メインコンテンツへスキップ
「型」を6つの部品に分解する
レッスン 3 / 6|13分で読めます

「型」を6つの部品に分解する

解説動画の画面を構成する6部品を、コードの中身と指示文つきで解剖する。文字数の上限、色の設計、左右交互レイアウトまで

動画テンプレートを6部品に分け、修正指示に使う語彙へ落とし込む短尺デモ。
動画テンプレートを6部品に分解する画面
背景、情報、補助部品に分けると、コードと指示文の対応が見える。
修正指示に使う言葉を確認する画面
背景、見出し、ピル、字幕、進捗のように、直す場所を名前で呼べるようにする。

前のレッスンで1本目ができました。

ここで一度立ち止まって、画面の中身を解剖します。理由はひとつ。部品の名前を知っていると、AIへの修正指示が劇的に的確になるからです。

「なんか左のやつをもう少し下に」ではなく「ピルの開始位置を40px下げて」と言えるようになる。これだけで、修正の往復回数が半分になります。


全体像:画面は6つの部品でできている

情報番組風の解説動画の1画面は、ほぼ例外なくこの6部品の組み合わせです。

  1. ドット背景:クリーム色の地に薄いドット。画面に質感を与える
  2. 番号付き見出し:丸バッジの番号 + 太字タイトル + 色付き下線
  3. ピル:角丸の箇条書き。1個ずつ時間差で飛び出す
  4. ブラウザモック:ウィンドウ風の枠。中に実物のスクショや図解を入れる
  5. マスコット:画面の隅で揺れているキャラクター
  6. 字幕バー:下部の黒帯。ナレーションと同じ文を表示する
解説動画の6部品の配置図。見出し、ドット背景、ピル、ブラウザモック、マスコット、字幕バーの位置を引き出し線のラベルで示したワイヤーフレーム
6部品の配置マップ。このあと1部品ずつ、目的と指示文を解剖します。
解説動画のコース紹介シーン。左上に番号バッジ付き見出しと色付き下線、左側に3つの箇条書きピル、右にブラウザモック、下部に字幕バー
1画面に6部品が全部入っている例。それぞれが独立した部品として動きます。

以下、部品ごとに「何のためにあるか」「コードの急所」「指示文の例」の3点セットで解剖します。コードは読み飛ばして構いません。指示文だけ持ち帰れば実用には足ります

部品1:ドット背景は「セットの壁」

単色の背景だと素人のスライドに見え、ドットが入ると番組のセットに見える。不思議ですが本当です。

コードの急所は1行です。CSSの模様機能で、小さな点を44px間隔で敷き詰めています。

backgroundImage: `radial-gradient(#1F242114 2.4px, transparent 2.4px)`,
backgroundSize: "44px 44px",

色コードの末尾 14 は透明度です。ドットは「あるかないか分からない」濃さが正解で、はっきり見えたらやりすぎです。

背景はクリーム色(#FAF6EE)に、ごく薄いドット模様を44px間隔で。
ドットは主張しない濃さにして。

部品2:番号付き見出しは「現在地の標識」

①②③と進む構造が、視聴者に「いまシリーズの何番目か」を伝えます。あわせて色付き下線がシーンのテーマカラーを宣言します。

見出しは「丸バッジの番号+太字タイトル+色付き下線」のセット。
バッジは回転しながら登場、下線は左から伸びる。
項目ごとにアクセント色を変えて。

色は何色用意すればいいか。私は6色をローテーションしています。

  • ティール #3B7E7C(ブランドの基調色)
  • #4F6BD8 / 琥珀 #C2702E / 菫 #7C5CC4 / 深緑 #2E8A5C / 紅 #C25A5A

