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AI基礎|Tips

フューショットプロンプティング

数個の例を示してモデルの出力をガイドし、精度と一貫性を高める手法

Ken OkamotoKen Okamoto|2026-02-136分で読めます
プロンプティング基礎フューショットAI入門出力制御

フューショットプロンプティング

このテクニックとは

フューショット(Few-Shot)プロンプティングは、AIに対してタスクの具体例を数個提示し、その例に倣った出力を生成させる手法です。「Few-Shot」とは「少数の例示」を意味し、通常2〜5個の入力・出力ペアを示すことで、モデルに期待するフォーマット、トーン、専門レベルを暗黙的に伝えます。

ゼロショットプロンプティングでは出力形式が不安定になることがありますが、フューショットでは具体例がガイドとして機能するため、一貫した形式の出力が得られやすくなります。特に、特定のフォーマットで出力させたい場合や、専門的な文体を再現したい場合に威力を発揮します。

基本的な構造

以下の例に従って、[タスクの説明]を行ってください。

例1:
入力: [入力例1]
出力: [期待する出力例1]

例2:
入力: [入力例2]
出力: [期待する出力例2]

入力: [実際の入力]
出力:

例の数は通常2〜5個が効果的です。例が多すぎるとトークン消費が増え、少なすぎるとパターンの学習が不十分になります。

具体例

症状から鑑別診断を出力する例

以下の例に従って、症状から鑑別診断を3つ挙げてください。

例1:
入力: 65歳男性、突然の胸痛、発汗、左肩への放散痛
出力: 1. 急性冠症候群 2. 大動脈解離 3. 肺塞栓

例2:
入力: 30歳女性、右下腹部痛、発熱37.8°C、反跳痛あり
出力: 1. 急性虫垂炎 2. 卵巣嚢腫捻転 3. 子宮外妊娠破裂

入力: 50歳男性、2日前からの呼吸困難、咳嗽、発熱38.5°C
出力:

AIは例のフォーマット(番号付きリスト、簡潔な疾患名)を踏襲し、一貫した形式で回答を生成します。

医療での活用例

シナリオ

外来で複数の患者の診断書を作成する際に、統一されたフォーマットで効率よく文書を作成したいと考えています。過去に作成した診断書の例をAIに示し、同じスタイルで新しい症例の診断書を作成させます。

プロンプト例

以下の診断書の例を参考に、新しい症例について同様の形式で
診断書を作成してください。

例1:
【患者】田中太郎、68歳男性
【診断名】急性気管支炎
【所見】発熱と咳嗽が1週間持続。胸部聴診で両側にrhonchi聴取。
  胸部X線で明らかな浸潤影なし。
【治療方針】対症療法(鎮咳薬、解熱薬)。1週間後再診。

例2:
【患者】鈴木花子、55歳女性
【診断名】2型糖尿病
【所見】HbA1c 8.2%。空腹時血糖168mg/dL。BMI 28.5。
  合併症スクリーニングで異常なし。
【治療方針】食事・運動療法指導。メトホルミン500mg開始。
  3ヶ月後にHbA1c再検。

新しい症例:
78歳男性。3ヶ月前から安静時にも息切れを感じるようになった。
BNP 450pg/mL。心エコーでEF 35%。両下腿に浮腫あり。

メリットとデメリット

メリット

  • 出力形式が安定: 例に倣った一貫したフォーマットが得られる
  • 精度が向上: タスクの意図をより正確にモデルに伝えられる
  • 専門的な文体の再現: 医学用語の使い方やトーンを例で示せる

デメリット

  • トークン消費が増加: 例示の分だけプロンプトが長くなる
  • 例の質に依存: 不適切な例を示すと出力品質が低下する
  • 例の作成コスト: 適切な例を用意する手間がかかる

いつ使うべきか

  • 統一されたフォーマットで複数の文書を作成する場合
  • 専門的な文体やトーンを維持したい場合
  • ゼロショットで期待通りの出力が得られなかった場合
  • チーム内で一貫した出力品質を担保したい場合

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