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第13章 嘘を潰す — 検証の実装

品質は根性でなく仕組みで守る。数百件の照合を機械に回し、最後の判断だけ人間がする。

まず結論:品質は、根性でなく仕組みで守る

速く大量に作れるようになると、新しい問題が生まれる。確認が、追いつかない

百件の文章、数百件の引用。一つひとつ人間が目で追っていたら、速さの意味がない。かといって、確認を飛ばせば、嘘が混じる。

答えは、確認そのものを、仕組みにすることだ。根性で見るのではなく、機械に大量照合させ、人間は最後の判断だけをする。

例:六四三件の出典を、全部当たる

私の学習アプリには、問題ごとに、根拠となる医学論文がひもづいている。その数、六百件以上。

これを一件ずつ手で確認するのは、現実的でない。だから、こうした。

  1. 照合を機械に回す:すべての出典が、実在する論文かどうかを、まとめて自動で突き合わせる
  2. 怪しいものだけ、深く見る:一致しなかったもの、疑わしいものを、専門の目で並行して裁く
  3. 最後の判断は、人間:消すか、直すか、残すか。基準に沿って決める

こうして、無関係な出典を除き、ずれていたものを正しいタイトルに直した。一件ずつ目視していたら、何日もかかった作業だ。

「正直にする」を、基準に置く

機械化で大事なのは、速さより、何をもって合格とするかの基準だ。

私が置いた基準は、「正直にする」。実在しない引用、本文と合わない出典は、見栄えがよくても残さない。多少不便でも、誠実なほうを採る。

基準さえ決まっていれば、機械はそれに従って大量に裁ける。基準が曖昧なら、何件チェックしても、品質は安定しない。機械化の前に、基準を言葉にする

鉄則:実在しないものは、一件も残さない

これは医療に限らない。数字、出典、固有名詞。AIは、もっともらしい「嘘」を平気で混ぜてくる。

だから、検証は「だいたい合っていればいい」ではいけない。実在しないものは、一件も残さない。一件残すと、全体の信頼が崩れる。読者は、一つの嘘を見つけた瞬間、残り全部を疑う。

速さの裏側で、この一線だけは、機械と人間の二重で守る。

持ち帰り

  • 大量のチェックが要る仕事は、「全部を機械に照合 → 怪しいものだけ人間」の二段にする
  • チェックの前に、「何をもって合格か」を一行で言葉にする
  • 数字・出典・固有名詞は、実在を必ず確かめる。曖昧なら、出さない

次章は、作るものを「教材」に広げる。一度の設計で、何度も使う量産の話だ。