メインコンテンツへスキップ
データを見て直す(PDCAループ)
レッスン 8 / 9|15分で読めます

データを見て直す(PDCAループ)

勘で改善するのは、暗闇でレントゲンなしに手術するのと同じ。MCPで見えた「穴」を、仮説→改善→検証で1個ずつ塞ぐサイクルを作る。

このレッスンの一行サマリ

勘で直す=暗闇の手術。レントゲン(=データ)を取って、いちばん大きな穴を1個ずつ塞ぐ。

このレッスンで終わる頃には

  • 「勘で直す」と「データで直す」の違いが分かる
  • ファネル分析で穴を1つ見つけて、仮説→改善まで1サイクル回せる
  • ABテストの本質と、ソロ開発で現実的にできる範囲が分かる

勘で改善するのは、レントゲンなしの手術

公開して、MCPで数字が見えるようになりました。

ここで多くの人が、こう思います。

なんとなく、ここを直したらいい気がする。

これがいちばん危ない。

Shin氏の比喩がすごく的確だったので引用します(医療職の方には特に刺さるはずです)。

例えるならば、人間が病気にかかって、その病気を直しましょうと。 ですけど病気の原因分からないから、とりあえず片っ端しから、ここかなみたいなちょっと感覚で なんか手術始めたりとか、お薬処方したりとか、そういったことをやってたわけです。

ですけど、そういった病気を直すにはまずはその人に問診をして、 例えばレントゲン取ったりとか、体温測ってみたり、血圧測ってみたり、 それで、ここなんじゃないかなっていう当たりをつける。

ソロプレナー入門の動画 より。

これ、アプリ改善でも同じです。データを取らずに直すのは、暗闇で手探りの手術と同じ。

アプリ改善も診療と同じ

勘で直す
  • 問診なし/検査なし
  • 何が原因か分からないまま手を動かす
  • 当たれば嬉しいが、ほぼ運任せ
  • 直したつもりが悪化することも
データで直す
  • ファネル分析で穴を見つける
  • 仮説 → 最小変更 → 数日見る
  • 良くなったら採用、ダメなら戻す
  • 1サイクル毎に学びが残る

ファネル分析の基本

ファネル(Funnel)= ロート。アプリ内で、ユーザーが下に進むほど数が減っていく構造のことです。

例:

ランディングページ訪問     1000人 ████████████████████
   ↓ (80% 離脱)
新規登録                    200人 ████
   ↓ (50% 離脱)
初回利用                    100人 ██
   ↓ (90% 離脱)
有料プラン                   10人 ▌

このとき、いちばん大きな穴 がどこかが見えれば、改善のインパクトが最大化されます。

「LP→新規登録の80%離脱」を 80%→60%に減らせれば、登録ユーザーは2倍になる。「初回利用→課金の90%離脱」を 90%→80%にしても、課金ユーザーが2倍になる。

全部直す必要はない。いちばん大きな穴を1個ずつ。


仮説を立てる3パターン

01

ユーザー目線でなぞる

自分が詰まる場所を想像

02

他社と比較

「自社だけ違う」を探す

03

Claudeに分析させる

MCPでデータ+HTMLを渡す

仮説の立て方

穴が見つかったら、次は 「なぜ離脱してるか」の仮説。

仮説の立て方は3パターン。

パターン1:ユーザーの気持ちに想像力を働かせる

「LP→新規登録で80%離脱」を見て、自分がそのユーザーだとしたら、

  • 「メールアドレス入力が面倒」
  • 「何ができるのか分からない」
  • 「料金が不明」
  • 「個人情報を取られそうで怖い」

このうち1つが原因と仮定して、そこを直してみる。

パターン2:他のサービスと比較する

同じ機能を提供してる他社サイトを5つ見て、自分のサイトと比べてみる。

  • 認証は何ステップか?
  • LP に何が書いてあるか?
  • ボタンの色・文字は?

