まず結論:全部いらない。一個から
ここまで、私のOSを、ねじ一本まで開けて見せてきた。司令塔と相棒、頭の使い分け、記憶、技能、ブレーキ、自動運転。
正直に言う。これを、いっぺんに揃える必要はない。
私だって、最初から全部あったわけではない。一個ずつ、困ったところから足していった結果が、いまの形だ。だからあなたも、一個から始めればいい。
最初の一個は、いちばん重い雑務
どこから始めるか。基準は、第1章で書いた通りだ。「手」の側で、いちばん時間を食っている雑務。それを、最初にAIへ渡す。
人によって違う。文章の下書きかもしれないし、調べ物かもしれないし、資料作りかもしれない。毎日「これ面倒だな」と思っている、その一つだ。
小さくていい。むしろ、小さいほうがいい。一個渡して、効くと分かれば、二個目は自然に増える。
今日できる、第一歩
もっと手前から始めるなら、これだ。AIに、自分の前提を一度、文章で渡す(第7章)。
自分の役割、文章の好み、避けたい言い方。これを一度伝えておくだけで、明日からのやり取りが変わる。準備もいらない。今日、五分でできる。
OSは、立派な設計図から始まるのではない。たった一つの「これ、もう自分でやらなくていいや」から始まる。
続けられる仕組みにする
始めたあとのコツは、一つ。効いたものだけ残す。
足してみて、楽にならなかったものは、捨てる。楽になったものだけ、残して、磨く。これを繰り返すと、あなたの仕事に本当に合ったOSが、自然と立ち上がってくる。
借り物の完璧な仕組みより、自分の手で一個ずつ確かめた仕組みのほうが、ずっと長く使える。
持ち帰り
- 「手」でいちばん時間を食う雑務を一つ選び、今日AIに渡す
- まだ何も渡せないなら、まず「自分の前提」を文章で伝える
- 足したものは、効いたものだけ残す。効かないものは、捨てる
次章は、その「渡し方」を磨く。同じ仕事でも、指示の解像度で、返ってくるものが変わる。