前のレッスンでは、Coworkに向く仕事の見分け方を見ました。ここからは実際に、最初の1本を任せるところまで進みます。段取りは大きく4つです。フォルダを与える、頼み方を組み立てる、確認モードを選ぶ、進み方を見ながら必要なら直す。順番に見ていきます。
作業フォルダは「必要な範囲だけ」渡す
デスクトップでローカルのフォルダを選ぶと、Coworkはそのフォルダの中身を文脈として読み込みます。ここで大事なのは、フォルダは広く渡すほど安全というわけではないことです。
渡すフォルダが広いほど、Coworkが目にする範囲も広がります。今回の仕事に関係ない過去の資料や、他の案件のファイルまで同じフォルダに入っていれば、それらも読み込みの対象になり得ます。逆に、今回の仕事に必要なファイルだけを集めた専用のフォルダを用意すれば、見える範囲も自然と絞られます。
補足
接続した範囲の外には出ない
ローカルファイルへのアクセスは、自分がデスクトップで接続したフォルダに限られます。フォルダの外にある無関係なファイルまで勝手に書き換えられる、ということはありません。だからこそ、フォルダの選び方そのものが最初の安全弁になります。
初めて任せる仕事では、専用の作業フォルダを新しく作り、そこに必要なファイルだけをコピーしてから渡すくらいで、ちょうどいい広さになります。
頼み方の骨組み: 仕上がり・材料・条件
込み入った仕事を任せるときほど、最初の一文に何を書くかで結果が変わります。骨組みはシンプルで、3つを埋めるだけです。
頼み方の骨組み
仕上がり
何の形で受け取りたいか。文書か、表か、下書きメールか
材料
どこにある何を使ってほしいか。フォルダ・期間・対象を具体的に
条件
外してほしくない条件、避けてほしい表現、参考にしてほしい過去の例
たとえば「先月の部署別経費を集計して」とだけ頼むと、Claudeは形式も対象期間も推測するしかありません。「経理フォルダの先月分の経費データを集計して、部署ごとの合計と前月比を表にまとめて。配布用なので数値の丸め方は前回の資料に合わせて」まで書けば、仕上がり・材料・条件がすべて揃います。
Anthropicが公開している運用のコツでも、着手前にこちらの依頼を確認させる一言が勧められています。
“Before we begin, repeat my ask back to me so we're aligned, then ask me as many clarifying questions as you have.”
筆者訳始める前に、私の依頼を復唱して認識を合わせてください。そのうえで、確認したいことがあるだけ質問してください。
この一文を依頼の最後に添えておくと、こちらが書き忘れた条件をClaude側から質問という形で拾ってもらえます。
確認モードを選ぶ
Coworkには、実行前にどこまで確認を挟むかを決める設定があります。名前と挙動は次の3つです。
1つひとつのアクションの前に、人が承認してから進む。初めての仕事や、慣れないうちはこれが安心
Claudeが各アクションの安全性を自分で確認してから実行し、危険と判断したものは止める。慣れた仕事向け
何も確認せず進める。仕事の中身を完全に信頼できるときだけ使うモード
どのモードを選んでいても、ファイルを完全に削除する操作だけは必ず確認が入ります。ここは例外がありません。初めて任せる仕事は、まず「Manually approve」で様子を見て、慣れてきたら「Automatically approve」に切り替える進め方が無理がありません。
進捗を見る、途中で直す
依頼を出すと、Coworkはまず取り組み方を確認し、必要なら質問を返してから作業に入ります。
依頼を出す
仕上がり・材料・条件を伝える
確認・質問
Claudeが理解を確認し、足りない点を質問することがある
作業が進む
進捗が見える形で表示される
必要なら止めて直す
見当違いに気づいたら、その場で伝える
受け取って確認する
仕上がりを自分の目で見てから使う
途中の進み方が想定とずれていたら、完了を待つ必要はありません。作業中でも止める、あるいは方向を伝え直すことができます。込み入った仕事ほど、最後にまとめて直すより、早い段階で気づいて直したほうが手直しの量は少なく済みます。
受け取った仕上がりは、そのまま使う前に自分の目で確かめる習慣をつけてください。確かめ方の具体的な観点は、任せる前にのレッスンで扱います。
今日のまとめ
3行で振り返ります。
- 作業フォルダは、今回の仕事に必要な範囲だけに絞って渡す。接続した範囲の外は操作されない
- 頼み方の骨組みは仕上がり・材料・条件の3つ。「依頼を復唱してから質問して」の一言を添えると、書き忘れた条件を拾ってもらいやすい
- 確認モードは3段階あり、ファイルの完全削除だけはどのモードでも必ず確認が入る。作業中でも止める・方向を直すことができる
次のレッスンでは、依頼のたびに同じ説明を繰り返さなくて済むように、指示やスキルを積み重ねていく方法を見ていきます。
セルフチェック
1. 作業フォルダの選び方について、本文の説明として正しいものはどれですか。
2. 3つの確認モードのうち、どのモードでも例外なく確認が求められる操作はどれですか。
3. 作業の進み方が想定とずれていることに気づいたときの適切な対応はどれですか。