第6回 5つの神連携(コネクター/MCP/API/CLI/ブラウザ)
「仕入れ業者の種類」

いけとも氏はMCPとAPI連携の違いを、レストランの比喩で説明しています。
レストランの仕入れ業者には、野菜専門の業者、肉専門の業者、調味料の業者と種類がある。それと同じで、Claudeに外部情報を渡す方法にも種類があります
5つの連携経路
| # | 経路 | 代表例 | 難易度 | 強み |
|---|---|---|---|---|
| 1 | コネクター | Zapier・Make | ★☆☆ | ノーコード、直感的 |
| 2 | MCP | Notion・PubMed | ★★☆ | リアルタイム、双方向 |
| 3 | API | 自前HTTP | ★★★ | 自由度が高い |
| 4 | CLI | シェル・スクリプト | ★★☆ | 自動化・バッチ処理 |
| 5 | ブラウザ | Computer Use | ★★★ | APIがないサービスにも |
1. コネクター(Zapier・Make)
何ができるか
ZapierやMakeは、AのアプリとBのアプリを繋ぐノーコードツールです。「Notionにページが追加されたらSlackに通知する」といった自動化を、コードなしでドラッグ&ドロップで設定できます。
Claudeとの連携
ZapierはClaude連携機能を持っています。
医療版の例:患者さんが事前問診フォームに回答 → Claudeが要約 → 担当医のSlackに「本日の新患、要点はこちら」として届く。
向いている場面・向いていない場面
- 向く:「AのアプリからBのアプリへ」という決まったフロー、コードを書きたくないとき、月数回の軽いルーティン
- 向かない:リアルタイムに複雑な判断が必要なとき、Claudeとの双方向の対話が必要なとき
2. MCP(Model Context Protocol)
Lesson 02〜04で扱った内容の位置づけを整理します。
何ができるか
ClaudeとNotionやSlackやPubMedを、リアルタイムで双方向に繋ぎます。 コネクターとの違いは「双方向性」です。Claudeが外部ツールから情報を取得し、書き込み、更新できます。
MCPが向く場面・向かない場面
「調べて→保存して→通知して」のような複数ステップを一発で
会話の流れに応じてAIが判断し、外部ツールを使いたいとき
Notion・Slackのような公式MCPがあるツールとの連携
公式MCPがないツールとの連携(→ API or ブラウザ経路へ)
大量のデータを高速で処理する用途(→ CLI or APIが適切)
3. API(Application Programming Interface)
何ができるか
APIとは、外部サービスが用意している「プログラム向けの窓口」です。気象庁のAPIに問い合わせると天気データが、厚労省のAPIに問い合わせると医薬品情報が取得できます。
Claude Codeとの連携
Claude Codeにこう頼みます。
Pythonで厚労省の医薬品DBのAPIを叩いて、
「アセトアミノフェン」の添付文書情報を取得するスクリプトを作って
Claudeがコードを書き、実行します。APIの認証(APIキーの設定など)は必要ですが、コードはClaudeが書きます。
向いている場面・医療での活用例
- 向く:公式MCPがないがAPIは公開されているサービス、大量データの取得・処理、自分で細かく制御したいとき
- 医療での例:厚労省・PMDA・国立医薬品食品衛生研究所などの公的APIから薬剤情報取得、病院の電子カルテシステムが外部API公開している場合の連携(要セキュリティ確認)、MedlinePlus API(米国向けだが英語の患者教育情報に有用)
4. CLI(コマンドラインインターフェース)
何ができるか
ターミナルで実行するコマンドやスクリプトと、Claude Codeを組み合わせます。毎朝決まった時間にスクリプトを走らせる(cron)、ファイルが増えたら自動で処理する(watch)、といった使い方です。
Claude Codeとの連携
Claude Codeはターミナルコマンドを実行できます。 「毎朝8時に、PubMedで昨日のCI/CDニュースを検索してファイルに保存するcronを設定して」とClaudeに頼めば、cron設定まで書いてくれます。
向いている場面・医療での活用例
- 向く:定期的なバッチ処理、ファイル操作・変換の自動化、複数スクリプトを組み合わせたパイプライン
- 医療での例:毎週月曜に特定キーワードのPubMed新着をチェックしてNotionに保存、学会スライドのPDFをフォルダに入れたら自動で要約
5. ブラウザ(Computer Use・Playwright)
何ができるか
ClaudeがWebブラウザを操作します。APIがないサイト、ログインが必要なページ、複雑なフォームにも対応します。Anthropicは「Computer Use」という機能でこれを実装しています。
具体例
- 電子カルテシステムの特定画面から情報を取得(要セキュリティ評価)
- Webフォームへの入力作業を自動化
医療での注意事項
電子カルテ・医療システムへのブラウザ自動操作は、病院の情報管理規定や契約条件を必ず確認してください。 患者情報を扱うシステムへの自動操作は、セキュリティ評価なしには進めないことを原則とします。 個人PCでのブラウザ自動化(たとえばPubMedの閲覧)は問題ありません。
5経路の選び方
自分のやりたいことを、この質問で絞ります。
対象サービスに公式MCPはあるか
あればMCP経路が最も簡単
公式APIが公開されているか
あればAPI経路かCLI経路
コードを書かずに繋ぎたいか
コネクター(Zapier・Make)が向く
APIもなくサイトから直接取りたいか
ブラウザ経路(難易度高め)
医療職の多くのケースは、MCPかコネクターで解決できます。APIとブラウザは、それでは対応できない場面の選択肢です。
組み合わせの例:医療版ワークフロー
5経路を組み合わせると、こういう自動化ができます。
PubMed MCP
論文検索・要約
Notion MCP
要約をページに保存
Google Calendar MCP
発表日をカレンダーに登録
CLI(cron)
毎週月曜に新着チェックを自動実行
Slack MCP
新着があれば「今週の新着論文」をチームに通知
全部繋ぐと、毎週月曜の朝に自動で動いて、チームのSlackに通知が届きます。自分がやることはゼロです。
演習:自分のワークフローを5経路で分類する
Lesson 01で書き出した「手作業コスト3つ」を見返してください。
それぞれについて、どの連携経路が使えるかを考えてみます。
| 手作業コスト | 使えそうな経路 |
|---|---|
| (書き出したもの1) | MCP / API / コネクター / CLI / ブラウザ |
| (書き出したもの2) | |
| (書き出したもの3) |
このテーブルを埋めるだけで、次のステップが見えてきます。