ある担当者の話
打ち合わせのたびに、取引先へ同じ説明を繰り返している自分に気づいた人がいた。この手続きはどう進める、この書類はどこに出す。口頭で伝えて、翌週にはきれいに忘れられている。
いつでも見返せる案内サイトがあれば解決するのに。
開発会社に相談したら、見積もりは500万円。3か月かかる。内容を変えたいときは毎回追加費用。
その人は、Claude Codeで自分でサイトを作った。週末の2日で。費用は月額利用料だけ。修正したければ「ここをこう変えて」と言うだけ。数分で終わる。
作り話じゃない。実際に起きたことだ。
何が変わったのか
2025年より前のプログラミングは、特殊な記号の羅列を一文字も間違えずに打つ世界だった。何年もかけて学ぶ専門技術。働く人がわざわざ手を出す領域ではなかった。
それが変わった。
今のプログラミングは会話だ。日本語で「こういうものが欲しい」と言う。AIがコードを書く。結果を見て「もうちょっとこうして」と伝える。AIが直す。その繰り返しでアプリが完成する。
これは、実はプログラミングの歴史で何度も起きてきたことでもある。Claude Codeを作ったBoris Chernyは、この変化をこう位置づけている。
“The act of building software is changing. I imagine programmers felt this way when software moved from circuits to punch cards, then to assembly, then again to high level languages, and once again to even higher level languages. My approach is to stay focused on the outcome:”
筆者訳ソフトウェアを作るという行為そのものが変化している。ソフトウェアが回路からパンチカードへ、そしてアセンブリへ、さらに高水準言語へ、またさらに高水準な言語へと移るたびに、プログラマーたちも同じように感じていたのではないかと想像する。私のアプローチは、成果に集中し続けることだ。
回路からパンチカードへ、パンチカードからアセンブリへ、アセンブリから高水準言語へ。そのたびに「専門家だけの仕事」の範囲は変わってきた。今起きているのは、その延長線上の変化だ。覚えるのはプログラミング言語じゃない。AIとの会話の仕方だ。
Claude Codeとは何か
パソコンの中にいるプログラマーだと思ってほしい。日本語で指示すると、コードを書いてくれる。
ファイルを作り、コードを書き、動くものに仕上げるところまで全部やる。あなたのパソコンの中で。
Anthropic自身は、Claude Codeをこう説明している。
“Claude Code serves as the agentic harness around Claude: it provides the tools, context management, and execution environment that turn a language model into a capable coding agent.”
筆者訳Claude Codeは、Claudeを取り囲む agentic harness(エージェントを動かす土台)として機能する。言語モデルを実力あるコーディングエージェントに変える、ツール・文脈管理・実行環境を提供する。
何かを頼むと、Claude Codeは3つの段階を踏む。文脈を集める、行動する、結果を確かめる。この3段階を自分でこなしてくれるからこそ、頼んだあとに手を動かすのはあなたではなく、Claude Codeの方になる。
普通のチャットAI(ChatGPTやClaudeのWeb版)は「こう書けばいいですよ」と教えてくれるだけだ。Claude Codeは違う。実際にファイルを触って、手を動かしてくれる。ここが一番大きい。

学ばなくていいこと
安心してほしい。このコースでは以下を一切扱わない。
- プログラミング言語(JavaScript、Pythonなど)の文法
- アルゴリズムやデータ構造
- コンピュータサイエンスの理論
- 数学的な知識
全部Claude Codeがやる。
学ぶこと
代わりに3つだけ学ぶ。
伝え方。Claude Codeに何をどう言えば欲しいものが出てくるか。仕事の依頼書と同じで、正確に伝えるコツがある。
整理の仕方。ファイルをどう置くか、作ったものをどう管理するか。
確認の仕方。出来上がったものがちゃんと動いているか確かめる方法。
この3つは、Claude Codeが内部でこなす「文脈を集める→行動する→結果を確かめる」という3段階と対応している。あなたが担うのは、その3段階の外側だ。頼む前に文脈を渡し、終わった後に結果を確かめる。
実際に働く人が作ったもの
どんなものが作れるのか。全部、働く人がClaude Codeで作った実例だ。
みなとん(利用者向け情報サイト)。港区の子育て世帯向けに、病気や子育て支援の情報をまとめている。記事は350以上。業務時間中に「みなとんで検索してみてください」と言えば、相手がスマホで読める。口頭説明の繰り返しから解放された。
AMPL(知識共有ポータル)。働く人向けの学習コンテンツをまとめたサイト。今あなたが読んでいるこのページがまさにそれだ。コース形式の仕組みごと、Claude Codeとの会話で作った。
資格試験の対策アプリ。670以上の項目を集めたデータベースから出題して、解説を表示する。学習進捗の記録もできる。市販にはない自分専用の学習ツールだ。
開発会社に頼めば数百万円。それがClaude Codeとの会話で作れる。
このコースの全体像
全12レッスン、合計2時間17分。
レッスン12が終わるころには、頭の中のアイデアを自分で形にできるようになっている。
必要なのはプログラミングの知識じゃない。何を作りたいかを言葉にする力だけだ。
では、次のレッスンで手を動かそう。
Claude Codeの公式紹介ページ。次のレッスンでここから入っていく
明日のアクション
「こんなツールがあったら、自分の仕事が楽になるのに」と思うものを1つ、紙やメモアプリに書き出してみてください。具体的であるほどいいです。「顧客説明用の資料を自動で作りたい」「シフト表を簡単に作りたい」など。このコースを通じて、それを実際に形にすることを目指します。
