

このレッスンで終わる頃には
- 広すぎる問いを、Deep Researchが力を発揮できる形に絞れる
- 自分の臨床疑問を1つ、レポートまで実際に通せる
前のレッスンで、Deep Researchが「下調べの下請け」だと分かりました。ここでは実際に1本、自分の手で回します。デモの題材ではなく、あなたが本当に調べたいことでやってください。そのほうが身につきます。
広い問いは、ぼんやり返ってくる
Deep Research の出来は、問いの立て方でほぼ決まります。
「高血圧について教えて」と投げると、教科書の目次のような、当たり障りのないレポートが返ってきます。悪くはないが、あなたの役には立ちません。問いが広すぎると、AIは焦点を絞れないからです。
医師は本来、良い問いの立て方を知っています。臨床疑問を絞るときの型を、そのまま使います。
- 対象は誰か(年齢・病態・状況)
- 何と何を比較したいのか
- 何を知りたいのか(有効性・安全性・最近の動向・ガイドラインの差)
- どんな形でほしいのか(要約・比較表・時系列)
この4つを埋めるだけで、問いは見違えます。
before / after
同じテーマでも、絞るとこう変わります。
before(広い)
糖尿病の新しい薬について調べて。
after(絞った)
2型糖尿病の高齢患者を対象に、ある系統の薬剤の
心血管系アウトカムに関する最近の主要な知見を、
ガイドラインと主要試験を中心に、時系列で整理して。
引用は必ず付けて。
after では、対象(高齢の2型糖尿病)・知りたいこと(心血管アウトカム)・情報源の重心(ガイドラインと主要試験)・形(時系列)が指定されています。ここまで絞ると、レポートは「あなたの下調べ」になります。
やってみる: あなたの1本
いま、Deep Research を1本回してください。
- 手元のツール(ChatGPT / Gemini / Claude のいずれか)でDeep Researchを開く
- 上の4要素(対象・比較・知りたいこと・形)を埋めた問いを書く
- 「引用は必ず付けて」を最後に足す
- 返ってきたレポートを、まず全体像として眺める
このレポートはまだ「地図」です。次のレッスンで、この地図に載った引用を原文まで辿って確かめます。いまは、絞った問いが良い地図を生むことを体感できれば十分です。
宿題
自分の専門領域で、絞った問いを1本、実際に回してみてください。before(最初に思いついた広い問い)と after(4要素で絞った問い)の両方を回し、レポートの差を見比べると、絞りの効果が体でわかります。
今日のまとめ
3行で振り返ります。
- Deep Researchの出来は問いで決まる。広い問いはぼんやりしたレポートしか生まない
- 対象・比較・知りたいこと・形の4要素で絞り、「引用は必ず付けて」を足す
- 返ってきたレポートはまだ地図。次のレッスンで原文照合に進む
次のレッスンでは、レポートの引用を一次情報まで辿り、実在と中身を確かめます。
