中が散らかってきた。 整理したい。
前回、私たちはチャットからClaude Codeに引っ越しました。 育てている物が、自分のPCの中の複数ファイルになりました。 会話で直せて、変更もdiffで読んでから通せる。 本気で育て始める場所ができました。
でも、本気で育て始めると、すぐ次のことに気づきます。 ファイルは持てた。 中身も増えてきた。 すると、机の上が、だんだん散らかってくる。
どこに何があるか、自分でも分からなくなってくる。 今日の出発点は、その「整理したい」です。
今日は、データやファイルを分類・構造化して、見通しよく管理します。 これはどんな物を育てていても、必ず一度は通る普遍のスキルです。 具体例として、私は弱点ドリルの問題を科別・分野別に整理していきます。
別の物を育てている人も、やることは同じです。 家計簿なら、費目別。 ゲームなら、敵、アイテム、ステージ別。 自分用の道具なら、入力、計算、保存、表示。 「全部入っているけれど、種類で分かれていない」を整理します。
そして今日は、Lv2の卒業回です。 この回が終わると、あなたが育てている物は「全部ごちゃ混ぜで中身が見えない状態」から、「分類され、見たい切り口で取り出せる状態」になります。
整理は、未来の自分への申し送り
今日の主役は、分類です。
ドリルなら、問題を科別、分野別に分ける。 感染症、循環器、内分泌、呼吸器。 このように、後から選べる切り口を先に決めます。
ここで大事なのは、整理を「見た目をきれいにする作業」と考えないことです。 整理は、未来の自分が迷わず取り出せるようにする作業です。
弱点ドリルなら、30問解いて点数が出るだけでは足りません。 感染症で落としたのか。 循環器で落としたのか。 そこが見えないと、弱点ドリルなのに弱点が見えない。
だから今日は、分類の体系を入れます。 分ける。 選べる。 後で集計できる。 ここまでを一つの流れで作ります。
視点
整理は、片づけではなく設計
整理は、見た目をきれいにする作業ではありません。未来の自分が、迷わず取り出せて、後から集計できる形にする設計です。だから分類名は、人間が先に決めます。ここがLv2でいちばん効く筋肉です。

今日のゴールと、任せ方
今日のゴールを一文で言います。 自分が育てている物を種類で整理し、見たい切り口を選んで取り出せて、どこが手薄かが見える状態にする。
ここで、AIへの任せ方をもう一段はっきりさせます。
データの分け方は、私が決めます。 どんな切り口で分けるか。 どういう名前で分類するか。 ここは人間が指定します。
でも、実際にコードへ落とす作業はAIに任せます。 方針は自分。 実装はAI。 この分担です。
なぜ今日だけ構造を自分で決めるのか。 これがLv2のミニボスだからです。 AIに丸投げすると、見た目は分かれても、集計に使えない分類になりがちです。 だから今日は、条件を見て、自分で設計します。
ステップ1。いま、何が困っているかを見る
まず、いまの状態を確認します。
私のドリルには、問題が30問ほど、ぜんぶ1つのファイルに入っています。 動きます。 出題されるし、採点もされる。 前回までは、これで十分でした。
ところが、中身が増えてくると、新しい困りごとが出てきます。
中身はちゃんと使える。 でも、ぜんぶがごちゃ混ぜです。 感染症も循環器も呼吸器も、1つの山に積み上がっている。 これだと、肝心の「自分はどこが弱いのか」が見えません。
30問解いて点数が出ても、その点が感染症で落としたのか、循環器で落としたのか分からない。 弱点ドリルなのに、弱点が見えないんです。
別の物を育てている人も、同じ構図のはずです。 家計簿アプリなら、食費も交際費も光熱費もひと山。 ゲームなら、敵もアイテムもステージも同じ箱。 全部入ってはいるが、種類で分かれていない。 これが今日の困りごとです。
手を動かす
自分が育てている物を開いて、いま何がひと山になっているかを見てください。
ドリルなら、問題がどこにまとまっているか。 ゲームなら、敵やアイテムやステージがどこに置かれているか。 自分用の道具なら、入力、計算、保存、表示がどこに混ざっているか。
できたらの目印は、「ここがごちゃ混ぜだ」と自分の言葉で言えることです。
ステップ2。分類の切り口を決める
