このレッスンで終わる頃には
- Claudeを 自分のアプリの中 で動かす方法が分かる
- 患者向けFAQチャット、紹介状の自動下書きみたいなものが作れるようになる
- APIキーの正しい扱い方と、systemパラメータでのガード方法が分かる
このレッスンで作るもの
Claudeを「みんなに使わせる」立場へ
ここまで、Claudeは 自分が使う道具 だった。
でも、例えばクリニックのサイトに「よくある質問チャット」を置きたくなったとする。患者さんにClaude Codeを開いてもらうわけにはいかない。
自分のWebアプリの中にClaudeを埋め込む 必要がある。
それを実現するのが API(エーピーアイ)。正式名称は気にしなくていい。

作れるものの例
APIを使うと、こういうのが作れる:
Claudeの頭脳を借りて、自分のアプリに組み込む。臨床経験と掛け合わせると、強いツールが作れます。
準備: APIキーをもらう
Anthropicの公式サイトで、APIキーという通行証をもらう。

旧Anthropic Console。APIキー発行・利用状況の確認・上限設定はすべてここから。
このキー、絶対に漏らさない
- コードに直接書かない(GitHubに上げたら誰でも見える)
- Slackで共有しない
- READMEに書かない
漏れると他人があなたのアカウントでAPI使って、請求だけあなたに来る 事態に。
キーをPCに保存する
「環境変数」という場所に入れるのが作法。ターミナルでこう打つ:
$echo 'export ANTHROPIC_API_KEY="さっきコピーしたやつ"' ~/.zshrc$source ~/.zshrc
以後、コードからは ANTHROPIC_API_KEY という名前で呼び出せる。直接書かなくてよくなる。
10行でAIと対話するコード
Claudeに頼む:
$ask_claude.py というPythonスクリプトを作って。anthropic SDK を使って、claude-sonnet-4-6 に「小児の発熱時に保護者が知っておくべきことを3つ」を聞くだけのシンプルなやつ。
中身はこんな感じ:
import anthropic
import os
client = anthropic.Anthropic(
api_key=os.environ["ANTHROPIC_API_KEY"]
)
message = client.messages.create(
model="claude-sonnet-4-6",
max_tokens=1024,
messages=[
{"role": "user", "content": "小児の発熱時に保護者が知っておくべきことを3つ教えて"}
]
)
print(message.content[0].text)
実行:
$pip install anthropic$python ask_claude.py1. 38度を超えても元気なら様子見でOKな場合が多い。2. 機嫌が悪い・水分が摂れない時は受診を検討。3. 解熱剤は熱を下げるためでなく、つらさを和らげるため。
数秒で回答が出る。10行で、自分のコードからClaudeに質問できる状態に。
何してるか、ざっくり
client = anthropic.Anthropic(...)→ 受付に着いた状態client.messages.create(...)→ Claudeにメッセージ送信print(...)→ 返事を表示
コード自体はClaudeに書かせて、自分は「何させるか」を考える。これが使い方です。

Python・TypeScript・Java など各言語のSDKリファレンス。インストールから最初のコールまで一気通貫。
messages.create() の全パラメータ。max_tokens, temperature, stop_sequences など。
応用: 患者向けFAQチャット
クリニックのサイトで「よくある質問」を答えるチャットを置きたい、でも ChatGPTみたいに何でも答えるのは困る。
自分が監修した情報の範囲だけ回答させたい。
APIの systemパラメータ がそれを実現する:
message = client.messages.create(
model="claude-sonnet-4-6",
max_tokens=1024,
system="""あなたは小児科クリニックのFAQアシスタントです。
以下のルールを必ず守ってください:
- 承認済みFAQ以外の質問には「申し訳ありませんが、その質問には
お答えできません。直接クリニックにお問い合わせください」と返す
- 診断や処方に関する具体的な助言はしない
- 承認済みFAQ:
- 予防接種のスケジュール
- 発熱時の受診目安
- 感染症の登園基準
""",
messages=[
{"role": "user", "content": "子どもが38度の熱です。受診したほうがいいですか?"}
]
)
systemに書いたルールの範囲内だけで回答 する。範囲外は「お答えできません」でガードされる。
自分が監修した情報だけに基づくAIチャット、これで作れます。
臨床経験 × Claudeの言語能力
APIを手に入れると、他の人のためのツール を作れるようになる。
患者向け、同僚向け、医局向け。あなたの臨床経験と組み合わさると、まだ世に無いツールが生まれます。
料金: いくらかかる?
従量課金。使った分だけ。ざっくり:
APIコンソールで 「月100ドルで止まる」みたいな上限設定 もできる。これを入れておくと安心。

モデル別の入出力単価。Sonnet 4.6 / Haiku 4.5 / Opus 4.7 を比較しながら設計に使う。
ここから先
Claude Codeは 自分の生産性を上げる道具 だった。
APIを持つと、自分が作ったアプリの中でClaudeが動く。他の人に使ってもらえるツールが作れる立場になる。
これ、医師としてキャリア後半に向けて、一人で誰かを助ける範囲を広げる 強力な武器になります。
まとめ
- API = Claudeを自分のアプリから呼び出す仕組み
- APIキーを取って、環境変数に保存(コードに直書き禁止)
- Pythonで10行書けば、Claudeとのやりとりが始まる
- systemパラメータ で「このルールの範囲内だけで答えて」ができる
- 料金は従量課金、上限設定しておけば安心
次は Learning Mode。自分の学習を加速させる使い方。入門編の知識を深めるパート。
明日のアクション
- console.anthropic.com でアカウント作成 → APIキー取得
- 環境変数に保存
- レッスン内のPythonスクリプトを実行して、Claudeから返事が返ってくることを確認
- 自分の専門領域で1つ質問を投げてみる(「小児の〇〇について、保護者向けに5つポイントを」みたいな)
- APIコンソールで 月額上限を設定(最初は$20くらいで十分)
「自分のコードからAI呼び出した」感覚、1回味わうと見方が変わります。
