Vibe Coding Level 301 連携編
第6回 5つの神連携(コネクター/MCP/API/CLI/ブラウザ)
このレッスンで終わる頃には
- 連携の5経路(コネクター・MCP・API・CLI・ブラウザ)の違いが説明できる
- 自分のやりたいことに、どの経路が向いているかを判断できる
- いけとも氏の「レストランの仕入れ業者」比喩の意味が腹落ちしている
「仕入れ業者の種類」
いけとも氏はMCPとAPI連携の違いを、レストランの比喩で説明しています。
レストランの仕入れ業者には、野菜専門の業者、肉専門の業者、調味料の業者と種類がある。それと同じで、Claudeに外部情報を渡す方法にも種類があります
Claude(レストラン)が仕事をするために必要な「食材」は、5種類の業者ルートで届けられます。
5つの連携経路
| # | 経路 | 代表例 | 難易度 | 強み |
|---|---|---|---|---|
| 1 | コネクター | Zapier・Make | ★☆☆ | ノーコード、直感的 |
| 2 | MCP | Notion・PubMed | ★★☆ | リアルタイム、双方向 |
| 3 | API | 自前HTTP | ★★★ | 自由度が高い |
| 4 | CLI | シェル・スクリプト | ★★☆ | 自動化・バッチ処理 |
| 5 | ブラウザ | Computer Use | ★★★ | APIがないサービスにも |
1. コネクター(Zapier・Make)
何ができるか
ZapierやMakeは、AのアプリとBのアプリを繋ぐノーコードツールです。
「Notionにページが追加されたら、Slackに通知する」 「Googleフォームに回答が来たら、スプレッドシートに記録する」
こういった自動化を、コードなしでドラッグ&ドロップで設定できます。
Claudeとの連携
ZapierはClaude連携機能を持っています。
例:Google FormへのURLを受け取ったら、Claudeに要約させて、Slackに投稿する。
医療版の例:患者さんが事前問診フォームに回答 → Claudeが要約 → 担当医のSlackに「本日の新患、要点はこちら」として届く。
向いている場面
- 「AのアプリからBのアプリへ」という決まったフロー
- コードを書きたくないとき
- 月に数回しか動かさないような、軽いルーティン
向いていない場面
- リアルタイムに複雑な判断が必要なとき
- Claudeとの双方向の対話が必要なとき
2. MCP(Model Context Protocol)
Lesson 02〜04で詳しく扱いました。 ここでは位置づけを整理します。
何ができるか
ClaudeとNotionやSlackやPubMedを、リアルタイムで双方向に繋ぎます。
コネクターとの違いは「双方向性」です。 Claudeが外部ツールから情報を取得し、書き込み、更新できます。
向いている場面
- 「調べて→保存して→通知して」のような複数ステップを一発で
- 会話の流れに応じて、AIが判断して外部ツールを使いたいとき
- NotionやSlackのような「公式MCPがあるツール」との連携
向いていない場面
- 公式MCPがないツールとの連携(→ API or ブラウザ経路へ)
- 大量のデータを高速で処理する用途(→ CLI or APIが適切)
3. API(Application Programming Interface)
何ができるか
APIとは、外部サービスが用意している「プログラム向けの窓口」です。
たとえば、国立国会図書館のAPIに問い合わせると、本の情報が取得できます。 気象庁のAPIに問い合わせると、天気データが取れます。 厚労省のAPIに問い合わせると、医薬品情報が取れます。
Claude Codeとの連携
Claude Codeにこう頼みます。
Pythonで厚労省の医薬品DBのAPIを叩いて、
「アセトアミノフェン」の添付文書情報を取得するスクリプトを作って
Claudeがコードを書き、実行します。 APIの認証(APIキーの設定など)は必要ですが、コードはClaudeが書きます。
向いている場面
- 公式MCPがないが、APIは公開されているサービス
- 大量データの取得・処理
- 自分で細かく制御したいとき
医療での活用例
- 厚労省・PMDA・国立医薬品食品衛生研究所などの公的APIから薬剤情報取得