次に、どの切り口で分けるかを決めます。
私のドリルなら、まず「科」または「分野」です。 感染症、循環器、内分泌、呼吸器。 ここで大事なのは、分類名を決め打ちのリストにすることです。
AIに「適当に分類して」と頼むと、同じ意味なのに名前が割れることがあります。 感染症、感染、Infection。 これが3つに割れると、感染症を1つの分野として集計できません。
家計簿でも同じです。 食費、食事、ごはん代。 表記がぶれた瞬間に、合計が出せなくなります。
だから、分類名は人間が決めます。 AIには、そのリストから1つ選んでもらう。 ここが今日の最初の設計です。
手を動かす
自分が育てている物で、分類名のリストを作ってください。
ドリルなら、感染症、循環器、内分泌、呼吸器のように、あとで見たい切り口を並べます。 別の物なら、自分が後で選びたい分類名を並べます。
細かくしすぎないこと。 3か月後の自分が見ても迷わない名前にすること。 この2つだけ意識してください。
ステップ3。Claude Codeで、小さくタグを付ける
いきなり全部を整理する前に、小さく1つ成功体験を作ります。
いま1か所に溜まっている中身に、「種類」のタグを1つだけ付けます。 私のドリルなら「分野」のタグです。 Claude Codeに、次の文をそのまま頼みます(右上のボタンでコピーできます)。
いまある問題のそれぞれに、「分野」のタグを1つ付けてください。
分野は、感染症、循環器、内分泌、呼吸器のどれか1つにしてください。
内容を見て振り分けてください。
動きは変えず、タグを足すだけにしてください。
ここでのポイントは、「動きは変えず」と言うことです。 タグを足すだけ。 採点や保存の動きは触らない。 前回覚えたdiffの読み方で、余計な変更が混じっていないかを見ます。

別の物なら、頼み方の「分野」を自分の切り口に置き換えるだけです。 家計簿なら「費目」。 ゲームなら「種別」。 やることは同じです。 種類を表すタグを1つ足します。
手を動かす
自分が育てている物をClaude Codeで開いて、いまある中身に「種類」のタグを1つ、AIに頼んで付けてもらってください。
やることは1つだけです。 タグを付ける。 それ以上は今はしません。
できたらの目印は、一覧やデータの中に、それぞれ種類のタグが付いていることです。
ステップ4。自分の目で、タグを検証する
タグが付いたら、ここで自分の目で検証します。
AIが振り分けたタグ、本当に合っていますか。 AIが言ったから正しい、ではありません。 育てている本人の目で見ます。
検証の観点は3つです。
一つ、中身として正しいか。 私のドリルなら、たとえば「川崎病」をどの分野として扱いたいか。 小児科の弱点ドリルとして後から見たい切り口に合っているか。 違うと思ったら直します。
二つ、使い方に合っているか。 自分が後で選びたい切り口になっているか。 分類が細かすぎて迷わないか。 逆に大きすぎて弱点が見えなくならないか。
三つ、安全か。 患者情報やキーが混ざっていないか。 これは学習用ダミーなので、もともと入っていないはずですが、毎回確認します。 あなたの物でも、外に出したくない情報が紛れ込んでいないかは毎回見ます。
手を動かす
タグが付いたら、少なくとも5件は自分の目で見てください。
分類が合っているか。 表記がリストどおりか。 余計な情報が混じっていないか。
できたらの目印は、間違っているタグを見つけたら直せることです。 見つからなかった場合も、「この5件は自分で確認した」と言える状態にします。
ステップ5。ミニボス本番として、構造を設計する
ここからがミニボス本番です。
AIに「種類で分けて」とだけ雑に頼むと、見た目は分かれます。 ところが、同じ感染症が「感染症」「感染」「Infection」と3つに割れる。 これだと、感染症を1つの分野として集計できません。 弱点抽出に耐えない構造です。
これはドリルに限りません。 家計簿で「食費」「食事」「ごはん代」が割れたら、合計が出せない。 ゲームで「敵」「enemy」「モンスター」が割れたら、ステージごとの調整ができない。
ここが今日の肝です。 とりあえず分かれたことと、使える形に分かれたことは別物です。 育てている本人の目で見ると、これは使えない。 だから、構造を人間が指定します。
