確、ラベルなし(後で追加)

{具体的な内容を記述}

4. ブログヘッダー(blog_header)

スタイル:モダンなブログヘッダー、16:9のワイドフォーマット
色調:鮮やかでアイキャッチ力のある配色
構図:テキストオーバーレイ用の余白を左右どちらかに確保
品質要件:高解像度、文字なし、背景として使える

{具体的な内容を記述}

5. スライド用図解(slide)

スタイル:プレゼンテーション用のクリーンな図解
背景:白
色調:ロイヤルブルーとオレンジのアクセント
構図:シンプルで一目で理解できる
品質要件:文字なし、アイコン的な表現

{具体的な内容を記述}

6. 水彩画風(watercolor)

スタイル:温かみのある水彩画風イラスト
色調:柔らかいパステル、にじみのある表現
構図:自然な配置、余白を活かす
品質要件:手描き感、ノイズ少なめ

{具体的な内容を記述}

7. ポップ・ストリート系(pop)

背景:ピンク
テキスト:白と黒
挿絵イラスト:太めの線で描かれたポップでデフォルメされたイラスト
塗り方:ベタ塗り
全体的にポップなスタイルで統一

{具体的な内容を記述}

研究での評価

IntuitionLabsのライフサイエンス評価では、NanoBanana Pro(Gemini)がDALL-E、Copilot、Midjourneyと比較して、医療イラストの正確性・色使い・教育的価値で最も高い評価を受けた。高度なプロンプティングでスコアが56%向上(例: 紡錘形動脈瘤のスコアが22.4→35.0)[1]。

別の解剖学教育の研究では、心臓・脳・胸骨・手の解剖図でGeminiが最も正確だった [2]。

ただし完璧ではない。手の外科のAI画像を検証した研究では99.8%に解剖学的誤りが含まれていた [3]。


研究で使う場合の注意

ジャーナルのAI画像ポリシー(2026年時点)

ジャーナルポリシー
Nature / Springer NatureAI生成画像を全面禁止
Elsevier研究方法論の一部でない限り禁止
BMJAI生成画像を禁止
The Lancet事実上禁止
PLOSほぼ全面禁止

学会スライド、患者説明資料、SNS投稿、教育コンテンツにはどんどん使える。 論文のFigureとしては現時点では使えない。


まとめ

  • NanoBanana ProはGemini内蔵の画像生成AI。テキストラベルが正確
  • 「テイスト:BioRender」の一言で科学イラスト風になる
  • 7つのテンプレート(イラスト、図解、医療、ヘッダー、スライド、水彩、ポップ)
  • ライフサイエンス評価でDALL-E・Midjourney・Copilotを上回る
  • 論文Figureには主要ジャーナルが禁止中。スライド・患者資料・教育用は自由

参考文献

  1. IntuitionLabs. Gemini Nano Banana Pro: Life Sciences Review. 2025.
  2. PubMed 40635255. AI-generated anatomy illustrations. Clinical Anatomy. 2025.
  3. PMC12547223. AI-generated images for hand surgery. 2025.