「自社だけ違う」部分が、たいてい穴の原因です。

パターン3:Claude Code に分析させる

これがいちばん早い。MCPで取ったデータを Claude Code に渡して:

このファネルデータと、自分のサイトのページHTMLを見て、 どこに離脱の原因がありそうか仮説を3つ出してください。

これで、自分が思いつかない角度の仮説が出てきます。


改善の例

仮説ができたら、最小限の変更で試します。

例1:LP→新規登録の離脱が多い

仮説改善
認証フォームが面倒Google認証だけにする
何ができるか分からないLPの上部に「これができます」を3行で
料金が見えない料金プランをLPに表示

例2:初回利用→継続の離脱が多い

仮説改善
オンボーディングが弱い初回起動時に1分のチュートリアル
価値を実感する前に詰まるサンプルデータをデフォルトで入れる
次に何していいか分からないCTA(次の行動)ボタンを明示

例3:課金転換率が低い

仮説改善
料金が高い月額を3割下げる
ボタンの文字が弱い「申し込む」→「今すぐ始める」
価値が伝わってない課金前に成功体験を1個渡す(無料クレジット等)

Shin氏は「マイクロコピー(小さな文言)の修正だけで売上が1.3倍になることもある」と言ってます。コードに大変更を加えなくても、直せる場所はたくさん あります。


ABテストの本質と、ソロ開発の現実

「ABテスト」をご存知の方も多いかもしれません。

理想は、1箇所だけ変えて、他を全部固定して、数週間置いて、結果を比較する こと。

ただ、ソロ開発では現実的に難しいです。

理由:

  • 1箇所だけ変えるのに数週間かけると、その間アプリが進化しない
  • そもそもユーザー数が少ないので統計的有意差が出にくい
  • 他の機能も並行で改善したくなる

なので 「厳密なABテスト」ではなく「テストマーケティング」 くらいの精度で進めるのが、ソロ開発の現実です。

仮説を立てる → 直す → 数日見る → 良くなった気がしたら採用、ダメなら戻す

これでも、勘で直すよりは100倍ましです。


PDCAループの作り方

   ┌─────────────────────────┐
   │                              ↓
 [Plan]                       [Check]
 仮説を立てる            数字で結果を見る
   ↓                              ↑
 [Do]                         [Act]
 最小限の変更             採用 or 戻す
   │                              ↑
   └─────────────────────────┘

これを 毎週のルーティン にします。

曜日やること
MCPで先週のデータを見る(10分)
いちばん大きな穴を1個特定
仮説を3つ立てる
火-木仮説1つを実装して公開
1週間データを見るために放置
翌月結果を確認、次のサイクルへ

これを 3〜6ヶ月続ける と、初期からは別物のアプリになります。

逆に「公開して数字を見ない」と、3ヶ月で諦めることになります。改善ループ=ソロ開発の生命線です。


モチベーションの話

ここまで読んで、「データ分析って地味だな」と思った方。

正解です。実際、地味です。

ただ、Shin氏も動画で言ってましたが、仮説が当たったときの嬉しさが、ゲームみたい でハマります。

「あの仮説のおかげで離脱が3%下がった」 → 月の売上が3万円から3.5万円に → 自分の判断が数字に効いた

これが、給与で1万円上がるのを待つよりずっと早く、自分でコントロールできる。

ソロ開発の隠れた楽しみは、ここにあります。


今日の宿題

Lesson 06でMCPを繋いだあなたへ。

データが1週間以上溜まってきたら、

  1. ファネル分析で いちばん大きな穴 を1つ特定
  2. その穴の原因仮説を3つ立てる(自分で / Claude Codeに頼んで)
  3. 仮説1つを最小限のコード変更で試す
  4. 1週間後、数字が動いたか確認

公開直後でデータがまだ少なければ、Lesson 09の「広げる」が先かもしれません。柔軟に。


次のレッスン予告

最後の Lesson 09 は 同僚・家族・地域に広げる。

公開して改善ループが回り始めたら、次は人を呼ぶ段階です。SEO・SNS・口コミ、ソロ開発でできるマーケティングを軽く扱います。

完成したらお知らせします。


明日のアクション

今日の宿題は4ステップ

Lesson 06でMCPを繋いだ後、データが1週間以上溜まってから:

  1. ファネル分析で いちばん大きな穴 を1つ特定
  2. その穴の原因仮説を3つ立てる
  3. 仮説1つを最小限のコード変更で試す
  4. 1週間後、数字が動いたか確認

データがまだ少ない場合は、Lesson 09の「広げる」を先にやって、ユーザーを増やしてからこのループに戻るのもアリです。柔軟に進めてください。