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AI基礎|Tips

質問の分解

複雑な質問を小さな部分に分解して回答する

Ken OkamotoKen Okamoto|2026-02-147分で読めます
プロンプティング基礎基本テクニック

質問の分解

このテクニックとは

質問の分解は、複雑な問いを複数の小さな問いに分解してから順番に回答させることで、AIの推論精度を高める手法です。「この患者の診断は何で、治療方針はどうすべきで、予後はどうか、家族への説明はどうすべきか」という一つの大きな問いを、別々のステップに分けて問うことで、各部分の分析が深くなり、全体として質の高い回答が得られます。

人間の思考も同様ですが、AIも一度に多くのことを考えようとすると各項目の精度が下がります。特に「複数の独立した問い」が混在している場合(診断+治療+予後+説明)は、それぞれを分離して問う方が正確で詳細な回答が得られます。また、分解することで「どの部分の回答が不十分か」を特定しやすくなり、フォローアップの質問も効果的になります。

医療現場では「この複雑な症例、AIに聞いてみたけど長いだけで要領を得なかった」という経験をしやすいですが、これは多くの場合、複合的な問いを一度に投げていることが原因です。問いを分解するだけで、AIの回答の実用性が大きく変わります。

基本的な使い方

以下の症例について、次の順番で段階的に回答してください。

【症例】
[患者情報・症例情報]

Step 1: 鑑別診断
この症例で考えるべき鑑別診断を優先度順に3〜5つ挙げ、各鑑別を支持する所見と否定する所見を示してください。

Step 2: 追加検査
Step 1の鑑別を絞り込むために必要な追加検査・情報を、優先度順にリストアップしてください。

Step 3: 初期治療方針
現時点の情報で開始すべき初期対応・治療を示してください。

Step 4: 患者説明のポイント
この患者・家族への説明で伝えるべき内容(病状・検査の目的・今後の見通し)を平易な言葉でまとめてください。

各Stepは番号を明記し、前のStepを参照しながら回答してください。

問いをシンプルに分解するアプローチ:

以下の質問に1つずつ答えてください(一度に全部答えなくてよい)。

質問1: [例: この症例で最も可能性の高い疾患は何か?]
→ 回答後、「次の質問に進んでよいですか?」と確認してください。

質問2: [例: その疾患の確定診断に必要な検査は?]
→ 回答後、確認してください。

質問3: [例: 第一選択の治療法とその根拠は?]

医療での活用例

シナリオ

複雑な症例で複数の併存疾患を持つ患者の診断と治療計画を立てる必要がある。医師は症状、検査結果、既往歴を総合的に評価し、段階的に判断を進めたいと考えている。

プロンプト例

以下の[症例情報]と[患者情報]をもとに、複雑な症状の原因を特定し、診断と治療方針をステップバイステップで検討してください。まず、主訴と既往歴から最も可能性の高い疾患群を挙げ、その理由を説明してください。次に、検査結果を踏まえて診断の絞り込みを行い、最後に推奨される治療戦略を複数提示してください。各ステップごとに根拠を明示し、医療専門用語を用いて詳細に解説してください。

【症例情報】
68歳女性、主訴: 2週間続く全身倦怠感・食欲不振・微熱(37.5℃前後)
既往: 関節リウマチ(MTX内服中)、2型糖尿病(インスリン治療中)
検査: WBC 3,800(リンパ球優位)、Hb 10.2、PLT 12万、LDH 380、CRP 1.8
身体所見: 頸部リンパ節腫大(1cm、軟・可動性)、脾腫なし

Step 1: 主訴と既往からの鑑別診断(感染症・悪性腫瘍・膠原病・薬剤性を含めて)
Step 2: 検査結果からの絞り込みと追加検査の提案
Step 3: 最も可能性の高い診断の根拠と治療方針

いつ使うべきか

  • 複数の疾患が関連する複雑な症例で、診断から治療まで一気に問いたいとき
  • 「長い回答は来たけど要点がわからない」という経験をした後のリトライ
  • 医療文書作成で「まず構成だけ」「次に各セクションの内容」と分けて作りたいとき
  • 学習目的で段階的に思考プロセスを確認したいとき(指導医の思考プロセスの可視化)
  • 研究論文の理解で、背景・方法・結果・考察を別々に質問したいとき

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