満たすべき条件は、次の3つです。
- 中身ごとに「分類」を1つ持つ。分類の名前は決め打ちのリストにする。
- トップで分類を選ぶと、その分類のものだけが出る。
- 分類ごとの集計が後で出せる形にする。今は出さなくていい。出せる構造にしておく。
私のドリルなら、1の分類は「分野」、3の集計は「分野ごとの正答率」です。 この3条件を満たすデータの持ち方を、自分の言葉でAIに指定します。 たとえば、次のように頼みます(右上のボタンでコピーできます)。
分類は、感染症、循環器、内分泌、呼吸器のリストから1つだけ選ぶ形にしてください。
トップ画面で分野を選べるようにしてください。
分野を選んだら、その分野の問題だけを出してください。
後で分野ごとの正答率を出せるように、履歴にも分野名が残る形にしてください。
これで、タグを足すだけだった状態から、分類で取り出せる構造へ進みます。
ステップ6。分類を選んで、取り出せる画面にする
構造を決めたら、AIに実装してもらいます。
ここでも、やることは小さく区切ります。 最初に分類を選ぶ。 選んだ分類だけを出す。 履歴にも分類名が残る。 この3つです。
できあがると、見え方はこうなります。

分類で取り出せるようになると、弱点ドリルの意味が変わります。 ただ問題を解く物ではなく、自分の弱い分野を見つける道具になります。
別の物でも同じです。 家計簿なら、費目で見る。 ゲームなら、敵やアイテムで見る。 自分用の道具なら、入力、計算、保存、表示で見る。 分類は、後から振り返るための入口です。
手を動かす
条件リストだけを見て、データの分け方を自分で決めて、AIに実装させてください。
手順は出しません。 空から設計します。 上の3条件を満たすデータの持ち方を、自分の言葉でAIに指定する。 これが今日の本番です。
できたらの目印は、分類を選ぶと、その分類のものだけが出ることです。 表記ゆれが起きていないことです。
ステップ7。もう一周、生成と検証
実装ができたら、生成と検証のループをもう一周します。
頼む。 出る。 自分の目で検証する。 直す。
前回までと同じです。 今日だけ特別ではありません。
私のドリルなら、分野を「感染症」で選んで、感染症の問題だけ出るか。 「呼吸器」を選んで、呼吸器だけ出るか。 さっきの表記ゆれは消えたか。 履歴にも同じ分類名が残っているか。
もし「感染症」を選んだのに循環器の問題が混ざって出たら、それはタグの付け間違いか、分類リストの設計ミスです。 違えば直して、もう一度頼みます。
今日は、構造そのものを検証しました。 これがLv2でいちばん効く筋肉です。
手を動かす
分類を3つ選んで、それぞれの中身を確認してください。
ドリルなら、感染症、循環器、内分泌のように、3分野を開きます。 別の物なら、自分の分類から3つ選びます。
できたらの目印は、分類ごとに中身が正しく分かれていて、分類名がぶれていないことです。 もしぶれていたら、決め打ちリストに戻して直します。
問い
つまずいたら
このレッスンの作業で起きがちな詰まりと、その抜け方です。
- 同じ分類が「感染症」「感染」のように割れて、集計がうまく合わない → 決め打ちリストを画面と見比べて、ぶれている表記をそのままAIに貼り、「このリストの名前にそろえてください」と頼む。
- 分類を選んでも、その分類以外の問題まで混ざって出る → 出た画面とリストを見比べて、混ざった問題と選んだ分類名を、状況のままAIに貼って「この問題がこの分類に入るのはおかしい」と聞く。
- 動きは触らせていないのに、採点や保存まで変わってしまった → diffを開いて、変わった部分をそのままAIに貼り、「タグだけ足したいので、動きの変更は戻してください」と頼む。
ここで、ひとつ考えてみる
ここで一度、手を止めて考えてみてください。
今のあなたの物は、分類で分けて取り出せるようになりました。 では、分類を5つに増やしたとき、その分け方は3か月後の自分が見ても破綻しませんか。
少し考えてから、先に進んでください。
答え合わせをします。 破綻しやすいのは、分け方が細かすぎる場合と、表記がぶれる場合です。 だから今日、分類名を決め打ちのリストにしました。 今ここで決め打ちにしておくと、後の自分が表記ゆれの掃除をしなくて済みます。
