CLAUDE.mdで自分専用のAI助手を育てる
前回で、Claude Codeに話しかけて作業してもらうところまでできた。ここからは賢い使い方の話だ。
毎回の自己紹介、面倒じゃないですか
Claude Codeを起動するたび、こんなやりとりをしていないだろうか。
あなた:「私は小児科医で、保護者向けの医療情報サイトを作っています。
やさしい日本語で書いてください。専門用語は避けてください。」
1回ならいい。でも毎回やるのは時間の無駄だ。
Claude Codeには記憶が残らない。起動するたびにまっさらになる。だから毎回同じ前提を伝え直すはめになる。
答え: CLAUDE.mdを置く
CLAUDE.mdはプロジェクトのフォルダに置くテキストファイルだ。Claude Codeは起動時にこのファイルを最初に読む。自分が誰で、何を作っていて、どんなルールで動いてほしいか。ここに書いておけば、毎回の自己紹介がいらなくなる。
梶谷健人さんはこれを「最重要業務マニュアル」と呼んでいる。新しく入ったスタッフに渡す引き継ぎ資料だと思えばいい。
CLAUDE.mdはただのテキストファイル
魔法のようなものではない。中身はただの文章だ。好きなタイミングで開いて書き換えられる。書き方を間違えてもエラーにはならない。気軽に試して、少しずつ育てていけばいい。
実際に作ってみよう
ターミナルでプロジェクトのフォルダに移動する。前回作ったフォルダがあればそこでいい。なければ新しく作る。
$mkdir -p ~/my-medical-site$cd ~/my-medical-site
mkdirはフォルダを作るコマンド。-pは「もうあってもエラーにしない」という意味。cdで移動する。
次にCLAUDE.mdを作る。
$touch CLAUDE.md
touchは空ファイルを作るコマンド。これでCLAUDE.mdができた。
テキストエディタで開いて中身を書いていく。macOSならこう。
$open CLAUDE.md
何を書けばいいか: 3ブロック
書く内容は大きく3つだ。
自分が誰で、何を作っているか。プロジェクトの中身。守ってほしいルール。
以下をCLAUDE.mdにコピーして貼り付けてみよう。
# 保護者向け医療情報サイト
## あなたの役割
あなたは小児科の医療情報サイトを作るアシスタントです。
私は小児科医で、プログラミングの経験はありません。
## プロジェクト概要
保護者が子どもの症状について調べられるWebサイトを作っています。
対象は医療知識のない一般の保護者です。
## ルール
- やさしい日本語で書く(小学6年生が読める程度)
- 専門用語を使うときは必ずかっこ書きで説明を添える
- 薬の商品名は使わず一般名を使う
- 「必ず医師に相談してください」の注意書きを入れる
- ファイル名は英語の小文字とハイフンで付ける
10行ほどしかない。でもこれだけでClaude Codeの動きがガラッと変わる。
違いを体験する
保存したら、同じフォルダでClaude Codeを起動する。
$claude
起動したら、こう聞いてみる。
発熱について保護者向けの説明ページを作って
何も補足しなくても、やさしい日本語で、保護者向けに、注意書き付きで書いてくれるはずだ。
比較のために、CLAUDE.mdなしの状態も試そう。Claude Codeを終了して、ファイル名を変える。
$mv CLAUDE.md CLAUDE.md.bak
mvはファイル名を変えるコマンド。これでCLAUDE.mdが見えなくなる。
もう一度起動して、同じ質問をする。
$claude
発熱について保護者向けの説明ページを作って
専門的な表現が混ざったり、注意書きが抜けたりするはずだ。前提がないから、平均的な答えしか返せない。
確認できたら、元に戻しておこう。
$mv CLAUDE.md.bak CLAUDE.md
各セクションの役割
3つのブロックを振り返る。
「あなたの役割」で自分の立場を伝える。「プログラミング経験がない」と書いておくと、コマンドの説明を省略せず丁寧に出してくれる。
「プロジェクト概要」は全体像。これがないと、毎回「どういうプロジェクトですか?」と聞かれるか、見当違いの提案が飛んでくる。
「ルール」は約束ごと。ファイルを作るとき、コードを書くとき、文章を考えるとき、すべてに反映される。
ルールは具体的に書く
「わかりやすく書いて」より「小学6年生が読める日本語で書いて」のほうがClaude Codeには伝わる。人に頼むときと同じで、具体的なほど期待通りの結果が出る。
よくある疑問
どこに置くか。プロジェクトフォルダの一番上、ルートに置く。cdで移動したとき最初に見える場所だ。
長くなりすぎないか。最初は10行で十分。使ううちに「これも書いておけばよかった」と思うことが出てくる。そのとき足せばいい。100行超えても問題ない。
英語じゃないとダメか。日本語で大丈夫。Claude Codeは普通に読める。
まとめ
CLAUDE.mdは毎回の自己紹介をなくすファイルだ。自分は誰か、何を作っているか、どう動いてほしいか。3つ書くだけで、Claude Codeが最初から文脈を分かった状態で動く。
次のレッスンでは、Claude Codeが持っている道具(ツール)と、それを使わせるかの許可(パーミッション)の仕組みを見ていく。
明日のアクション
自分のプロジェクトフォルダにCLAUDE.mdを作り、「役割」「概要」「ルール3つ」を書いてみよう。完璧でなくていい。5行でも十分だ。書いたらClaude Codeを起動して、何か1つ質問してみてほしい。CLAUDE.mdなしのときとの違いを体感できるはずだ。