
Special Feature
AIに、
手を動かしてもらう。手を動かして
もらう。
Claude Codeは、おしゃべりするAIではなく、作業するAI。頼んだ仕事が、席を外している間に形になっている。
- Courses
- 2
- Lessons
- 22
- Agents
- 1→1,000+
AIは、答えるだけの存在から、仕事を終わらせる存在へ。
2026年、Claude Codeは『コードを書く人』だけの道具ではなくなりました。書類の下ごしらえ、資料の下読み、データの整理、小さなアプリ。ターミナルという黒い画面の向こうで、AIが実際に手を動かします。作者のBoris Chernyさんは『もう8ヶ月、コードを1行も手で書いていない』と話しています。
- 「名前はよく聞くけど、結局なにができるの?」
- 「サブエージェント、ワークフロー。用語が増えすぎて追えない」
- 「自分の仕事の、どこで効くの?」
この特集は、その3つに答えるための入り口です。2枚の地図と、順番に登る2つのコース、そして専門用語のミニ辞典を置いておきます。
Map 01
道具の地図。制御の所在で選ぶ。
4つの仕組みは、強さの階層ではありません。手順書に従う、リードが委任する、チームで調整する、判断をコードへ移す。仕事の進め方に合わせて選びます。
手順書
人が用意した型に沿う

再現したい作業
リードClaude
分けて任せ、結果を受け取る

独立した分担
チーム
互いに話し、その場で調整する

議論が必要な仕事
コード
決めた工程を反復して実行する

大量の反復
Map 02
成長の地図。同時に動くエージェント数。
Claude Codeの作者Boris Chernyさんが公開した原図を、そのまま置きます。PCでは原典の6列表、スマートフォンでは要点を、医師のAI活用レベルマップと同じ縦型の5段階で読めます。
Gated
0
承認や環境整備がボトルネック。まだエージェントを使えない
Assisted
約1体
1体とペアで働き、ほぼすべての変更を自分で確認する
Parallel
約10体
複数を指揮し、入力ではなく完成した差分を確認する
Supervised autonomy
約100体
管理職の管理職として、ループと例外を監督する
AI-native
約1,000体以上
意図で方向を示し、例外だけを確認する
Read the original map
原図を、左上から
一段ずつ読む。
数字は目標ではありません。検証と安全網が整った結果として、同時に任せられる仕事が増えていきます。見るべきなのは体数ではなく、各段階で人の役割がどう変わるかです。
- STEP 0
0体
Gated
組織に止められている
承認されるのは旧型か軽量のモデルだけ。ゲートウェイと独自認証で遅延が積み上がり、MCPのガバナンスはなく、社内AIツールへのアクセスは制限か重い手続き。Claudeが作った成果物をホストするインフラも承認経路もなく、成果物はローカルに留まる。
いま詰まる場所
- 旧来のセキュリティ・承認プロセス
- 成果ではなくトークン単価の抑制に焦点が向く
- 意思決定の場に技術の声がない
必要な安全網
- SSO/SCIM+ロールベースアクセス
- 組織レベルの予算上限
- 既存の承認・IAMの内側でデプロイ
- データガバナンス
次へ進む条件 · STEP 0 → 1
経営・購買との合意形成とブロッカーのエスカレーション。Claudeを安全に導入するためのフレームワーク整備
- STEP 1
約1体
Assisted
あなた+1体のペア
1人と1体の、ほぼ監視付きの高速ペアプログラマー。セッションは一度に1つ、マージ前にほぼすべての変更をレビューする。
午後いっぱいかかっていた変更が、会議の合間に片づく仕事になる
いま詰まる場所
- あなたの注意力。出力への信頼が低く自己検証もないため、全部読む必要があり目が離せない
- 作業が同期的で、次のタスクに移れずClaudeを見て待つ
必要な安全網
- シート単位の支出上限
- モデル・effort設定とポリシーの集中管理
- OpenTelemetryで既存の監視基盤へ
次へ進む条件 · STEP 1 → 2
同時に2体以上を動かす/信頼できる自己検証ループ(テスト+ビルド+lint+実環境E2E)を作る/許可プロンプトで止めないautoモード/コードレビューの自動化
- STEP 2
約10体
Parallel
オーケストレーター(指揮者)
1人で5〜10体を同時に指揮し、それぞれ別のworktreeで走らせて行き来する。Claudeが自分でテスト・ビルド・lint・セキュリティスキャンを確認してから見せる。自動コードレビュー・セキュリティレビューは既定ON。キーストロークではなく最終diffをレビューし、保守のバックログが減り始める。コードの大半はClaudeが書く。
