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レッスン 5 / 8|10分で読めます

スマホから動かす Dispatch

誇張なしでスマホ1つで仕事が完結する。外来の合間、通勤の電車、当直室から──PCに向かわずに仕事を投げる具体的な方法。

Vibe Coding Level 301 連携編

第5回 スマホから動かす Dispatch

このレッスンで終わる頃には

  • Claude DispatchでスマホからPCに仕事を投げる設定ができる
  • 外来の合間・当直中・通勤中、スマホ1つで指示が出せる
  • 医療現場でDispatchを安全に使うための判断基準がわかる

「誇張なしでスマホ1つで仕事が完結する」

Shin氏は動画でこう言っています。

誇張なしで、スマホ1つで仕事が完結するようになります

最初に聞いたとき、大げさだと思いました。 でも使ってみると、確かにそうでした。

ポイントは「スマホで仕事をする」ではなく、「スマホから仕事を投げる」という点です。


Dispatchとは

Dispatch(ディスパッチ)は、スマホのClaudeアプリから、自宅や職場のPCのClaude Codeに仕事を投げる機能です。

実行するのはPC側です。 スマホは、指示を出すリモコンです。

役割場所
指示を出すスマホ(Claudeアプリ)
仕事を実行するPC(Claude Code)
結果を受け取るスマホへの通知

PCが自宅にあれば、外来の合間でも指示が出せます。 帰宅したときには、もう終わっています。


医療版の具体例

Shin氏の「スマホ音声→ローカルPC→自動操作」というパターンを、医療版に翻訳します。

当直明けのサマリ

当直中に気になった症例がある。 帰る電車の中でスマホから投げます。

昨夜の当直で気になったことをまとめておいて。

・生後2ヶ月の発熱、CRP軽度上昇でwatchとしたが経過が少し気になる
・上気道炎で外来受診した5歳、喘鳴が軽度あり経過観察に

これを研究メモ形式でNotionの「当直メモ」ページに追記して。
患者の氏名・IDは含まず、症状と経過の一般的な記録だけお願い。

PCに帰ってくる頃には、メモが書かれています。

外来の合間にガイドライン確認

午前の外来で気になる症例がありました。 休憩の10分間にスマホから投げます。

PubMedで乳児の鉄欠乏性貧血の診断基準について、
最新のガイドラインか2022年以降のレビューを検索して、
要約をDesktop/research/iron-deficiency-today.md に保存しておいて

午後の外来が始まるころには、調べ終わっています。

スライドの下書き

学会発表のスライドを、通勤中に投げます。

来月の小児科学会での発表、タイトルは「外来で遭遇したRSウイルスの季節外れピーク症例」。
症例報告5分間用のスライド構成案を作って、
Desktop/presentations/rsv-slides-outline.md に保存しておいて。
患者情報は含まず、疾患の一般論ベースで。

職場に着いたら、構成案が待っています。


設定の手順

PC側の設定

Claudeのデスクトップアプリを開きます。 まだインストールしていない場合はClaudeの公式サイトからダウンロードします。

設定メニューから「Dispatch」を選びます。 「Dispatchを有効にする」をONにします。

2つの設定を確認します。

  • 「このコンピューターをスリープさせない」→ ONにする
  • 「コンピュータ使用のためにChromeをインストール」→ Web操作も任せたいならON

ONにすると「このPCでDispatchが有効」と表示されます。

スマホ側の設定

  • iOS: App StoreでClaudeを検索してインストール
  • Android: Google PlayでClaudeを検索してインストール

PCと同じAnthropicアカウントでログインすることが必須です。

アプリを開いて「Dispatch」タブを選ぶと、有効化したPCが「接続可能」として表示されます。 タップして接続します。


実際に投げてみる

接続できたら、テスト投稿です。

今日の日付を確認して、Desktop/test-dispatch.md というファイルに
「Dispatch接続テスト: [日付]」と書いて保存してください

PCで動き始め、終わると通知が来ます。 PCを開いてファイルが作られていれば成功です。


音声入力との組み合わせ

スマホの音声入力とDispatchを組み合わせると、さらに速くなります。

iPhoneならFnキー2回(または音声入力ボタン)で口述が始まります。 話しかければ、文字に変換されてClaudeに送れます。

外来の廊下で5秒話しかけて、投げる。 PCに向かう時間がない場面で特に効きます。


Dispatchの限界と対策

PCがスリープすると止まる

「スリープさせない」設定をONにしていても、電源が切れたら止まります。 重要な作業は、PCの電源と充電状態を確認してから投げてください。

許可画面で止まることがある

通常モードでは、PCで「これをしていいですか?」という確認が入ることがあります。 帰宅後に「承認待ち」で止まっていることがあります。

よく使うタスクをパターン化しておき、Claude Codeの設定で許可を事前に通しておくと解消します。

フォルダの指定はできるだけ具体的に

「保存しておいて」だけでは、どこに保存するかがあいまいになります。 「Desktop/research/フォルダに保存して」のように、フルパスで指定する習慣をつけると安定します。


安全に使うための判断基準

DispatchはクラウドのAnthropicサーバーを経由します。 スマホで打った内容が、インターネットを通ってPCに届きます。

送っていいもの

  • 疾患名・症状の一般論(「RSウイルス」「発熱」)
  • 薬剤名・処方の一般的な話(「アセトアミノフェン」「解熱薬の用量」)
  • スケジュール・タスクの概要(「来週の学会発表の準備」)

送ってはいけないもの

  • 患者の氏名・生年月日・ID
  • 「Aさんの」「今日の10時の患者さんの」のような個人特定情報
  • 診察所見の具体的な記述(「右下腹部の圧痛があって」等)
  • 個人識別子を含む電子カルテの内容

判断が迷ったら、「これを匿名化せずにLINEで同僚に送れるか?」で考えてください。 送れないなら、Dispatchでも送りません。


まとめ

  • Dispatch = スマホから自宅・職場のPCのClaudeを動かすリモコン
  • PCで「Dispatchを有効」にして、スマホで同じアカウントでログイン
  • 外来の合間・当直中・通勤中に指示を投げ、帰宅後に結果を受け取る
  • 患者の個人情報は絶対に送らない

次は Lesson 06。連携には5つの経路がある、という全体図を整理します。


演習:最初の投げ込み

今日、仕事が終わった後に試してみてください。

ステップ1:PC側でDispatchを有効にする 帰宅前にPCの電源を入れたまま、Dispatchをオンにしておきます。

ステップ2:通勤中にスマホから投げる

今日の気づきをまとめて、Desktop/daily-note.md というファイルに書き込んでください。
私は[今日感じたことや気になったこと]を書いているので、
整理して箇条書きにしてもらえると嬉しいです

帰宅してファイルが作られていたら成功です。