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レッスン 2 / 8|8分で読めます

MCPとは何か ─ 用語と全体像

Model Context Protocol の仕組みを、専門用語なしで理解する。Claudeに「道具を生やす」とはどういうことか。梶谷氏の「部下」比喩から入る。

Vibe Coding Level 301 連携編

第2回 MCPとは何か ─ 用語と全体像

このレッスンで終わる頃には

  • MCPが「Claudeに道具を生やす仕組み」だと腹落ちしている
  • MCPサーバー・クライアント・ツールという3つの概念を説明できる
  • どんな種類のMCPがあるか、代表例を10個は挙げられる

「ある種の部下を呼び出す」

梶谷健人氏は、Claude Codeのエージェント機能をこう表現しました。

ある種部下として、自動で呼び出してこういうのを作ってくれる、みたいな感じ

単純にAIに質問するのではなく、実際に何かを実行する存在として呼び出す。 この発想が、MCPを理解する出発点です。


Claude Codeの「デフォルトの限界」

Claude Codeは、何もしなくてもできることがあります。

  • コードを書く
  • 文章を要約する
  • ファイルを作る・編集する
  • ターミナルコマンドを実行する

一方、デフォルトではできないことがあります。

  • Notionのページを更新する
  • Googleカレンダーに予定を入れる
  • PubMedで論文を検索する
  • Slackにメッセージを送る
  • データベースに問い合わせる

この「デフォルトではできないこと」をできるようにするのが、MCPです。


MCPとは何か

MCP(Model Context Protocol)とは、ClaudeなどのAIに外部ツールへのアクセス権を渡す仕組みです。

直訳すると「モデルにコンテキストを渡すプロトコル(約束事)」。

難しく聞こえますが、本質は1行です。

Claudeに「この道具を使っていい」という許可を渡す仕組み


レストランの仕入れ業者に例えると

いけとも氏がレストランの比喩を使っていました。これがわかりやすいので引用します。

レストラン(Claude Code)は料理を作ります。 でも食材は、自分では仕入れられません。 仕入れ業者と契約することで、初めて食材が手に入ります。

登場人物役割
レストランClaude Codeあなたが話しかけるAI
仕入れ業者MCPサーバーNotion・PubMed・Slack
仕入れ品データ・操作権限ページ内容・論文・メッセージ

MCPを繋ぐとは、仕入れ業者と新しい契約を結ぶことです。 業者が増えるほど、レストランが作れる料理の幅が広がります。


MCPの3つの登場人物

MCPを理解するには、3つの概念を押さえるだけでいいです。

1. MCPクライアント(Claude Code側)

あなたが話しかける相手。Claude Codeがここにあたります。 MCPサーバーに「これをやって」と依頼します。

2. MCPサーバー

外部ツールへの橋渡し役。Notion・Slack・PubMedなどのAPIを叩く中継地点です。 「繋ぐ」とは、このサーバーをClaude Codeに登録することを指します。

3. ツール(Tool)

MCPサーバーが提供する個別の機能。 たとえばNotion MCPには、「ページを検索する」「ページを作る」「ページに追記する」といった複数のツールが入っています。


MCP接続の仕組み

Claude Codeへの接続は、設定ファイルに1〜3行追記するだけです。

claude mcp add notion

または設定ファイル(~/.claude.json)に直接書く方法もあります。

{
  "mcpServers": {
    "notion": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@notionhq/notion-mcp-server"],
      "env": {
        "NOTION_API_KEY": "your_key_here"
      }
    }
  }
}

一度繋いだら、Claude Codeが起動するたびに自動で接続します。


代表的なMCP一覧

使える頻度が高い順に整理しました。

情報管理・コミュニケーション

MCPできること
Notionページ読み書き・検索・データベース操作
Slackメッセージ送信・チャンネル操作
Google Calendar予定の追加・変更・確認
Gmailメール読み書き・送信

医療・研究

MCPできること
PubMed論文検索・要約
Web検索(Brave等)リアルタイム検索

開発・データ

MCPできること
Supabaseデータベースのクエリ・操作
Google Analyticsアクセスデータ取得・分析
Search Console検索ワード・SEOデータ
GitHubIssue管理・PRレビュー

MCPの種類:公式・コミュニティ・自作

MCPには3つの出所があります。

公式MCP AnthropicやNotionなどのサービス提供会社が作ったもの。 品質が安定していて、ドキュメントも整っています。

コミュニティMCP 開発者がGitHubで公開しているもの。 数が多く、ニッチな用途に対応したものも揃っています。 使用前にコードを確認する習慣をつけると安心です。

自作MCP 自分の業務に特化した機能を作る。 Lesson 08 で実際に作ります。


MCP探しの場所

すでに何百ものMCPが公開されています。

「PubMed MCP」「Notion MCP」のように、使いたいツール名 + MCP で検索すると見つかります。


注意:MCPはインターネットを通る

重要なことを先に伝えます。

MCPを使うと、Claude Codeが外部サービスに接続します。 これはインターネットを通したデータのやりとりを意味します。

患者の氏名・ID・所見、自分の認証情報(パスワード・APIキー)は、MCPを通じて外部に送らないことが原則です。

セキュリティの詳細は Lesson 07 で扱います。 今は「繋いだら外部と通信している」という意識を持っておくだけで十分です。


まとめ

  • MCP = Claudeに「この道具を使っていい」と許可を渡す仕組み
  • MCPサーバーが外部ツールへの橋渡しをする
  • 代表例:Notion・Slack・Calendar・PubMed・Supabase
  • 公式・コミュニティ・自作の3種類がある
  • 接続はコマンド1行か設定ファイルへの追記

次は Lesson 03。PubMed MCPを実際に繋いで、論文検索を会話で完結させます。


演習:自分が繋ぎたいMCPを3つ挙げる

Lesson 01 で書き出した「手作業コスト」を見返してください。

その手作業を減らすために、どのMCPが使えそうでしょうか。 3つ以内で、具体的なMCPの名前を書いてみてください。

書いたものが、Lesson 03〜04での実装ターゲットになります。