病棟や介護の現場では、定期的に勉強会を開いて知識をそろえる機会があります。新しいガイドラインが出たとき、ヒヤリハットを受けて手技を見直すとき。資料作りの時間の多くは、学習目標を立て、進行の流れを組み、理解度を確かめる問題を用意するところに費やされています。
このレシピでは、原典のPDFを渡すだけで、勉強会の構成(学習目標・進行表・確認問題)とスライドの骨子を一度に用意させる頼み方を紹介します。
原典(ガイドライン・院内マニュアルなど)PDFの添付、PowerPointとしての出力(設定でファイル作成をオンにしておく)
原典のPDF、対象職種、想定時間と参加人数のメモ
構成とスライド骨子が出るまで15分程度
1. 頼み方
原典のPDFを添付したうえで、次のように頼みます。〔 〕の部分は自分の勉強会に置き換えてください。
添付した〔原典名、例:院内感染対策マニュアル〕をもとに、
〔対象職種、例:病棟看護師〕向けの院内勉強会の資料を作ってください。
時間は〔想定時間、例:60分〕、参加人数は〔人数、例:15名程度〕です。
次の4点を用意してください。
1. 学習目標(この勉強会を終えると何ができるようになるか、3つ程度)
2. 進行表(導入・説明・ディスカッション・まとめの時間配分)
3. 理解度を確認する問題(3問程度、解答と解説つき)
4. スライドの骨子(章立てと各スライドのポイント)
スライドの骨子はPowerPointとして出力してください。
診療や介護の判断にかかわる部分は原典の記載どおりに留め、
独自の推奨や数字を足さないでください。診療の判断にかかわる部分は原典どおりに留めるよう先に釘を刺しておくと、出典のない数値や言い回しがスライドに紛れ込むのを防げます。
2. 渡すもの
渡すのは、勉強会の元になる原典のPDFです。学会や行政が公開しているガイドライン、院内で作成したマニュアル、学会発表のスライドなどが対象になります。同じテーマで毎年開くなら、プロジェクトに原典をまとめておくと、次の回も同じ資料から作り直せます。
注意
患者の氏名・ID・生年月日・特定できる所見は入れない
事例を交えて作るときも、患者を特定できる情報は渡す前に外してください。氏名・ID・生年月日はもちろん、「◯◯病棟の高齢の患者」のように、組み合わせると特定につながる記述にも注意します。事例は、特定につながらない程度まで一般化してから渡してください。
PowerPointとして出てこず、文章だけが返ってくる場合は、設定でファイル作成の機能がオフになっている可能性があります。個人のプランでは手動でオンにする設定になっていることがあるので、一度確認してください。
3. 返ってくるもの
学習目標・進行表・確認問題・スライドの骨子が、それぞれ分けて返ってきます。以下は架空の例です。実在の勉強会資料ではありません。
- 学習目標: 「今日のテーマの要点を自分の言葉で3つ挙げられる」「現場でよくある誤解を1つ説明できる」
- 進行表(60分想定): 導入5分、原典の要点説明20分、事例をもとにしたディスカッション20分、確認問題10分、まとめ5分
- 確認問題: 選択式2問、記述式1問(理解度の自己点検用)
- スライドの骨子: 表紙、今日のゴール、原典の位置づけ、要点3枚、よくある誤解、まとめ
この構成とスライドの骨子は、原典を整理した下書きです。 内容が原典の記載と食い違っていないかは、次の節の手順で確かめてから配布してください。
実際の学習目標や時間配分は、渡した原典とテーマ、参加者の経験年数によって変わります。
4. 続けて頼むこと
構成ができたら、同じ会話に続けてもう2つ頼めます。
対象職種によって説明の深さを変えたいときは、1つの教材を習熟度別に作り分けるで扱った基準の立て方がそのまま使えます。
配布用の1枚に絞り込むところは、長い資料を判断用の1枚にまとめるで詳しく扱っています。
5. うまくいかないとき
患者情報は入れない
原典に事例を足したくなっても、患者の氏名・ID・生年月日、特定できる所見は入れません。匿名化したつもりでも、部署名と年齢、経過を組み合わせると特定につながることがあります。事例が要るときは、架空の設定に置き換えてから渡してください。
臨床の記述は原典で確かめる
Claudeは原典を要約する過程で、言い回しを変えたり、数字を丸めたりすることがあります。特にスライドの骨子は書き換える量が多く、変化が起きやすい箇所です。配る前に、原典と1枚ずつ照合してください。診療や介護の推奨にかかわる記述は、要約だけで判断せず必ず原文に戻ります。
院内のルールを先に確認する
外部のAIに原典を渡してよいかどうかは、施設や部署によってルールが異なります。ガイドラインが院内限定・機密扱いになっていないか、勉強会資料の作成に外部ツールを使ってよいかを、事前に情報システム部門や上長に確認してください。