チームで数週間かかったバックログが、1人の午後のオーケストレーションで消える
いま詰まる場所
- 出力のレビュー。手で書く量は減ったが、6本のストリームを確認する時間が増える
- セッションを行き来しながらの指示と操縦
必要な安全網
- Analyticsで利用を監視
- lint・テスト・型チェックの自動強制
- E2E検証(Chrome拡張・シミュレータMCP)
- 人間とAIのコードに同じ品質バー
- 安全なコマンドのsettings.json事前許可
次へ進む条件 · STEP 2 → 3
Claudeが自分で文脈を取りに行ける状態を作る(コード・wiki・議論を読ませる)/レビュー速度と裁量を上げる/仕事をループとルーティンに分解する/ClaudeがClaudeを起動する
- STEP 3
約100体
Supervised autonomy
マネージャーのマネージャー
コードはほぼすべてClaudeが書く。問いが「コードは読んだか」から「モデルにどの文脈が欠けていたか、次はどう直すか」に変わる。
手で起動していた仕事をClaudeが先回りで実行する。保守や掃除が、手すきの人待ちからバックグラウンドの常時実行になる
いま詰まる場所
- ループへの信頼と、チームの意思決定スループット。エージェントツリーは深すぎて子守りできない
- 罠は、ループが信頼を得る前に体数を増やすこと
- トークン効率の監視と、コストを制御しつつ実験を促す文化。「これはエンジニアがやったと言える仕事か」と自問する
必要な安全網
- 自動コード・セキュリティレビュー
- Agent sandboxing
- CLAUDE.mdとSkillsで標準をコード化
- Auto mode分類器のチューニング
- モデル選択・CLAUDE.mdのlazy Skills分割でトークン管理
次へ進む条件 · STEP 3 → 4
ドメイン特化ユースケースの自動化を規模化する(コード移行・fuzzing・機能構築・フィードバック修正)
- STEP 4
約1,000体以上
AI-native
意図で舵を取るVP
ループは完全に閉じ、エージェントの大半はClaudeが起動する。数百〜数千体が走り、あなたは意図で舵を取り、例外だけを監視する。
四半期がかりの移行が「起動して様子を見る」ワークフローになる
いま詰まる場所
- 規模で自動化すべき仕事の特定
- 仕事の種類ごとに正しいガードレールを強制すること
必要な安全網
- 自動化のコスト制御
- 自動化のモデル選択
By the numbers
数字で見る、いまの実力。
印象ではなく、公開された実測値だけを並べます。出典は公開計測・公式記事・作者本人の発言に限っています。
- Task duration
- 21分 → 12時間
- Migration
- 100万行 / 2週間未満
- Multi-agent
- 90.2%改善
- Autonomy
- 40%超 / 9%
- Safety
- 0.8%
- Plan mode
- 2倍 から 3倍
1回の依頼でこなせる仕事の長さ。2024年10月から2026年3月までの16ヶ月で、これだけ伸びました。
METR Time Horizons 2026年3月metr.org/time-horizonsBunのZigからRustへの全面移植。既存テストは100%通過し、マージ後の回帰は19件。API価格に換算して約16.5万ドル。
Anthropic公式ブログ 2026年7月claude.com/blog/ai-code-migration複数エージェント構成が単体を上回った幅。ただしトークン消費は通常の対話の約15倍かかります。
Anthropic Engineering 2025年6月anthropic.com/engineering/multi-agent-research-system750セッション以上を重ねた人のうち、全自動承認を使う割合と、作業を途中で止める割合。新規の人は20%と5%でした。
Anthropic 自律性の実測調査anthropic.com/research/measuring-agent-autonomy取り消しの効かない操作が占める割合。ツール呼び出しの80%には何らかの安全策が、73%には人の確認が組み込まれています。
Anthropic 自律性の実測調査anthropic.com/research/measuring-agent-autonomy複雑な仕事で、計画を先に立てたときに成功率が上がる幅。作者本人の言葉です。
