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書きながらの往復

  • レッスン 4
  • 12分

このレッスンで

終わる頃には、次ができるようになります

  • 何を作るか・どう進めるか・どう働きたいかの3層を、書き始める前に言葉にできる
  • 頼む・見る・直すの往復を、実際のやり取りとして回せる
  • 自分の基準を過去の作品に当てて、緩すぎないかを確かめられる

ここまでで、自分の作品の位置づけ(表現・つながり・独自性)と、AIにどの役割を任せるか(5つの役割)を決めました。ここからは、実際に手を動かしながらAIとどうやり取りするかに入ります。

書きながらAIとやり取りするとき、多くの人は「頼んで、出てきたものをそのまま使うか、丸ごと書き直すか」の二択で止まっています。あいだにもう1段階、見て直すという工程を挟むだけで、往復の質は大きく変わります。


何を作るか・どう作るか・どう働くか

書き始める前に言葉にしておくと役立つ層が3つあります。

書く前に言葉にする3つの層

1

何を作るか

ジャンル名ではなく具体的に。この作品にとっての『自分らしさ』とは何か、最高の出来とはどんな状態か

2

どう作るか

工程を段階ごとに棚卸しする。もっとも重要な判断がどこで下るか、どこで苦労しやすいか

3

どう働くか

集中できている状態と、そうでない状態の違い。締め切りに追われたときに起きやすい癖

この3層を言葉にしていないと、AIに何をどう頼めばよいかが定まらないだけでなく、出てきたものが良いのか悪いのかを判断する基準そのものが作れません。完成してから初めて評価できるようでは、直すには遅すぎます。


頼んで、見て、直すの往復

たとえば、社内向けの提案資料の導入部分を書く場面を考えます。最初から完成形を頼むのではなく、段階を分けて往復させます。

最初の依頼のテンプレート
〔提案の対象〕についての提案資料の導入部分を書いてください。
読み手は〔読み手〕、目的は〔目的〕です。

まず、導入で押さえるべき要素を箇条書きで3〜5個出してください。
文章そのものは、まだ書かないでください。

いきなり完成文を頼まず、要素の洗い出しだけを先に頼みます。ここで出てきた箇条書きが、自分の言葉にした「何を作るか」と噛み合っているかを確認します。噛み合っていなければ、この段階で直すほうが、完成文を直すよりずっと軽い作業で済みます。

続けて送る指摘のひとこと
3番目の要素は今回の読み手には響きません。代わりに〔別の要素〕を軸にして、
箇条書きをもう一度出してください。

要素が固まってから、初めて文章化を頼みます。文章が出てきたら、そこで終わりにせず、もう一度「見る」段階を挟みます。どう作るかの層で決めた重要な判断、たとえば導入部分で読み手の関心をどう引くかが、実際に反映されているかを確かめます。反映されていなければ、直す指示はここでまた具体的に出せます。1回で完成を求めず、要素→文章→仕上げと段階を分けるほど、途中で軌道修正できる回数が増えます。 この段階を分ける考え方は段階に分ける、先に考えさせるでさらに詳しく扱っています。


基準を過去の作品でテストする

書き始める前の基準は、頭の中にあるだけでは頼りになりません。過去の自分の作品、できれば評価が分かれたことのある作品に、その基準を当ててみると、基準の甘さがすぐに見えます。

すべての過去作品が、書いたばかりの基準を軽々と通過してしまうなら、その基準はゆるすぎます。基準は、良い作品と直しが必要な作品を実際に分けられて、はじめて使える基準になります。

たとえば「読み手が最後まで飽きずに読める」という基準を立てたとします。この基準を、自分が過去に書いた中でも評価が割れた1本に当ててみます。飽きずに読めたかどうかを判断するには、具体的に何を数えればよいのかが分からなければ、この基準はまだ言葉になっていません。「途中で目的を見失わずに読める」「専門用語が出るたびに言い換えが添えてある」のように、確かめられる形まで分解して初めて、次に書くときの実際の基準として使えます。

注意

曖昧な基準のサイン

「しっくりくる」「ただ良い」「見ればわかる」。この3つの言い回しが自分の基準の中に出てきたら、まだ言語化が終わっていない合図です。何がどう良いのかを、具体的な言葉に置き換えるところまでやり直してください。


やってみよう

演習1:3層を自分の仕事で書き出す

いま進めている、または近いうちに手がける仕事を1つ選び、何を作るか・どう作るか・どう働くかの3層をそれぞれ2〜3文で書き出してください。

演習2:基準を過去の作品でテストする

演習1で書いた基準のうち1つを、過去に作った作品1点に当ててみます。その作品は基準を通過しますか。通過してしまう場合、基準のどこを具体的にすればよいかを1〜2文で書いてください。


今日のまとめ

3行で振り返ります。

  • 書き始める前に、何を作るか・どう作るか・どう働くかの3層を言葉にしておく
  • 完成文をいきなり頼まず、要素→文章→仕上げと段階を分けて、途中で直せる往復にする
  • 基準は過去の自作品でテストし、すべて通過してしまうなら緩すぎると判断する

次のレッスンでは、AIが関わったことを誰に・何を・どこまで明かすかを扱います。

セルフチェック

1. 書き始める前に言葉にしておく3層として、本文で紹介したものはどれですか。

2. 完成してから初めて評価できるやり方について、本文はどう述べていますか。

3. 自分の基準がまだ言語化できていない合図として、本文が挙げた言い回しはどれですか。

SourceAMPL LEARN
段階に分ける、先に考えさせる

頼み方そのものを段階に分ける技法を、さらに詳しく扱っている

次のレッスン
amplinc.com/learn/prompting-techniques/04-steps-and-think-first

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