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コラム 詰まったときの抜け方
レッスン 7 / 15|15分で読めます

コラム 詰まったときの抜け方

詰まり典型7パターンと、万能の対処法。状況をそのままAIに伝えるのが最強。

ここまで、第5回・第6回で実際に手を動かしてもらいました。 スムーズだった人もいれば、どこかで詰まった人もいるはずです。

詰まったときの抜け方を、典型7パターンでまとめます。 読み飛ばして次の回に進んでも問題ありません。 ひとつでも当てはまるものがあれば、寄り道して読んでみてください。

1. コードを貼り付けても、ブラウザで何も表示されない

ファイル名を確認します。 index.html になっていますか。 拡張子(ファイル名の最後の「.html」)が「.txt」になっていると、ブラウザで開けません。

メモ帳の「名前を付けて保存」で、拡張子を含めて指定し直します。 Macの場合は、ファインダーで「拡張子を表示」を有効にしてから確認します。

MacとWindowsそれぞれで拡張子表示を有効にする手順を左右並列で示した図
拡張子表示はOSの初期設定で隠れています。最初にここを有効にしておくと事故が減ります。

2. 計算結果がおかしい

第6回で書いた「事実 → 想定 → 直してほしい点」の3行で、ChatGPTに伝えます。

体重10kgで「150mg〜225mg」と表示されました。 想定は「100mg〜150mg」です。 計算式が違うようなので、見直して直してください。

3行ルールでChatGPTに計算ロジック修正を依頼する画面。各行に「事実」「想定」「直してほしい点」のティールラベル
3行ルールは、計算ロジックの修正にも効きます。

これで、たいてい直してくれます。

3. 何度直しても、同じ問題が出る

これは、最初の指示があいまいだったサインです。 新しい会話を立ち上げて、最初からもう一度、より具体的に書き直します。

ChatGPT で長くなった会話の隣に「+ New chat」ボタンが赤丸で強調されたイラスト
会話が長くなったら、潔く新規スタート。文脈を捨てる勇気が、次の一歩を加速します。

会話が長くなりすぎると、AIも前の話を忘れていきます。 仕切り直しは、悪いことではありません。 むしろ、上手な人ほど、いっかい捨てて作り直すのが速いです。

4. AIが、勝手に方向を変えてしまう

頼んでいないところまで「ついでに整える」AIあるあるです。

ピンポイントで直してほしいときは、こう書きます。

ボタンの色だけ、青に変えてください。 計算ロジックや、注意書きの位置は変えないでください。

「他は触らないで」と一言添える。 これで、不要な改変が大幅に減ります。

5. コードが長くなりすぎて、どこを見ればいいか分からない

最初は、見なくてOKです。 コピーして、ファイルに保存して、ブラウザで開く。 それだけ。

中身を読みたくなるのは、もう少し先です(第11回〜第12回でファイル分割を扱うときに、自然と中身を見る場面が来ます)。

6. エラーメッセージが出てきて、怖い

エラーメッセージは、味方です。 「どこで」「何が起きているか」を教えてくれている、AIへの最高の手土産になります。

エラーメッセージをそのままコピーして、ChatGPTに貼り付けて聞きます。

以下のエラーが出ました。原因と直し方を教えてください。 (ここにエラーメッセージを貼る)

ブラウザのDevToolsでJavaScriptエラーをコピー → ChatGPTに貼り付ける流れの図
エラーは最高の手土産。隠さず、そのまま渡すと、AIはほぼ確実に原因を当ててくれます。
エラーを再現し、事実・期待・直してほしい点の3行にしてAIへ渡す実画面です。
解熱薬計算ツールのエラーを、事実、期待、直してほしい点の3行に整理した相談文の実画面
赤文字を隠さず、そのまま短く渡す。エラー対応でいちばん強い型です。

エラーは隠さず、そのまま渡す。 これだけで、AIは原因を当ててくれます。

7. 自分の意図と、AIの理解がズレているとき

直してもらった結果が「そうじゃない」と感じたら、感じた違和感をそのまま言語化します。

このボタン、押しても何も起きません。 ボタンを押したら、計算結果が表示されるはずです。 押した後の動きを、もう一度設計し直してください。

「うまく動かない」ではなく、「何が」「どうなって、どうなるはずか」を分けて書く。 ここでも、3行ルールが効きます。

万能の抜け方は、ひとつ

詰まりの抜け方フローチャート。エラー有無→3行ルール→新規開始→状況をそのまま伝える、の判断フロー
症状から、対処を1分で見つけられる早見表。

詰まったら、状況をそのままAIに伝える。

これがVibe Codingの最強の抜け方です。 分からないこと、起きていること、やりたかったこと、これらを箇条書きでも何でもいいから書いて貼る。

万能薬カード。中央に「状況を、そのまま、AIに伝える」、周囲に4つの伝えるべき要素(観測した事実・期待値・過去の試行・迷っているポイント)
この5要素を伝えれば、たいていの詰まりは抜けられます。

