メインコンテンツへスキップ

文献レビューの計画を立てる

  • レッスン 2
  • 13分

このレッスンで

終わる頃には、次ができるようになります

  • 広すぎる研究テーマを対象・比較・知りたいこと・期間の4つで絞り込める
  • 検索結果を基礎からギャップ分析までの段階的なロードマップに整理させられる
  • 返ってきたロードマップを実ファイルで開き重要な引用を元論文と照合する習慣を持てる

前のレッスンで、研究に使えるコネクタの地図を確認しました。ここからは、その中でも最も出番の多いPubMedコネクタを使って、実際に1本、文献レビューの計画を立てていきます。

いきなり広いテーマのまま「関連する論文を探して」と頼むと、返ってくるのはよくある総説のような、ぼんやりしたリストです。使える計画にするには、頼む側で問いを絞る一手間が要ります。


広い問いのままでは、使える計画にならない

問いを絞るときの4つの要素は、Deep Research入門で扱った「対象・比較・知りたいこと・形」と同じ考え方です。研究テーマに当てはめると、対象(何についての研究か)・比較(何と何を比べるか)・知りたいこと(結論なのか、方法の違いなのか)・期間(直近数年に絞るか、古典的な研究も含めるか)の4つになります。

環境科学の研究テーマを例に

絞る前

「都市の緑地と生物多様性について調べて」

対象も比較も期間も指定されていないため、都市計画・生態学・政策評価にまたがる、焦点の定まらない論文リストが返ってきます。

絞った後

「都市公園の面積と鳥類の種数の関係について、過去10年の観察研究を対象に、緑地の連続性(パッチの分断度)を主な比較軸として探して」

対象・比較・期間が定まっているので、読むべき論文の輪郭がはっきりします。

問いを絞る作業そのものは、Claudeに手伝わせてもかまいません。「このテーマで、対象・比較・知りたいこと・期間を絞る質問を私にしてください」と頼めば、足りない要素を向こうから聞き返してくれます。ただし、最終的に何を対象に何を比較したいのかを決めるのは自分です。ここを丸ごと任せると、後の段階で「そもそも何を知りたかったのか」を見失いやすくなります。


読む順番のあるロードマップを作らせる

問いが絞れたら、PubMedコネクタで検索させ、その結果を「読む順番」で並べ直してもらいます。検索結果を時系列や引用数の多い順に並べるだけでは、ただのリストです。読む順番として意味のある形にするには、段階を指定します。

01

基礎論文

分野の前提となる、引用され続けている古典的な研究

02

メカニズムとエビデンス

主張を支える機序や、直近の実証研究

03

ギャップ分析

まだ結論が出ていない論点、研究が手薄な領域

文献レビューのロードマップ、3段階の例
書き換えて使うテンプレート
PubMedで〔絞り込んだ研究テーマ〕に関する論文を検索してください。
見つかった論文を、
(1)基礎論文(分野の前提となる古典的な研究)
(2)メカニズムとエビデンス(主張を支える機序・直近の実証研究)
(3)ギャップ分析(まだ結論が出ていない論点)
の3段階に分けて、読む順番のロードマップとして整理してください。
各論文には、なぜその段階に入れたかを一言添えてください。

段階を指定するだけで、検索結果は「読むべき順番」という骨格を持った下調べの地図に変わります。


チャット画面でなく、実ファイルで確かめる

ロードマップができたら、そこで満足せずに2つ確かめてください。

1つ目は、ファイルとして開くことです。チャット画面に表示されたプレビューだけで満足せず、書き出されたファイルを実際に開いて、崩れなく整形されているか、抜けている論文がないかを見てください。

2つ目は、重要な引用ほど、元論文と照合することです。ロードマップの骨格が合っていても、個々の論文の要約に誤りが混じっていることはあります。とくに自分の研究の土台にする論文は、要約を鵜呑みにせず、抄録か全文に一度目を通してください。要約と中身のずれを見つける具体的な確かめ方は、AIの答えを確かめるで扱います。

補足

すでに読んだ論文と突き合わせる

すでに読んで手元にある論文のリストがあれば、それも一緒に渡すと、ロードマップは「まだ読んでいないもの」に絞り込まれます。既読・未読を分けて渡すひと手間で、二度読みを防げます。

もう一つ効くのが、出てきたロードマップに対する聞き返しです。「この分野で意見が分かれている論点はどこですか」「この検索で拾いきれていなさそうな領域はありますか」と続けて尋ねると、最初のロードマップだけでは見えなかった穴に気づけます。1回の検索で終わらせず、往復させる価値がここにあります。


やってみよう

演習1:自分の問いを4要素で絞る

いま調べたい研究テーマを1つ選び、対象・比較・知りたいこと・期間の4つを、それぞれ1行で書き出してみましょう。埋まらない項目があれば、それが今の自分の問いの曖昧さです。

演習2:3段階の見出しを自分の分野で考える

基礎論文・メカニズムとエビデンス・ギャップ分析という3段階を、自分の分野の言葉に置き換えるとしたら何と呼びますか。分野によっては段階の数や呼び方が変わってもかまいません。


今日のまとめ

3行で振り返ります。

  • 広い研究テーマは、対象・比較・知りたいこと・期間の4つで絞ってから検索を頼む
  • 検索結果は、基礎からギャップ分析まで段階を指定すると読む順番のロードマップになる
  • ロードマップはチャット画面でなく実ファイルで確かめ、重要な引用は元論文と照合する

次のレッスンでは、複数の論文を読んだあとに起きる「話の筋を見失う」状態を、議論の地図にして整理する方法を見ていきます。

セルフチェック

1. 広い研究テーマのまま検索を頼むと、どのような結果になりやすいですか。

2. 検索結果を「読む順番のロードマップ」に変えるために、本文で紹介した工夫はどれですか。

3. ロードマップができたあと、本文で勧めている確かめ方はどれですか。

SourceARTICLE
Claude公式: PubMedコネクタの使い方

検索・引用の相互照合・全文取得の範囲を確かめられる一次情報

Webclaude.com
claude.com/resources/tutorials/using-the-pubmed-connector-in-claude
SourceAMPL LEARN
関連: Deep Research入門「最初のレポート」

広い問いを対象・比較・知りたいこと・形で絞り込む考え方を、Deep Researchの文脈でさらに扱っています

次のレッスンAMPL learn
amplinc.com/learn/deep-research-101/02-first-report

このレッスンは役に立ちましたか?