Boris Cherny / Every.toevery.to/podcast/transcript-how-to-use-claude-code-like-the-people-who-built-it熟練するほど、任せる範囲も、口を出す回数も増える。
慣れれば確認が減っていくのだろう、という予想は外れます。実測では、任せる範囲を広げた人ほど、途中で止めて口を出す回数も増えていました。放任ではなく、見る場所を変えているということです。
Courses
順番に進めば、迷わない。
入門編でセットアップから最初のアプリまで。実践編で外部連携・自動化・マルチエージェントまで。2つのコースが、一本の学習ルートになっています。
Glossary
これだけ分かれば、会話に入れる9語。
それぞれの語は、1語ずつ解説したレッスンにつながっています。順番はありません。気になった言葉からどうぞ。
Skills
Claudeに手順を教える指示書ファイル。呼ばれたときだけ読み込まれるので、何個持っても軽い。
Subagents
別のコンテキストで働く部下。大量の調べ物を任せて、要約だけ受け取る。
Agent Teams
Claude同士が直接相談し合うチーム。並列レビューや分担実装向け(実験的機能)。
Dynamic Workflows
Claudeが書いたスクリプトで数百体を統制する工場。起動の合言葉はultracode。
MCP
外部サービス(カレンダー、Notion、DB)とClaudeをつなぐ共通規格。
Hooks
決めたタイミングで必ず実行される自動処理。お願いではなく強制できるのが値打ち。
CLAUDE.md
プロジェクトの約束事を書いておくファイル。Claudeが間違えるたびに書き足して育てる。
Checkpoints
編集の自動スナップショット。失敗したら/rewindで巻き戻す。ただしbash経由の削除は対象外。
Plan mode
実装前に計画だけ立てさせる読み取り専用モード。大きな変更の事故防止に効く。
Voices
作った人たちが、繰り返し言うこと。
Claude Codeを作っている人たちは、機能の説明よりも、仕事の任せ方と検証の仕組みについて繰り返し語っています。ここでは本人たちの言葉を、出典とともに置いておきます。
本人の投稿から
作者本人が自分の使い方を公開したスレッド。『設定はほとんどいじっていない』と書いているのが面白いところです。
There is no one correct way to use Claude Code: we intentionally build it in a way that you can use it, customize it, and hack it however you like.
「Claude Codeに唯一の正解はない。好きなように使い、カスタマイズし、いじり倒せるように意図的に作っている」
Boris Cherny(Claude Code作者)
X(旧Twitter) (2026年1月)
公式ドキュメントと、チームの言葉
“Without a check it can run, 'looks done' is the only signal available, and you become the verification loop.”
「実行できるチェックがなければ、『できたように見える』だけが唯一の手がかりになり、あなた自身が検証ループになってしまう」(筆者訳)
“After the tenth approval you're not really reviewing anymore, you're just clicking through.”
「10回目の承認では、もうレビューしていない。ただクリックしているだけだ」(筆者訳)
“When Claude makes mistakes, debug your workflow, not the model.”
「Claudeが間違えたら、モデルではなく、あなたのワークフローをデバッグしなさい」(筆者訳)
“I think it is extremely hard to manage agents if you can't do the job yourself. I think the managers still need to be experts in their domain.”
「自分でその仕事ができなければ、エージェントを管理するのは極めて難しい。管理する側は、やはりその領域の専門家である必要がある」(筆者訳)
任せられる範囲は、自分がその仕事を分かっている範囲まで。AIに任せるほど、任せる側の専門性が問われます。