AIは、人間に説明するより、AIに説明する方が、5倍くらい楽です。 人間相手だと、相手の理解度を気にして言い方を選ぶ必要があります。 AI相手は、そのまま書けばいい。

今日のまとめ

3行で振り返ります。

  • 詰まりはほぼ全部、典型7パターンに収まる
  • 「事実 → 想定 → 直してほしい点」と「他は触らないで」が、ほぼ万能薬
  • 最強の抜け方は、状況をそのままAIに伝えること

次回予告

第8回からは、ChatGPTから一歩進んで、Claude Codeを準備します。

第3回で名前だけ出てきた、コーディングエージェントの主役。 ここからは、自分のパソコンの中にAIを住まわせて、ファイルを直接いじってもらう世界に入ります。


詰まりは、失敗ではなく、過程です。 半年やった今でも、私は週に1回はどこかで詰まります。

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演習:30分の宿題

第7回は、わざと詰まる練習回です。 所要時間30分、必要なものは ChatGPT のアカウントだけ。

詰まり練習:ChatGPT を意地悪に困らせる

普段は避けたい状況を、わざと作ってみます。失敗の感覚を体に入れておくと、本番で慌てません。

練習1:曖昧すぎる指示

「いい感じに作って」とだけ ChatGPT に書いて送ってみる。

返ってくるものを観察してください。「想定と違う」を体感する練習です。

練習2:エラーをわざと起こす

第5回で作ったアプリの index.html の中身を半分削って、ブラウザで開く。

エラー or 画面崩れが出るはず。それを ChatGPT に貼って、何が起きているか説明してもらう。

練習3:会話を長く続けて、AIを忘れさせる

同じ会話で、関係ない雑談を10往復してから、最初の話題に戻ってみる。

「前の話」を AI が思い出せるか試す。コンテキストウィンドウの限界を体感する練習です。

3つとも「失敗の感覚」を持って帰る練習。普段は避けたい状況を、コントロール下で経験しておくと強いです。


医療職別 実例ギャラリー:賢が過去に詰まった3つ

私が過去にハマった、典型的な詰まり3つ。

例1:拡張子問題(半日溶かした)

最初に作った解熱薬計算ツール、保存したのに「ブラウザで開いても何も表示されない」。 原因は、ファイル名が index.html.txt になっていたから。

Mac の Finder は、デフォルトで拡張子を隠します。 .html を付けたつもりが .txt のままだった、という事故。 Finder → 環境設定 → 詳細 → すべての拡張子を表示 を有効にした瞬間、すべて解決。

例2:会話が長くなりすぎて、AI が指示を忘れた(1時間ロス)

minaton の記事執筆で、ChatGPT と20回以上往復していたら、最初に伝えた「ブランドトーン」を AI が忘れた。 出力に絵文字が混ざるようになり、修正しても元に戻らない。

新しい会話を立ち上げて、ブランドトーンを再度プロンプトに含めて再開。5分で解決。長すぎる会話は、捨てるが正解。

例3:APIキーが画面に映ったままスクショを公開(青ざめた)

外来で「こうやって AI と会話してます」とスタッフに見せたとき、画面の右上に API キー設定画面が映ったまま、誰かがスマホで撮影。 すぐ気づいて、Anthropic ダッシュボードで該当キーをローテーション。発行から再発行まで30秒で済んだが、心臓に悪い。

スクショ・画面共有のときは、シークレット系を全部閉じる、を口癖にしました。


もっと深く:エラーメッセージの読み方入門

JavaScript のエラーは、慣れると「言語」として読めるようになります。

代表的な3種類:

SyntaxError(構文エラー)

SyntaxError: Unexpected token '}' at line 18

意味:18行目の } が想定外の場所にある(カッコの数が合わないことが多い)。 対処:Claude Code に「カッコの対応を確認して直して」と頼む。

TypeError(型エラー)

TypeError: Cannot read property 'value' of null at calculate (script.js:18)

意味:18行目で「null(存在しないもの)」のプロパティ value を読もうとした。 原因:おそらく入力欄の取得に失敗している(id 名のタイポ等)。 対処:エラー文をそのまま ChatGPT に貼って、「id 名を確認して」と頼む。

ReferenceError(参照エラー)

ReferenceError: weight is not defined

意味:weight という変数が定義されていない。 原因:変数名のタイポか、宣言を忘れている。 対処:「weight が定義されていない、とエラー。確認して」と伝える。

エラーメッセージの 1行目 だけ読めれば、たいていの修正は AI に任せられます。


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