彩度を抑えた中間色で揃えるのがコツです。原色を混ぜると途端に安っぽくなります。

自分のブランドカラーが決まっているなら、それを1色目に置いてください。

部品3:ピルは「情報の最小単位」

角丸の箇条書きです。急所はコードよりも文字数の規律にあります。

部品文字数の上限理由
見出し13字1行で収まり、読み上げ2秒以内
ピル15字一瞥で読み切れる限界
字幕バー28字ナレーション1文の長さ

15字を超える内容は、ピルを2枚に割ります。「読ませる」のではなく「見せる」のがピルの役割です。

箇条書きはピル型(角丸・白地・黒枠・先頭に色丸)。
1枚15字以内。3枚を0.4秒間隔で順に飛び出させて。

「0.4秒間隔で順に」が効きます。同時に出すと1つの塊に見え、間隔が1秒だと間延びします。

部品4:ブラウザモックは「実物の額縁」

このコースでいちばん推したい部品です。ウィンドウ風の枠(左上に赤黄緑の3つの丸)を作り、中身には実物を入れます

ブラウザモックの中に医療AI講座の実物の図解が大きく表示されたシーン
ブラウザモックの中身は本物の教材図解。信号機の配色まで実物のままです。
ブラウザ風ウィンドウ(上部バーに赤黄緑の丸3つ、黒枠、角丸、影)を作って。
中身はこのフォルダのスクリーンショットを表示:
./screenshots/ の画像を順番に使って。

実物のスクショを撮るときの注意がひとつ。個人情報・患者情報が画面の隅に写り込んでいないかを、必ず拡大して確認してください。ブラウザのブックマークバー、通知、タブ名は事故の常連です。

スクショを撮る前にブラウザをゲストモードにするのが安全です。

部品5:マスコットは「視線の逃げ場」

マスコットは飾りではありません。情報の多い画面の隅に、ゆっくり揺れるキャラクターがいると、画面全体の圧が下がります

揺れのコードは、三角関数のsin(波を作る計算)で書かれています。

const bob = Math.sin(frame / 16) * 6;  // 約3.3秒周期で上下6px

frame / 16 の数字を大きくすると、ゆっくり揺れます。「マスコットの揺れをもっとゆっくりに」と言えば、AIはこの数字を変えます。

左下にマスコット画像(透過PNG)を配置。
ゆっくり上下に揺らして、シーンごとに左右の位置を変えて。

自分のキャラクターがいない場合は、丸と点だけの簡単な顔でも機能します。私の1本目は手描き風のおばけでした(次のレッスンで3Dキャラに差し替えます)。

部品6:字幕バーは「無音再生の保険」

SNSの動画は8割が無音で再生される前提で作ります。下部の黒帯に、ナレーションと同じ文を表示します。

下部中央に黒い角丸バーの字幕。1シーン1文・28字以内。
文中の大事な1〜2語だけ黄色で強調して。

黄色ハイライトは、流し見でも要点が残る最重要の仕掛けです。

ただし1文に1〜2語まで。全部黄色にした字幕は、何も強調していないのと同じです。

レイアウトの飽き対策:左右交互と進捗ドット

6部品の配置を毎シーン同じにすると、3シーン目で飽きられます。対策は2つ。

1つ目は左右交互。図解ウィンドウが右→左→右、と交互に切り替わるだけで、画面が呼吸を始めます。

左右反転レイアウトのシーン。ブラウザモックが左、箇条書きピルが右、マスコットも右側に配置されている
ひとつ前の図と左右が逆。この交互だけで単調さが大きく減ります。

2つ目は進捗ドット。画面の右上に「全6項目中いま何番目か」の小さな点を置きます。テレビのワイプと同じで、視聴者は「あとどのくらいか」が見えると最後まで観てくれます。

画面右上に6個の進捗ドットが表示されたコース紹介シーン。5個目までが色付きで現在位置を示す
右上の小さなドット列が進捗表示。地味な部品ほど効きます。
シーンごとにレイアウトを左右反転して。
右上に進捗ドット(全項目数ぶん、現在位置まで色付き)を追加して。

今日のまとめ

3行で振り返ります。

  • 解説動画の画面は6部品でできている。部品名で指示すると修正の往復が半分になる
  • 規律は数字で持つ。ピル15字・字幕28字・色は中間色6色ローテ・ドットは気配の濃さ
  • ブラウザモックには実物を。ただし写り込みの個人情報チェックだけは人間の仕事

次のレッスンは「動き」です。同じ部品でも、動かし方で素人感とプロ感が分かれます。

演習(20分)

レッスン2で作った動画に、部品名で修正指示を3つ出してください。例を挙げます。

  1. 「ピルの文字数を15字以内に揃えて。超えるものは2枚に分割」
  2. 「見出しの下線を、左から0.5秒で伸びるアニメーションに」
  3. 「シーンごとにレイアウトを左右交互にして、右上に進捗ドットを追加」

指示が「部品名+数字」になっていれば合格です。