このレッスンで終わる頃には
- NanoBanana Pro が 何者で、何に強いか が分かる
- 医療で使える 3つの理由 が見えてる
- BioRenderっぽい科学イラストを 一言で出せる ワザを知ってる
画像生成AIって、医者に関係ある?
正直、MidjourneyとかDALL-Eって、医療で使えない印象ないですか?
- 文字が崩れる(解剖図にラベル書けない)
- 英語しか得意じゃない
- 別アプリ開くのめんどう
これ、全部 NanoBanana Pro で解決してます。
NanoBananaの正体
Geminiの中に入ってる画像生成AI です。
Geminiのチャットで「こういう画像作って」って言うだけで、2K〜4Kの画像が出てくる。2025年11月リリース、Google DeepMind製のGemini 3 Pro Imageモデル。
アプリ入れる必要なし。Geminiを開けば、もうそこにある。
医療で使える3つの理由
1. 文字が ちゃんと描ける
これが一番大きい。
他のAI画像生成では「大動脈」って入れようとすると、だいたい 「ダイド又脈」みたいな崩れた文字 が出てきて、医療では使い物にならなかった。
NanoBananaは 文字が読める形で出る。
- 解剖図に「大動脈」「左心室」「肺動脈」
- フローチャートに「診断」「治療」「経過観察」
- インフォグラフィックに「HR 0.58 (95% CI 0.44-0.76)」
全部ちゃんと読める。医療図解が初めてまともに作れるAI。
2. 日本語対応
英語だけじゃない、日本語のラベルもOK。患者説明用の図を日本語で直接作れる。「心不全の仕組み」「肺炎の進行」みたいな図解が一発で出る。
3. Geminiの中で完結
別アプリ開かなくていい。
- 論文をGeminiに要約させる
- 「この内容をインフォグラフィックにして」
- Gemini内で画像が出る
考えて→作って→出す の流れが1箇所で済む。これが地味に効く。
魔法の一言: 「テイスト:BioRender」
BioRender って知ってますか?医学論文やプレゼンでよく見る フラットな科学イラスト を作れるサービス。年間数万円の有料サブスク です。
Xで @ai_biostat さんが発見した使い方:
「NanoBananaのプロンプトに 「テイスト:BioRender」 ってつけると良さげ」
たった一言。これだけでBioRenderっぽい科学イラストが 無料で 生成される。
(次のレッスンでじっくりやります)
7つのテンプレート(プリセット)
NanoBananaは 最初の一行にスタイル指定 を入れると、出力が安定します。用途別に7種類:
| 用途 | キーワード |
|---|---|
| 一般イラスト | モダン・フラット・医療教育向け |
| 図解・フロー | インフォグラフィック、ブルー系 |
| 医療イラスト | 清潔感、白・水色、医学的に正確 |
| ブログヘッダー | 16:9、余白を左右に確保 |
| スライド用 | 白背景、ロイヤルブルー+オレンジ |
| 水彩画風 | 柔らかいパステル、にじみ |
| ポップ系 | ピンク背景、ベタ塗り、太線 |
詳細はレッスン後半で。
どれくらい使えるの?(研究レビュー)
IntuitionLabsがライフサイエンス画像でAIを比較評価した結果:
- NanoBanana (Gemini) が、DALL-E、Copilot、Midjourneyを上回る
- 医療イラストの 正確性・色使い・教育的価値 で最高評価
- 高度なプロンプトでスコア56%向上(紡錘形動脈瘤: 22.4→35.0)[1]
解剖学教育でも、心臓・脳・胸骨・手の解剖図でGeminiが最も正確だった [2]。
ただし 完璧じゃない。手の外科AI画像の検証では 99.8%に解剖学的誤りが含まれていた という報告もある [3]。
→ 作ったら必ず自分でチェック、が鉄則。
使っていい場面・ダメな場面
| 場面 | 使える? |
|---|---|
| 学会スライドの挿絵 | ◎ |
| 患者説明資料 | ◎ |
| SNS投稿、ブログヘッダー | ◎ |
| 教育コンテンツ | ◎ |
| 論文のFigure | ✕(主要ジャーナル禁止中) |
論文で使えない理由(2026年時点)
| ジャーナル | ポリシー |
|---|---|
| Nature / Springer Nature | AI生成画像を全面禁止 |
| Elsevier | 研究方法論の一部でない限り禁止 |
| BMJ | 禁止 |
| The Lancet | 事実上禁止 |
| PLOS | ほぼ全面禁止 |
論文のFigureには使えない。でもそれ以外は全部OK。これだけ覚えれば大丈夫。
まとめ
- NanoBanana = Gemini内蔵の画像生成AI、文字がちゃんと出る
- 「テイスト:BioRender」 の一言で科学イラスト風になる
- 7種類のテンプレート、用途別に使い分け
- スライド・患者資料・教育用はOK、論文Figureはダメ
次のレッスンで、実際に「テイスト:BioRender」でどこまでいけるか試してみます。
参考文献
- IntuitionLabs. Gemini Nano Banana Pro: Life Sciences Review. 2025.
- PubMed 40635255. AI-generated anatomy illustrations. Clinical Anatomy. 2025.
- PMC12547223. AI-generated images for hand surgery. 2025.