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レッスン 3 / 8|9分で読めます

PubMed MCP ハンズオン

医療者に最も使える連携の1つ、PubMed MCPを実際に繋ぐ。論文検索が「話しかけるだけ」で完結する状態を、ゼロから30分で作る。

Vibe Coding Level 301 連携編

第3回 PubMed MCP ハンズオン

このレッスンで終わる頃には

  • NCBIのAPIキーを取得し、PubMedをClaudeから使える状態にできる
  • 「この疾患の最新ガイドライン論文を3本要約して」を一発で実行できる
  • MCPを繋ぐ手順の感覚が身につき、他のMCPにも応用できる

「論文を探す」という手間

外来が終わった後、こういう場面があります。

  • 今日みた珍しい所見、文献確認しておきたい
  • 学会発表の参考文献、もう少し最新のものを探したい
  • 研修医に「ガイドラインのエビデンスどこですか」と聞かれた

PubMedを開く。英語でキーワードを打つ。ヒット数が多くて絞り込む。 アブストラクトを読む。本文が必要ならDOIを開く。 これを5本繰り返すと30分は経ちます。

PubMed MCPを使うと、この作業がClaudeへの一文になります。

小児喘息の吸入ステロイドに関する、2022年以降のRCTを5本要約して

Claudeが検索し、取得し、整理して返します。


事前準備:NCBIアカウントとAPIキー

PubMed MCPにはNCBIのAPIキーが必要です。 取得は5分、無料です。

ステップ1:NCBIアカウントを作る

NCBI(米国国立生物工学情報センター)のサイトにアクセスし、「Sign in to NCBI」からアカウントを作ります。

メールアドレスがあれば登録できます。 Googleアカウントでのサインインも使えます。

ステップ2:APIキーを発行する

ログイン後、右上のアカウント名をクリック → 「Account settings」へ。

ページ中段に「API Key Management」というセクションがあります。 「Create an API Key」を押すと、英数字の文字列が表示されます。

これがAPIキーです。コピーして、安全な場所(メモアプリなど)に保存しておきます。

注意:APIキーはパスワードと同じです。GitHubや共有ドキュメントには絶対に貼らないでください。


インストール:MCP本体を入れる

PubMed MCPにはいくつかの実装があります。2026年5月時点で動作が確認されているのは @cyanheads/pubmed-mcp-server です。

Claude Codeが動いているターミナルで、以下を実行します。

claude mcp add pubmed-server --command npx --args "-y,@cyanheads/pubmed-mcp-server"

または、設定ファイルを直接編集する方法もあります(下の「設定」セクション参照)。

注意(2026年5月時点): PubMed MCP の実装は複数の開発者が公開しており、パッケージ名や設定方法が変わる場合があります。上記コマンドがうまくいかない場合は、npmjs.compubmed-mcp-server を検索して最新の実装を確認してください。


設定:APIキーを渡す

MCPの設定ファイルにAPIキーを登録します。

設定ファイル(~/.claude.json または ~/.config/claude/claude_desktop_config.json)を開き、mcpServers セクションに以下を追加します:

{
  "mcpServers": {
    "pubmed-server": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@cyanheads/pubmed-mcp-server"],
      "env": {
        "NCBI_API_KEY": "あなたのAPIキーをここに"
      }
    }
  }
}

動作確認

Claude Codeを再起動して、試しに話しかけます。

PubMedで「pediatric asthma inhaled corticosteroids」を検索して、2022年以降の論文を5本タイトルだけ教えて

数秒で、PubMedの検索結果が返ってきます。

これが動けば、接続成功です。


実際に使う:医療場面の例

外来での新患対応後

今日の外来で、ガラクトース血症の新患がいました。
PubMedでガラクトース血症の最新マネジメントについて、
2020年以降のレビュー論文を3本要約してください。

Claudeが検索し、アブストラクトを読んで整理します。 10分かかっていた文献確認が、30秒で終わります。

学会発表の参考文献集め

PubMedで「early-onset sepsis neonatal」を検索して、
2021年以降でSystematic ReviewかMeta-analysisのものを5本、
タイトル・著者・年・DOIの形式で一覧にしてください

参考文献リストの下書きがそのまま出てきます。

研修医への指導

研修医に「CRPが上がってても抗生剤が必要じゃないことがある」という話をしました。
根拠になるガイドラインや最近の論文を、PubMedで探して
わかりやすい解説をつけてください

エビデンスの出どころを、その場でClaudeが調べて返します。


複数MCPと組み合わせる

PubMed MCPが動いたら、他のMCPと組み合わせると力が倍増します。

Notion MCPも繋いだ状態なら:

PubMedで小児腸重積のエビデンスを5本検索して、
内容を要約した上でNotionの「研究メモ」ページに追記しておいて

検索と保存が一発で終わります。

こういう組み合わせが、Lesson 04以降のテーマです。


よくあるエラーと対処

「PubMed MCPが見つかりません」

Claude Codeを再起動してください。 MCPの設定はClaude Code起動時に読み込まれます。

「APIキーが無効です」

設定ファイルのAPIキーを確認してください。 コピーした際に余分なスペースが入っていることがあります。

「検索結果が0件です」

英語でのキーワードを試してください。 PubMedは英語論文データベースです。 日本語のキーワードは認識できません。


セキュリティ確認

PubMed MCPを使う際の確認事項です。

PubMedは公開データベースへの検索です。 患者情報を入力する必要はありません。

やっていいこと:

  • 疾患名・治療名・薬剤名での検索
  • 「小児喘息」「抗生剤適正使用」などの一般的な検索語

やってはいけないこと:

  • 患者の氏名・ID・固有情報を含む検索
  • 「田中さんの○○という症状」のような個人を特定できる情報

まとめ

  • NCBIアカウントとAPIキーを取得する(5分・無料)
  • npx @cyanheads/pubmed-mcp-server 等の実装を設定ファイルで登録
  • 設定ファイルにAPIキーを登録
  • 「PubMedで〇〇を検索して」と話しかければ動く
  • 他のMCPと組み合わせると、検索→保存が一発で完結

次は Lesson 04。Notion・Slack・Calendarを繋ぎ、情報の「受け取り→整理→共有」を自動化します。


演習:3パターン試す

PubMed MCPが繋がったら、以下の3パターンを試してください。

パターン1:短い

PubMedで「RSウイルス 乳児」の2022年以降の論文を5本検索して

パターン2:フォーマット指定

PubMedで「neonatal hypoglycemia management」を検索して、
2021年以降の論文を3本、タイトル・著者・年・DOIの形式で一覧にして

パターン3:自分の業務に近い検索語 自分の専門領域で、最近気になっているテーマを1つ選んで自由に試してください。