このレッスンで終わる頃には
- 毎日やってるやつを、コマンド1つで済ませる仕組みが作れる
- さらに進んで、決まった時間に勝手に走るところまで仕込める
- バイパスモードと組み合わせた完全無人化が分かる
このレッスンで作るもの
朝、毎日おなじことやってない?
パソコン開いて、カレンダー見て、メール見て、今日の優先順位つけて...。これ、昨日もやった、一昨日もやった、明日もやる。
1回10分として、1年で60時間。まるっと1週間分の時間が消えてる計算。
この「毎回おなじ手順」を、Claudeにやってもらう仕組みが パイプライン。
パイプラインって何?
水道管のイメージでいい。
- 蛇口ひねる(コマンドを打つ)
- 配管を水が通る(Claudeが決まった手順で動く)
- 蛇口から水が出る(結果が出てくる)
中の配管はClaudeに任せて、自分は蛇口をひねるだけ。

例: 朝の工程表を30秒で
入門編のLesson 5でやった Skills、覚えてますか?スラッシュコマンドで呼ぶやつ。
パイプラインは、Skillsをもうちょい賢くしたもの。朝のブリーフィングを自動化するとこうなる:
$/daily-schedule1. Googleカレンダーから今日の予定取得...2. GitHubから未完了タスク取得...3. 予定とタスク突き合わせて優先順位...4. 工程表をMarkdownで保存:~/Desktop/today-2026-05-03.md ✓
1行打つだけで全部で30秒。手動だと10分以上 かかる作業。
パイプラインの材料は3つだけ
この3つが揃うと、外からデータ取る → ルールに従って処理 → 結果出す の流れが1発で回る。
実例: 論文検索Skill
使えそうな例として、論文検索を書いてみる。
ファイル名: .claude/commands/lit-search.md
# 論文検索パイプライン
## 手順
1. 入力された疑問を **PICO** に分解
- P: 対象患者
- I: 介入
- C: 比較対象
- O: アウトカム
2. PICOからPubMed検索クエリを作成
3. 直近5年の論文を上位5件取得
4. 各論文を日本語で要約
- タイトル / 筆頭著者 / 雑誌 / 研究デザイン
- 主な結果(3行)
- 臨床的意義(1行)
5. 5件を踏まえた総合コメント1段落
## ルール
- エビデンスレベルの高い研究を優先
- 結果は原著の表現に忠実に、断定を避ける
使い方:
$/lit-search 小児の急性中耳炎、抗菌薬の待機的処方と即時処方どっちが有効かPICOに分解中...PubMed検索(直近5年)...5件抽出 → 要約中...30秒で完了 ✓
→ 30秒で、5本の要約+総合コメントが出る。
30分の投資が、毎日10分の節約
Skillを作るのに30分かかったとして、毎日10分の作業を置き換えたら、3日で元が取れる。1ヶ月で5時間、1年で60時間の差。
やってみよう: 患者説明文ジェネレーター
実際に1つ作ってみる。疾患名を投げると、保護者向け説明文が出てくるやつ。
Claudeにこう頼む:
# .claude/commands/patient-info.md を作って。中身はこう:
# 患者向け疾患説明ジェネレーター
疾患名が入力されたら、以下の構成で説明文を作る:
- どんな病気か(2-3文)
- 主な症状(箇条書き、5つ以内)
- 一般的な治療法(2-3文)
- 家庭で気をつけること(箇条書き、3つ以内)
- 再受診の目安(箇条書き、3つ以内)
## ルール
- 小学校高学年が読める日本語
- 医学用語は避ける。使うなら必ず言い換えを添える
- 不安をあおる表現を使わない
- 末尾に「必ず医師の指示に従ってください」
できたら試す:
$/patient-info RSウイルス感染症
30秒で保護者に渡せるレベルの説明文が出てくる。
AIが書いたまま渡さない
医療情報は 必ず自分の目でチェック してから患者に渡してください。
パイプラインは「下書きを素早く作る装置」であって、「最終版を作る装置」じゃない。チェックは人間(=自分)の責任。
育てていくイメージ
最初から完璧を目指さなくていい。
最小構成で動かして、使いながら足す。「英語版も出したい」って思ったら1行追加:
4. 同じ内容の英語版も併記(在日外国人の保護者向け)
Skillはただのテキスト。気楽に書き足して育てる。
次のステップ: 時間を決めて勝手に走らせる
ここから一段進む。Skillsを 毎朝7時に自動で走らせる ことができる。
CoWorkとClaude Codeの両方に スケジュール機能 が入ってる。
いけともさんがスケジュール機能を実演しているところ。設定画面の見せ方が参考になる。
設定場所
CoWorkでもClaude Codeでも 予定済み(Scheduled) というメニューがある。そこから「新しいタスク」を追加。
実行時に読まれる3層
スケジュール実行でも、普段の依頼と同じくCLAUDE.mdが全部読まれる:
入門編で作ったグローバル設定が、朝7時の無人実行 にもそのまま効く。
バイパスモードと組み合わせる
スケジュールは 無人で動く のが前提。途中で「許可していい?」が出ると止まって朝までぶら下がる。
そこで バイパスモード と組み合わせて、確認スキップで走らせる。ただし 定型化した安全な作業だけ。
寝てる間に仕事してくれる
朝のブリーフィング、週次レビュー、月次レポート。これらをスケジュール+バイパスで積んでおくと、自分が寝てる間に仕事が進んでる状態 が作れます。
起きたら結果だけ確認すればいい。これは本当に効く。
手動実行もできる
スケジュール組んでても、UI上の 「今すぐ実行」 ボタンで即発火できる。テストとか、急ぎで欲しい時に便利。
CoWorkとClaude Code、どっちでスケジュール?
両方にある。でも バイパスが明示的に使えるのは Claude Code 側 (2026年5月時点)。
CoWorkで試行 → 確立したらClaude Codeに移して無人化、が自然な流れ。

スケジュール機能の詳細・cron記法・バイパスモードの設定方法。
まとめ
- Skill = 毎日やってる手順をレシピにする
- CLAUDE.md + Skill + MCP = パイプライン(外からデータ取って処理して出す)
- スケジュール機能 = 決まった時間に自動で走らせる
- バイパスモード と組み合わせて、本当に無人運転
「毎朝10分」が消えると、1ヶ月で5時間の余裕が生まれる。
次は Claude API。UIじゃなく、自分のコードからClaudeを呼び出す話。自分だけのAIツールを作る土台。
明日のアクション
「毎回やってるな」と思う作業を1つ選んで、Skill化してみてください。
候補:
- 退院サマリーの下書き
- 紹介状のひな形
- 勉強会資料の構成案
- 週次ふりかえり
.claude/commands/ に .md 1つ置いて、スラッシュコマンドで呼べる状態まで作ってみる。できたら、スケジュール機能で毎朝9時に自動実行 にも仕込んでみてください。寝てる間に下書きができてる感覚、味わえます。
