メインコンテンツへスキップ
ワークフロー

minaton記事とスライドの図解を、Nanobananaで制作時間を半分にした

病態生理・診断フロー・治療アルゴリズムの図解をAIで下書きし、医師が確認・修正する2段構えで、1図解あたりの制作時間を体感で約半分にした事例。

Ken OkamotoKen Okamoto|2026-05-148分で読めます
図解ビジュアル制作Nanobananaminatonスライド医療コンテンツ

状況

minaton記事で図解を入れたいと思うのは、だいたい病態生理を説明するときだ。「なぜ熱が出るのか」「なぜ薬が効くのか」を文章だけで書くと、保護者には伝わりにくい。診断フローも同じで、「こういう順番で考えます」を矢印で見せる方が圧倒的に早い。

問題は、図解1点あたりにかかる時間だった。自分でスライドのシェイプを並べて矢印を引くと、内容確認とは別に「レイアウト作業」で20〜30分使う。スライド登壇の準備では、図解10点以上が必要になることもあり、ここがボトルネックになっていた。

Nanobananaをこの用途で使い始めたのは、「プロンプトをうまく書けばレイアウト作業を飛ばせる」という仮説から。実際に使ってみると、プロンプトの書き方さえ決まれば、下絵の生成→確認→修正の工程がかなり速くなった。

やったこと

3種の図解タイプごとに、プロンプトのひな型を持っている。

病態生理の図解

疾患のメカニズムを「正常→異常→帰結」の流れで見せる場面で使う。minaton記事で一番出番が多い。

以下の病態生理を図解化してください。

【疾患・テーマ】
(例: RSウイルス感染による細気管支炎)

【伝えたい論点】
(例: 気道の炎症→浮腫・分泌物増加→気道閉塞→喘鳴・呼吸困難、というカスケードを保護者にわかりやすく)

【図解形式】
- 正常状態と異常状態を対比
- プロセスの流れを矢印で示す
- 各ステップに1行のラベルをつける
- 色分け: 正常=青系、異常/炎症=赤系
- 背景は白、フォントはゴシック

【対象読者】
(例: 医療知識のない保護者 / または 医学生・研修医)

診断フローの図解

外来での鑑別思考や、スライドの「どうやって診断するか」スライドに使う。判断点とYes/Noの分岐を明示するのが肝。

以下の診断フローを図解化してください。

【開始】
(例: 2歳児、38.5℃の発熱、24時間継続)

【判断1】
(例: 重症感染症のサインあり?)
- Yes → (例: 血液検査・入院検討)
- No → 次へ

【判断2】
(例: 熱の焦点が明らか?)
- Yes → (例: 焦点に応じた対応)
- No → 次へ

【判断3】
(例: 熱性けいれん既往あり?)
- Yes → (例: 保護者指導強化)
- No → 経過観察

【視覚的な要素】
- 判断点はひし形
- 終点(対応)は四角形
- Yes/Noを矢印ラベルで明示
- フローの上から下への流れ

治療アルゴリズムの図解

ガイドラインの治療ステップをスライドで見せるときや、minaton記事の「どんな薬をいつ使うか」を整理するときに使う。

以下の治療アルゴリズムを図解化してください。

【疾患・状況】
(例: 乳幼児の急性中耳炎、抗菌薬の適応判断)

【ステップ】
1. (例: 重症度評価: 耳痛の強さ・体温・両側性)
2. (例: 重症 → アモキシシリン 高用量 10日間)
3. (例: 軽症〜中等症 → 2〜3日観察 → 改善なければ抗菌薬)
4. (例: 治療失敗 → セフジニルまたは耳鼻科紹介)

【判断基準】
(例: 各ステップで参照する数値・サイン・年齢要件)

【視覚的な要素】
- アルゴリズム形式(上から下)
- 各分岐を色分け(投薬あり=赤系、経過観察=青系)
- ガイドライン名または参照元を図の下部に記載

生成後は必ず自分で確認する。医学的な内容が正しいか、経路の方向が論理的かを見る。細かいラベル修正や色調整は、Claudeに追加指示を出してイテレートする。

効いたところ

  • 1図解あたりの制作時間が体感で40〜50%減(レイアウト手作業がなくなる分)
  • 「ひな型に疾患を当てはめる」形になったので、記事を書きながら図解プロンプトを並行して作れる
  • スライドで「図解スライド」と「テキストスライド」の比率が上がり、聴衆の集中度が体感で変わった
  • minaton記事の図解をそのままスライドや外来説明に転用できる

限界・気をつけていること

医学図解は、視覚的に「それっぽく」見えても内容が間違っているリスクがある。特にAI生成は注意が必要だ。

  • 幻覚の経路: AIは「一般的によく見かける病態生理の流れ」を組み合わせて図解を作るため、存在しない機序や逆方向の矢印が生成されることがある。必ず医学的正確性を自分で確認する
  • 解剖図は使わない: 臓器の形や構造をリアルに描かせると、解剖学的に不正確な図が出やすい。模式図(シェイプと矢印のみ)に限定して使う
  • 数値・薬剤名は原本突合: 図解に投与量や検査閾値を入れる場合は、必ずガイドラインや添付文書の原文を確認してから反映する
  • 引用ありの図には出典を付ける: ガイドラインのアルゴリズムを図解化した場合、図の下部にガイドライン名と発行年を記載する。AI生成だからといって出典不要にはならない

横展開

このプロンプトひな型は、minaton記事以外でも使える。セミナースライドの「診断の考え方」スライドや、日経メディカル連載に図解を入れる場面でそのまま動く。ひな型の「対象読者」フィールドを変えるだけで、保護者向け・研修医向け・専門医向けの粒度調整ができる。図解制作自体が「専門スキル」から「内容確認スキル」にシフトした感覚がある。

コメント