Vibe Coding Level 301 連携編
第3回 PubMed MCP ハンズオン
このレッスンで終わる頃には
- NCBIのAPIキーを取得し、PubMedをClaudeから使える状態にできる
- 「この疾患の最新ガイドライン論文を3本要約して」を一発で実行できる
- MCPを繋ぐ手順の感覚が身につき、他のMCPにも応用できる
「論文を探す」という手間
外来が終わった後、こういう場面があります。
- 今日みた珍しい所見、文献確認しておきたい
- 学会発表の参考文献、もう少し最新のものを探したい
- 研修医に「ガイドラインのエビデンスどこですか」と聞かれた
PubMedを開く。英語でキーワードを打つ。ヒット数が多くて絞り込む。 アブストラクトを読む。本文が必要ならDOIを開く。 これを5本繰り返すと30分は経ちます。
PubMed MCPを使うと、この作業がClaudeへの一文になります。
小児喘息の吸入ステロイドに関する、2022年以降のRCTを5本要約して
Claudeが検索し、取得し、整理して返します。
事前準備:NCBIアカウントとAPIキー
PubMed MCPにはNCBIのAPIキーが必要です。 取得は5分、無料です。
ステップ1:NCBIアカウントを作る
NCBI(米国国立生物工学情報センター)のサイトにアクセスし、「Sign in to NCBI」からアカウントを作ります。
メールアドレスがあれば登録できます。 Googleアカウントでのサインインも使えます。
ステップ2:APIキーを発行する
ログイン後、右上のアカウント名をクリック → 「Account settings」へ。
ページ中段に「API Key Management」というセクションがあります。 「Create an API Key」を押すと、英数字の文字列が表示されます。
これがAPIキーです。コピーして、安全な場所(メモアプリなど)に保存しておきます。
注意:APIキーはパスワードと同じです。GitHubや共有ドキュメントには絶対に貼らないでください。
インストール:MCP本体を入れる
PubMed MCPにはいくつかの実装があります。2026年5月時点で動作が確認されているのは @cyanheads/pubmed-mcp-server です。
Claude Codeが動いているターミナルで、以下を実行します。
claude mcp add pubmed-server --command npx --args "-y,@cyanheads/pubmed-mcp-server"
または、設定ファイルを直接編集する方法もあります(下の「設定」セクション参照)。
注意(2026年5月時点): PubMed MCP の実装は複数の開発者が公開しており、パッケージ名や設定方法が変わる場合があります。上記コマンドがうまくいかない場合は、npmjs.com で
pubmed-mcp-serverを検索して最新の実装を確認してください。
設定:APIキーを渡す
MCPの設定ファイルにAPIキーを登録します。
設定ファイル(~/.claude.json または ~/.config/claude/claude_desktop_config.json)を開き、mcpServers セクションに以下を追加します:
{
"mcpServers": {
"pubmed-server": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@cyanheads/pubmed-mcp-server"],
"env": {
"NCBI_API_KEY": "あなたのAPIキーをここに"
}
}
}
}
動作確認
Claude Codeを再起動して、試しに話しかけます。
PubMedで「pediatric asthma inhaled corticosteroids」を検索して、2022年以降の論文を5本タイトルだけ教えて
数秒で、PubMedの検索結果が返ってきます。
これが動けば、接続成功です。
実際に使う:医療場面の例
外来での新患対応後
今日の外来で、ガラクトース血症の新患がいました。
PubMedでガラクトース血症の最新マネジメントについて、
2020年以降のレビュー論文を3本要約してください。
Claudeが検索し、アブストラクトを読んで整理します。 10分かかっていた文献確認が、30秒で終わります。
学会発表の参考文献集め
PubMedで「early-onset sepsis neonatal」を検索して、
2021年以降でSystematic ReviewかMeta-analysisのものを5本、
タイトル・著者・年・DOIの形式で一覧にしてください
参考文献リストの下書きがそのまま出てきます。
研修医への指導
研修医に「CRPが上がってても抗生剤が必要じゃないことがある」という話をしました。
根拠になるガイドラインや最近の論文を、PubMedで探して
わかりやすい解説をつけてください
エビデンスの出どころを、その場でClaudeが調べて返します。
複数MCPと組み合わせる
PubMed MCPが動いたら、他のMCPと組み合わせると力が倍増します。
Notion MCPも繋いだ状態なら:
PubMedで小児腸重積のエビデンスを5本検索して、
内容を要約した上でNotionの「研究メモ」ページに追記しておいて
検索と保存が一発で終わります。
こういう組み合わせが、Lesson 04以降のテーマです。
よくあるエラーと対処
「PubMed MCPが見つかりません」
Claude Codeを再起動してください。 MCPの設定はClaude Code起動時に読み込まれます。
「APIキーが無効です」
設定ファイルのAPIキーを確認してください。 コピーした際に余分なスペースが入っていることがあります。
「検索結果が0件です」
英語でのキーワードを試してください。 PubMedは英語論文データベースです。 日本語のキーワードは認識できません。
セキュリティ確認
PubMed MCPを使う際の確認事項です。
PubMedは公開データベースへの検索です。 患者情報を入力する必要はありません。
やっていいこと:
- 疾患名・治療名・薬剤名での検索
- 「小児喘息」「抗生剤適正使用」などの一般的な検索語
やってはいけないこと:
- 患者の氏名・ID・固有情報を含む検索
- 「田中さんの○○という症状」のような個人を特定できる情報
まとめ
- NCBIアカウントとAPIキーを取得する(5分・無料)
npx @cyanheads/pubmed-mcp-server等の実装を設定ファイルで登録- 設定ファイルにAPIキーを登録
- 「PubMedで〇〇を検索して」と話しかければ動く
- 他のMCPと組み合わせると、検索→保存が一発で完結
次は Lesson 04。Notion・Slack・Calendarを繋ぎ、情報の「受け取り→整理→共有」を自動化します。
演習:3パターン試す
PubMed MCPが繋がったら、以下の3パターンを試してください。
パターン1:短い
PubMedで「RSウイルス 乳児」の2022年以降の論文を5本検索して
パターン2:フォーマット指定
PubMedで「neonatal hypoglycemia management」を検索して、
2021年以降の論文を3本、タイトル・著者・年・DOIの形式で一覧にして
パターン3:自分の業務に近い検索語 自分の専門領域で、最近気になっているテーマを1つ選んで自由に試してください。