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指示の効き方

  • レッスン 5
  • 14分

このレッスンで

終わる頃には、次ができるようになります

  • 短く具体的な指示ほど効きやすい理由を説明できる
  • 文字通りの実行と、意図の見落としが同時に起きる場面を見分けられる
  • 目標を言葉にする、途中で確認するという2つの対処を使い分けられる

前のレッスンまでで、AIが何を知っているか、一度にどれだけ扱えるかを見てきました。今回は4つ目の性質、こちらの指示がどれだけ効くかを扱います。

同じ「簡潔にして」という一言でも、狙いどおりに削られることもあれば、必要な情報まで消えてしまうこともあります。この差がどこから生まれるのかを見ていきます。指示の効き方は、これまでの3つの性質とは少し毛色が違い、AI側の限界というより、こちらの伝え方との相性の問題です。

どれだけコントロールできるか、という性質

AIは指示された言葉のパターンに従って答えを組み立てています。人間同士なら、多少あいまいな頼み方でも、相手が状況を察して意図を補ってくれることがあります。AIに対しても同じ期待をすると、思ったとおりに動いてくれないことがあります。

指示がうまく効くかどうかは、指示そのものの短さ・具体性・あとから確認できるかどうかに左右されます。逆に言えば、指示を出す側がこの3つを意識するだけで、AIとのやり取りの精度はかなり変わります。


効きやすい指示、ぶれやすい指示

指示の効きやすさを分けるもの

効きやすい指示

「この文章を200字以内にまとめて、専門用語は使わずに」

長さの上限も、避けてほしい表現も、あとから見て守れているか確認できます。短く具体的で、検証可能な指示ほど、狙いどおりの結果になりやすくなります。

ぶれやすい指示

「もっといい感じにして」

何をもって「いい感じ」とするかが、こちらの頭の中にしかありません。抽象的な指示や、答えにたどり着くまでに長い判断の連鎖が必要な指示ほど、狙いから外れやすくなります。

指示が抽象的であるほど、AIは自分なりの解釈で埋め合わせをします。その埋め合わせが、こちらの思っていた意図と一致するとは限らない、というのがこの性質の核心です。埋め合わせの結果がたまたま合っていることもありますが、それは運がよかっただけで、毎回再現できるとは限りません。


文字通りに実行して、意図を見落とすことがある

指示に従っていないわけではないのに、求めていたものと違う結果になる。よくあるのが、指示の文字面には忠実に従っているのに、その指示を出した本当の狙いを見落としているケースです。

文字通り実行して、狙いを外した例

01

頼んだこと

社内向けの報告メールを「もっと簡潔にして」と頼んだ

02

文字通りの実行

文の数を減らすことを優先し、判断に必要な数字や条件まで削ってしまった

03

見落とされた本当の狙い

こちらが求めていたのは、読む時間を短くすることであって、必要な情報を消すことではなかった

指示を出す側からすると、「簡潔に」の中に「ただし必要な情報は残して」が当然含まれているように感じます。ですが、その部分は言葉にしない限り、AI側には伝わっていない前提です。似たようなことは「もっとカジュアルに」「もっと丁寧に」といった、トーンに関わる指示でも起きやすくなります。何をどこまで変えるかの線引きが、こちらの頭の中にしかないためです。

これは人に仕事を頼むときの感覚と、少し違うところです。人であれば、報告書の性質や読み手の立場から「さすがにこの数字は削らないだろう」と汲み取ってくれることがあります。AIに対しても同じ察しのよさを期待すると、当てが外れることがある、と知っておくと肩透かしを防げます。


対処:目標を言葉にする、途中で確認する

指示のぶれを減らすには、指示を出す前と、答えを受け取ったあとの両方で手が打てます。

01

狙いそのものを言葉にする

「簡潔に」だけでなく、「読む時間を短くしたい。ただし判断に必要な数字は残す」まで伝える

02

答えの途中で確認する

長い仕事は一度に最後まで任せず、途中の方針や骨子の段階で一度見せてもらう

ぶれを減らす2つの対処

抽象的な指示ほど、狙いを言葉にする手間をかける価値があります。長い仕事ほど、最後まで待たずに途中で一度確認する価値があります。2つの対処は組み合わせて使うこともできます。骨子の段階で狙いを確認し合っておけば、そのあとの指示は多少短くても伝わりやすくなります。指示の出し方そのものをもっと体系的に練習したい方は、頼み方の技法で扱っています。

やってみよう

演習1:自分の曖昧な指示を言葉にし直す

普段AIに出している指示の中から、「いい感じに」「もっと良くして」のような抽象的な言い回しを1つ選んでください。そのとき自分が本当に求めていたことは何だったか、具体的で確かめられる言葉に置き換えてみてください。

演習2:途中で確認するタイミングを設計する

込み入った仕事をAIに任せるとき、最後まで待たずに一度確認したいタイミングはどこでしょうか。ある仕事を思い浮かべ、「ここまでできたら一度見せて」と言うべき区切りを、自分なりに1〜2か所決めてみてください。

今日のまとめ

3行で振り返ります。

  • 短く具体的で、あとから確認できる指示ほど効き、抽象的な指示ほどぶれやすい
  • AIは指示に文字通り従いながら、その指示の本当の狙いを見落とすことがある
  • 狙いそのものを言葉にすることと、途中で一度確認することの2つで、ぶれを減らせる

次のレッスンでは、ここまで見てきた4つの性質が同時にぶつかったときに何が起きるかを扱います。

セルフチェック

1. 指示の効きやすさを左右するものとして、本文の説明に合うものはどれですか。

2. 「文字通りに実行して、意図を見落とす」とはどのような状況ですか。

3. 指示のぶれを減らす対処として、本文で紹介されていないものはどれですか。

SourceAMPL LEARN
頼み方の技法

指示の出し方を、文脈・見本・段階分けなどの技法に分けて体系的に扱っています

次のレッスン
amplinc.com/learn/prompting-techniques/01-prompting-is-description

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