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臨床実践|プロンプト

治療選択肢の共有意思決定(SDM)

患者の価値観と生活状況を考慮した治療選択肢の比較・説明を支援するShared Decision Makingプロンプト

Ken OkamotoKen Okamoto|2026-02-148分で読めます
SDM共有意思決定治療選択患者中心インフォームドコンセント

治療選択肢の共有意思決定(SDM)

概要

Shared Decision Making(共有意思決定、SDM)とは、医療者と患者が協働して治療方針を決定するプロセスです。医療者はエビデンスに基づく治療選択肢とその利点・リスクを提示し、患者は自身の価値観・生活状況・希望を共有します。両者が対等な立場で対話し、患者にとって最善の選択を一緒に見つけていきます。

SDMが重要な理由は、同じ疾患でも患者の生活背景や価値観によって「最善の治療」が異なるからです。例えば、手術で根治を目指すか、QOLを重視して保存的治療を選ぶかは、患者の人生観やライフステージによって変わります。このプロンプトは、治療選択肢を患者の視点から整理し、対話の準備を支援します。

プロンプトテンプレート

あなたは患者中心の医療を実践する臨床医です。以下の患者情報に基づき、治療選択肢の比較と共有意思決定を支援する資料を作成してください。

# 診断名
[診断名を入力]

# 患者情報
- 年齢・性別: [入力]
- 職業: [入力]
- 生活状況: [家族構成、日常の活動など]
- 患者の価値観・希望: [患者が大切にしていること]
- 患者の懸念: [治療に対する不安や心配事]

# 出力形式
1. 治療選択肢の比較表(各選択肢のメリット・デメリット・エビデンス)
2. 各選択肢が患者の価値観とどう関連するかの分析
3. 患者と話し合う際に確認すべき質問リスト
4. 次のステップの提案

注意:専門用語を避け、患者に説明する際にそのまま使える平易な言葉で記述してください。「正解」を押し付けず、患者が自分で選べるよう中立的に記述してください。

使用例

以下は実際の入力例です。

# 診断名
2型糖尿病(HbA1c 8.2%、診断後6ヶ月、食事・運動療法で改善不十分)

# 患者情報
- 年齢・性別: 55歳男性
- 職業: 営業職(外回りが多く、食事時間が不規則)
- 生活状況: 妻と二人暮らし、週末はゴルフが趣味
- 患者の価値観・希望: 仕事を続けたい、できるだけ薬は少なくしたい
- 患者の懸念: 低血糖が怖い、体重を増やしたくない、注射は避けたい

AIは以下のような出力を提示します。

治療選択肢の比較表

項目メトホルミンSGLT2阻害薬DPP-4阻害薬
飲み方1日2-3回、食後1日1回、朝1日1回、時間を問わない
低血糖リスク非常に低い非常に低い非常に低い
体重への影響やや減少減少効果ありほぼ変化なし
主な副作用消化器症状(下痢・腹部膨満)尿路感染、脱水少ない
外回りの仕事との相性食後服用が必要1日1回で簡便、水分摂取に注意1日1回で簡便
費用(月額目安)約1,000円約4,000円約3,500円

患者の価値観との関連

  • 仕事を続けたい: SGLT2阻害薬やDPP-4阻害薬は1日1回服用で、不規則な食事時間でも管理しやすい
  • 薬は少なくしたい: いずれも単剤で開始可能。メトホルミンは最も長い使用実績がある
  • 低血糖が怖い: 3剤とも単独使用での低血糖リスクは非常に低い
  • 体重を増やしたくない: SGLT2阻害薬は体重減少効果があり、最も希望に沿う
  • 注射は避けたい: 3剤とも経口薬

患者に確認すべき質問

  1. 「お薬を飲む回数は、1日1回と複数回では、どちらが生活に合いますか?」
  2. 「費用面で月々の負担はどの程度まで許容できますか?」
  3. 「トイレの回数が増える可能性がありますが、外回りのお仕事に支障はありませんか?」
  4. 「お薬で効果が不十分な場合、お薬の追加や変更についてどうお考えですか?」

SDMの基本原則

  • 専門用語を使わない: 「SGLT2阻害薬」ではなく「尿から糖を出すお薬」のように平易に説明する
  • 「正解」を押し付けない: 医療者の推奨を伝えることは重要だが、最終決定は患者に委ねる
  • 患者の価値観を尊重する: 医学的に最善でも、患者の生活や価値観に合わなければ継続できない
  • 十分な時間を確保する: 即座の決断を求めず、持ち帰って考える時間を提供する
  • 決定は変更可能であると伝える: 一度選んだ治療でも、合わなければ変更できることを明確にする

活用のポイント

  • 患者の「価値観・希望」と「懸念」はできるだけ具体的に入力してください。抽象的な記述では、AIの提案も一般的なものにとどまります。
  • 生成された比較表は、そのまま患者への説明資料としても活用できます。
  • 慢性疾患だけでなく、がん治療の選択や手術の意思決定など、幅広い場面で応用可能です。
  • 複数回の外来にまたがるSDMの場合、前回の対話内容を追記して再度プロンプトを実行すると、議論の進展を反映した提案が得られます。

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