第3回 PubMed MCP ハンズオン
「論文を探す」という手間
外来が終わった後、こういう場面があります。
- 今日みた珍しい所見、文献確認しておきたい
- 学会発表の参考文献、もう少し最新のものを探したい
- 研修医に「ガイドラインのエビデンスどこですか」と聞かれた
PubMedを開く。英語でキーワードを打つ。ヒット数が多くて絞り込む。 アブストラクトを読む。本文が必要ならDOIを開く。 これを5本繰り返すと30分は経ちます。
PubMed MCPを使うと、この作業がClaudeへの一文になります。
小児喘息の吸入ステロイドに関する、2022年以降のRCTを5本要約して
事前準備:NCBIアカウントとAPIキー
PubMed MCPにはNCBIのAPIキーが必要です。取得は5分、無料です。アカウント作成はNCBI(米国国立生物工学情報センター)のサイトから。
NCBIアカウントを作る
「Sign in to NCBI」からメールアドレスかGoogleアカウントで登録する
APIキーを発行する
Account settings → API Key Management → Create an API Key
発行された英数字の文字列がAPIキーです。コピーして、安全な場所(メモアプリなど)に保存しておきます。
注意:APIキーはパスワードと同じです。GitHubや共有ドキュメントには絶対に貼らないでください。
インストール:MCP本体を入れる
PubMed MCPにはいくつかの実装があります。2026年5月時点で動作が確認されているのは @cyanheads/pubmed-mcp-server です。
Claude Codeが動いているターミナルで、以下を実行します。
claude mcp add pubmed-server --command npx --args "-y,@cyanheads/pubmed-mcp-server"
または、設定ファイルを直接編集する方法もあります(下の「設定」セクション参照)。
注意(2026年5月時点): PubMed MCP の実装は複数の開発者が公開しており、パッケージ名や設定方法が変わる場合があります。上記コマンドがうまくいかない場合は、npmjs.com で
pubmed-mcp-serverを検索して最新の実装を確認してください。
設定:APIキーを渡す
MCPの設定ファイルにAPIキーを登録します。
設定ファイル(~/.claude.json または ~/.config/claude/claude_desktop_config.json)を開き、mcpServers セクションに以下を追加します:
{
"mcpServers": {
"pubmed-server": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@cyanheads/pubmed-mcp-server"],
"env": {
"NCBI_API_KEY": "あなたのAPIキーをここに"
}
}
}
}
動作確認
Claude Codeを再起動して、試しに話しかけます。
PubMedで「pediatric asthma inhaled corticosteroids」を検索して、2022年以降の論文を5本タイトルだけ教えて
数秒で、PubMedの検索結果が返ってきます。これが動けば、接続成功です。
実際に使う:医療場面の例
外来での新患対応後
Claudeが検索し、アブストラクトを読んで整理します。 10分かかっていた文献確認が、30秒で終わります。
学会発表の参考文献集め
参考文献リストの下書きがそのまま出てきます。
研修医への指導
エビデンスの出どころを、その場でClaudeが調べて返します。
複数MCPと組み合わせる
PubMed MCPが動いたら、他のMCPと組み合わせると力が倍増します。
Notion MCPも繋いだ状態なら:
検索と保存が一発で終わります。
こういう組み合わせが、Lesson 04以降のテーマです。
よくあるエラーと対処
よくあるエラーと対処
「PubMed MCPが見つかりません」
Claude Codeを再起動する
「APIキーが無効です」
設定ファイルのAPIキーを確認する
「検索結果が0件です」
英語でのキーワードを試す
セキュリティ確認
PubMedは公開データベースへの検索です。患者情報を入力する必要はありません。
PubMed MCPで検索していいこと・いけないこと
疾患名・治療名・薬剤名での検索
「小児喘息」「抗生剤適正使用」などの一般的な検索語
患者の氏名・ID・固有情報を含む検索
「田中さんの○○という症状」のような個人を特定できる情報
演習:3パターン試す
PubMed MCPが繋がったら、以下の3パターンを試してください。
パターン1:短い
パターン2:フォーマット指定
パターン3:自分の業務に近い検索語 自分の専門領域で、最近気になっているテーマを1つ選んで自由に試してください。