このレッスンの一行サマリ
競合調査は5分でいい。それ以上やる時間があるなら、その分手を動かして作ったほうが早い。
このレッスンで終わる頃には
- 競合調査に時間をかけない理由が分かる
- 「すでにあるじゃん」で諦めなくていい3つの根拠を言語化できる
- 自分のアイデアにGoサインを出すかどうか、5分で判断できる
Lesson 01の続き
前回、自分の身近な不便を3つ書き出してもらいました。
その中から「これ作りたいかも」と思えたものに、いざ取りかかろうとしたとき、ほぼ確実にこうなります。
作りたいテーマ
↓
Google検索する
↓
似たアプリが見つかる
↓
「もうあるじゃん」
↓
諦める
ここで止まる人が、たぶん全体の半分以上です。
このレッスンでは、その壁を5分で抜ける方法を扱います。
結論を先に言うと
競合調査は5分でいい。
それ以上やる時間があるなら、その分手を動かして作ったほうが早いです。
理由はShin氏も動画で言ってます。
競合がいても売れるものは売れる。プロダクトが良ければね。
これ、本当にそうで、私も何度も体感してきました。
なぜ徹底調査は時間の無駄なのか
理由は2つ。
理由1:不確実性が高すぎる
「競合10社をスプレッドシートで比較」みたいなことをやっても、出てくるのは「どこも頑張ってるな」という感想だけです。
それでGoかStopか判断はできない。なぜなら 市場で当たるかどうかは作って出さないと分からない から。
理由2:そもそも競合は「いてくれた方がいい」
これ、勘違いしやすいんですけど、
- 競合ゼロのアイデア = ニーズ自体がない可能性が高い
- 競合あり = そこに需要があることを誰かが先に証明してくれている
「すでにあるじゃん」は、そこに市場がある証拠 なんですよ。
「メモアプリなんて山ほどあるじゃん」 → でも新しいメモアプリは毎年生まれて、誰かが使ってる。
ちなみに、自分でGoogle検索する時間も惜しい場合は Deep Research(ChatGPT / Claude) に10〜20分まかせるのも手です。「[領域]の競合と各社の差別化ポイント、ニッチ余地を調べて」と頼むと、上位5社くらいを比較した報告が返ってきます。
個人が大手に勝てる3つの場所
「市場はある、でも大手と勝負して勝てるの?」
ここで効くのが、ソロ開発の構造的な強みです。
| 場所 | キーワード | 例 |
|---|---|---|
| 場所1 | 1機能に尖らせる | Notion → ToDoだけ/Slack → メンションだけ |
| 場所2 | 自分の使い方に最適化 | 「タグ要らない」「画像1枚だけ」 |
| 場所3 | ニッチに振り切る | 「自分の専門領域だけ」「家族3人だけ」 |
ソロ開発が勝てる3つの場所
1機能特化
「○○しかできません」を価値に
自分最適化
最大公約数の逆を行く
ニッチ振り切り
狭いほど強い
場所1:1機能に尖らせる
大手のサービスは「全部入り」を目指します。
Notionは何でもできるけど、何かに特化はしてません。Slackは全部の連絡を集約するけど、特定のシナリオに最適化はされてません。
ソロ開発の強みは 「○○しかできません」 が言えること。
例:
- 「Notionの中の、ToDoリストだけ」を、もっと使いやすく
- 「Slackの中の、自分宛メンションだけ」を、リスト形式で見せる
- 「ChatGPTの中の、メールの下書きだけ」を、自分の書き方で
「全部はできないけど、これだけは誰よりも気持ちいい」が、ソロ開発の勝ち筋です。
場所2:自分の使い方に最適化
大手のサービスは、最大公約数 を狙います。誰にでもそれなりに使えるけど、誰にも完璧にはハマらない。
ソロ開発はその逆ができます。最小公倍数(自分1人)に完全に最適化できる。
例:
- メモアプリで「タグ機能は要らない、日付ごとに並ぶだけでいい」
- ToDoで「期限管理は要らない、やるかやらないかだけ」
- カレンダーで「家族3人の予定だけ、シンプルに横並び」
「他の人には不便かもしれないけど、自分には最高」、これが市販品では絶対に作れない領域です。
場所3:ニッチに振り切る
大手は マスを狙う必要がある。だからニッチには手を出せません。
ソロ開発は逆に、狭い領域に振り切れる。
例:
- 「PubMed検索で、自分の専門領域のレビューだけ」をピックアップ
- 「子育て世帯×港区×小児科限定」の情報サイト
- 「読書メモだけど、自分の専門書3ジャンルに完全特化」
ニッチでも、自分が一番のユーザーなら、それだけで作る価値があります。
やってはいけない競合調査
いい調査の話をしたので、悪い調査も書いておきます。
| やりがち | なぜダメか |
|---|---|
| 競合10社のスプレッドシート比較 | 時間かかるだけ、判断には繋がらない |
| 「機能数」で勝負しようとする | 大手に絶対勝てない領域 |
| 「自分のアイデアの劣化版」を見つけて諦める | 場所1〜3の角度で見ると劣化版じゃない |
| 「儲かりそう」を気にする | ソロ開発の出発点は「自分が使う」 |
モメンタムは突っ走っていいサイン
調査して「微妙だな」と思ったら、進めない方がいいです。直感は当たります。
逆に、調査しても 「いや、それでも作りたい」 というやる気が消えなかったら、そこで止まらず突っ走ってください。
これは Shin氏もスタートアップ用語として「モメンタム状態」と呼んでます。
最初の立ち上がりの時ってすごいやる気に満ちてるので、そのやる気に満ちてるってことは、それは自分の今までの経験上、直感的にいけるって思ってるんですよ。
直感が「いける」と言っているなら、競合調査の結論に関係なく、走り出す価値があります。
5分でGoサインを出すチェックリスト
実際に5分でやる調査の中身です。これだけで十分。
□ Google検索で「[キーワード] アプリ」で1ページ目を眺める
□ App Storeで「[キーワード]」を検索(スマホアプリの場合)
□ 上位3つの「足りないところ」を1行ずつメモ
□ 「自分なら、その足りないところを埋められそうか」を自問
□ 「競合がいても作りたい」気持ちが残ってるか自問
5分。タイマーかけてください。
5分で 「作りたい」が残ってる なら、Goです。次のレッスンに進む。
今日の宿題
Lesson 01で書き出した3つの不便から、1つだけ選んで 5分の競合調査をしてください。
- 上のチェックリスト5項目をやる
- メモは1行ずつでOK
- 結論:「やる / やらない / 別の不便にする」を決める
決めたら、その1つのアイデアが、次のLesson 03(MVP開発)の題材になります。
次のレッスン予告
「これでいく」が決まったら、いよいよ手を動かす段階です。
次のLesson 03は MVP開発:「最小機能だけで作る」を扱います。続くLesson 04で、PubMed APIで実装する手触りまで一気に進みます。ここで初めて、CLI・APIが登場します。
完成したらお知らせします。
明日のアクション
今日の宿題は5分
Lesson 01で書き出した3つの不便から、1つだけ選んで以下を5分でやる:
- Google検索で「[キーワード] アプリ」を見る
- 上位3つの「足りないところ」を1行ずつメモ
- 「自分なら埋められそうか」自問
- 「それでも作りたい」気持ちが残ってるか自問
タイマーをかけて、5分で結論を出してください。「やる / やらない / 別の不便にする」のどれかに着地できればOKです。
「やる」を選んだそのアイデアが、次のLesson 03でMVPとして形になります。