- 病院の電子カルテシステムが外部API公開している場合の連携(要セキュリティ確認)
- MedlinePlus API(米国向けだが、英語の患者教育情報に有用)
4. CLI(コマンドラインインターフェース)
何ができるか
ターミナルで実行するコマンドやスクリプトと、Claude Codeを組み合わせます。
たとえば:
- 毎朝決まった時間にスクリプトを走らせる(cron)
- ファイルが増えたら自動で処理する(watch)
- バックアップを自動で取る
Claude Codeとの連携
Claude Codeはターミナルコマンドを実行できます。 「毎朝8時に、PubMedで昨日のCI/CDニュースを検索してファイルに保存するcronを設定して」とClaudeに頼めば、cron設定まで書いてくれます。
向いている場面
- 定期的なバッチ処理
- ファイル操作・変換の自動化
- 複数のスクリプトを組み合わせたパイプライン
医療での活用例
- 毎週月曜に特定のキーワードのPubMed新着をチェックしてNotionに保存
- 学会スライドのPDFをフォルダに入れたら自動で要約
5. ブラウザ(Computer Use・Playwright)
何ができるか
ClaudeがWebブラウザを操作します。 APIがないサイト、ログインが必要なページ、複雑なフォームにも対応します。
Anthropicは「Computer Use」という機能でこれを実装しています。
具体例
- 電子カルテシステムの特定画面から情報を取得(要セキュリティ評価)
- Webフォームへの入力作業を自動化
- スクリーンショットを撮ってClaudeに分析させる
向いている場面
- APIが存在しない、または非公開のサービス
- GUIベースの操作を自動化したいとき
医療での注意事項
電子カルテ・医療システムへのブラウザ自動操作は、病院の情報管理規定や契約条件を必ず確認してください。 患者情報を扱うシステムへの自動操作は、セキュリティ評価なしには進めないことを原則とします。 個人PCでのブラウザ自動化(たとえばPubMedの閲覧)は問題ありません。
5経路の選び方
自分のやりたいことを、この質問で絞ります。
質問1:対象サービスに公式MCPはあるか? → あればMCP経路が最も簡単
質問2:公式APIが公開されているか? → あればAPI経路かCLI経路
質問3:コードを書かずに繋ぎたいか? → コネクター(Zapier・Make)が向く
質問4:APIもなく、Webサイトから直接取りたいか? → ブラウザ経路(難易度高め)
医療職の多くのケースは、MCPかコネクターで解決できます。 APIとブラウザは、それでは対応できない場面の選択肢です。
組み合わせの例:医療版ワークフロー
5経路を組み合わせると、こういう自動化ができます。
例:学会発表サポートパイプライン
- PubMed MCP → 論文検索・要約
- Notion MCP → 要約をページに保存
- Google Calendar MCP → 発表日をカレンダーに登録
- CLI(cron) → 毎週月曜に新着チェックを自動実行
- Slack MCP → 新着があれば「今週の新着論文」をチームに通知
全部繋ぐと、毎週月曜の朝に自動で動いて、チームのSlackに通知が届きます。 自分がやることはゼロです。
まとめ
- コネクター:ノーコードで直感的、定型的な一方向フロー向け
- MCP:リアルタイム双方向、Notionや公式ツールとの連携に最適
- API:自由度が高い、公的DBや外部サービス連携に
- CLI:バッチ処理・定期実行に
- ブラウザ:APIがない場合の最終手段
まず MCP かコネクターで始めて、物足りなくなったら API や CLI に進むのが現実的な順序です。
次は Lesson 07。連携を広げるほどセキュリティの問題が出てきます。医療情報をどう守るかを整理します。
演習:自分のワークフローを5経路で分類する
Lesson 01で書き出した「手作業コスト3つ」を見返してください。
それぞれについて、どの連携経路が使えるかを考えてみます。
| 手作業コスト | 使えそうな経路 |
|---|---|
| (書き出したもの1) | MCP / API / コネクター / CLI / ブラウザ |
| (書き出したもの2) | |
| (書き出したもの3) |
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