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入力工程の他候補:Aqua Voice、NotebookLM、PubMed MCP
レッスン 3 / 6|9分で読めます

入力工程の他候補:Aqua Voice、NotebookLM、PubMed MCP

Web Clipperだけでは入力工程は埋まらない。音声入力・PDF投入・論文検索の3つの専用ルートを組み合わせて、自分の入力動線を完成させる。

入力工程の4ルート全体図。ブラウザ上の情報→Obsidian Web Clipper→Markdownノート、自分の頭の中→Aqua Voice→整形済みテキスト、PDF・長文→NotebookLM→AI対話・要約、論文の実在検証→PubMed MCP→引用確認済みリスト
Web Clipperだけでは塞げない。目的別に4本のレーンを引く。

このレッスンで持ち帰るもの

  • Web Clipperだけでは塞げない入力ルートが3つある
  • 音声・PDF・論文の専用入力ツールの選び方
  • 「全部Web Clipperで」を試したときの失敗パターン

なぜ複数の入力ルートが要るか

前のレッスンでObsidian Web Clipperを「入力工程の主役」として紹介した。

ただし、Web Clipperで埋まるのはブラウザに表示できる情報だけだ。

医師の業務で発生する情報の多くは、ブラウザの外で生まれる。

  • 移動中に思いついた論点(音声)
  • 手元に届いた治験プロトコルPDF
  • 論文の引用検証

これらをWeb Clipperでカバーしようとすると、必ず破綻する。動画にして撮ってからスクショ取ってクリップ、みたいな迂回が発生して、結局取り込まれない。

入力ルートは複数あっていい。ただし、それぞれが目的別に明確に分かれていることが条件になる。


候補1. Aqua Voice:音声入力

公式: aquavoice.com

Aqua Voice公式ページ。「We've typed for 150 years. It's time to speak.」「Aqua turns your voice into clear」のメッセージとDownloadボタン
Aqua Voice公式の打ち出しは「150年もタイプしてきた。そろそろ話す時間だ」。

音声を入れると、整形済みのテキストが返ってくるツール。WhisperやChatGPTの音声入力と違うのは、「文字起こしではなく整形を担保している」点。

「えーっと、つまりこれはなんていうか」みたいな冗長な口語が、書き言葉として整理された状態で出る。

岡本の使い方:

  • 移動中に外来で気になった症例について話して、後で論文化のメモに使う
  • 講演の構成案を歩きながら口に出して整理する
  • メールの長文返信を口述する

Web Clipperと役割が違う: Clipperは「ブラウザの中にあるもの」を取り込む、Aquaは「自分の頭の中にあるもの」を取り込む。

注意点:

  • 月額課金(無料枠は短時間のみ)
  • 日本語の整形精度はChatGPTの音声入力よりやや上、Whisperより明確に上
  • プロンプト指定で整形スタイルを変えられる(書き言葉/箇条書き/メールなど)

候補2. NotebookLM:PDF・長文の咀嚼

公式: notebooklm.google.com

NotebookLMの3カラム構成。①ソース(青枠)、②チャット(緑枠)、③Studio(赤枠)が並んだ画面
NotebookLMは「自分の資料の中だけから答えるAI」。3カラム構成で、左にソース・中央にチャット・右にStudio出力。

ガイドライン、論文、治験プロトコル、書籍のPDFをアップロードして、「自分の資料の中だけから答えるAI」として使う。

ChatGPTやClaudeとは設計思想がまったく違う。

ChatGPT/Claudeは学習データ全体から「それっぽい答え」を出すので、医療では致命的なハルシネーションが起きうる。NotebookLMは自分がアップロードしたドキュメントの中だけから答えるので、引用を必ず確認できる。

岡本の使い方:

  • 学会前に最新ガイドライン3〜5本を投げ込んで、論点抽出
  • 専門医試験対策で複数の教科書PDFを一気に投げ込み、横断クイズ生成
  • 査読コメント対応のとき、引用論文を全部投げ込んで「この主張に関連する箇所を抽出」と質問

Web Clipperと役割が違う: Clipperは「Web上の生情報」を取り込む。NotebookLMは「PDF・長文を咀嚼してAIで対話する」。

詳細は別講座 NotebookLM入門 で扱う。


候補3. PubMed MCP:論文の引用検証

公式: PubMed E-utilities(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)をMCP経由で叩く構成

PubMed公式トップページ。NIH National Library of Medicineが運営、4000万件以上のbiomedical literature citations
PubMed本体は4000万件以上の医学文献を抱える。MCP経由で叩くことで、Claude Code等から直接検索・実在検証できる。

医療コンテンツを書くときに必須の入力ルート。「この論文、本当に存在するか」「DOIは正しいか」「年号と著者は合っているか」を検証する。

岡本の運用ルール:

  • 医学コンテンツでの引用は必ずPubMed APIで実在検証してから書く
  • 記憶ベースの引用は禁止(ハルシネーションの温床)
  • ChatGPTやClaudeが提示した引用は、PubMedで二重確認する

これはWeb Clipperでは絶対に代替できない。Web上の論文紹介記事をクリップしても、引用元の論文が実在しているかは別の話だからだ。


「全部Web Clipperで」を試した失敗

岡本は最初、入力工程はWeb Clipper一本でいけると思っていた。

3週間試した結果、

  • 音声で取りたい思考をWeb記事化してからクリップ → 1ステップ余計、記録されない
  • PDFをWebビューアで開いてからクリップ → 構造が崩れて使えない
  • 論文の実在検証 → そもそもクリップでは確認できない

3つとも詰まった。

ツールの守備範囲を超えて使おうとすると、必ず動線が崩れる。1工程に複数ツールを置く場合、目的を明確に分けるのがルール。


入力工程まとめ

岡本の現在の入力スタックは、こう並んでいる。

ルートツール何を取り込むか
ブラウザ上の情報Obsidian Web ClipperWeb記事 / YouTube字幕 / Xポスト
自分の頭の中Aqua Voice移動中の思考、口述
PDF・長文NotebookLMガイドライン・論文・教科書
論文検証PubMed MCP引用の実在確認

4ルート、目的別に明確に分かれている。重複していない。

これが入力工程の完成形(岡本にとっての)。


まとめ

  • Web Clipperで塞げないのは「音声・PDF長文・論文検証」の3つ
  • それぞれ専用ツール(Aqua Voice / NotebookLM / PubMed MCP)が要る
  • 1工程に複数ツールを置くとき、目的を明確に分けること
  • 入力工程は4ルートで完成。重複も空白もない設計が理想

次のレッスンで

入力した情報を「変換・整形・思考」する加工工程。

Claude Codeを中心に、画像生成・自動操作までを扱う工程の選び方を整理する。