整理は、未来の自分への申し送りです。
もう1つ、疑ってほしい点があります。 AIが「分類して分けました」と言ったとき、本当に信用していいのか。 答えは、信用しすぎない、です。 今日見せたとおり、AIは平気で「感染症」と「感染」を別物として分けます。 動いているように見えても、集計の段になって破綻する。
動いたことと、正しく分かれたことは別です。 これを見抜くのが、育てている本人の検証力です。
視点
動いたことと、正しく分かれたことは別物
AIが「分類しました」と言っても、見た目が分かれただけのことがあります。「感染症」と「感染」が別物に割れていれば、集計の段で破綻します。動いたかではなく、集計に耐える形に分かれたか。これを見抜くのが、育てている本人の検証力です。
Before / After
今日で、育てている物がどう変わったか、Before / Afterで見ます。
Before。 中身が1か所にごちゃ混ぜでした。 全体は動くが、どの種類のところで詰まっているか見えませんでした。
After。 種類で整理され、見たい切り口を選んで取り出せて、種類ごとの集計も出せる構造になりました。
私のドリルで言えば、30問のごちゃ混ぜが、分野を選んで出題でき、分野ごとの正答率も出せる形になりました。
この差分に名前をつけます。 自分のどこが手薄かが、見える形になった。 これが今日の成果です。
補足
今日持って帰るもの
分類名は、AIに任せず人間が決め打ちのリストにする。これだけで、後から「分類を選んで取り出す」「分類ごとに集計する」が効くようになります。動いたかではなく、集計に耐える形に分かれたかを、自分の目で確かめます。
Lv2 卒業ゲート
Lv2はこれで卒業です。 卒業の条件、3つを確認します。 これを満たせていたら、Lv3に進んでいい。
- diffを説明できる状態で、ローカルが動く。AIが書いたコードについて、何をどう変えたか自分の言葉で言える。
- 種類別に整理して、切り口を選んで取り出せる。
- mini PRD、つまりやりたいことの短い注文書を、毎回の依頼に貼る型が身についている。
今日も「動きは変えず、タグを足すだけ」と指定しました。 このように、何を変えて、何を変えないかを毎回言葉にします。
この3つができていれば、Lv2卒業です。
安全ライン
今日の安全ラインです。
Lv2は、データが自分のPCの中にあります。 AIが書いたコードは、中身を説明できる状態でだけ進めてください。 動いているからいい、ではありません。 説明できないコードを足し続けると、後で必ず詰まります。
そして、医療を題材にする人へ、シリーズ共通の芯をもう一度。 これは学習用の弱点ドリルです。 患者情報は入れません。 今日は分類をしましたが、分類するのは学習用のダミー問題だけ。 患者さんを科で分類する作業には、一切使いません。
本番で何かを導入するときは、必ず施設のルールを確認してください。
注意
分類するのは、学習用ダミーだけ
今日の分類は、学習用のダミー問題に対してだけ行います。患者情報は最初から入れません。実際の患者さんを科や分野で振り分ける作業には、一切使わないでください。本番に何かを導入するときは、必ず施設のルールを確認します。
理解度チェック
セルフチェック
1. 今日、分類名をAIに任せず、人間が決め打ちのリストにしたのはなぜですか。
2. AIが「分類して分けました」と言ったとき、今日の回が伝えている正しい態度はどれですか。
次へ:大胆に変えたいけど、壊すのが怖い
今日できたことを振り返ると、種類で整理して、切り口を選んで取り出せるようになりました。 散らかっていた中身に、見通しがつきました。
すると今度は、別の欲求が湧いてきませんか。 これだけ見通しがよくなると、思いきって作り変えたくなる。 ここを丸ごと差し替えたい。 構造を大胆にいじりたい。
でも、ここで足が止まります。 今日、私は何度か「動きは変えないで」とお願いしました。 少しドキドキしませんでしたか。 いじって、壊れたらどうしよう、と。
今は、壊れても前に戻る手段がありません。 戻せないと思うと、大胆になれない。
次回からLv3です。 GitHubでセーブポイントを作ります。 いつでも前の状態に戻せるようにして、思いっきり作り変えられるようにします。