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記述力:何を、どう作ってほしいかを伝える

  • レッスン 3
  • 12分

このレッスンで

終わる頃には、次ができるようになります

  • 成果物の記述・プロセスの記述・振る舞いの記述という、記述力の3種を区別できる
  • 3種の記述を使って、オンボーディングガイドの下書きを具体的に頼める
  • 言葉で説明しにくい形は、見本を渡して伝えられる

前回、オンボーディングガイド作りのうち、構成案づくりと読みやすさの整理をAIに任せる、という委任の線引きをしました。今回は、任せると決めた部分を、実際にどう伝えるかです。これが記述力です。

記述力は、AIに明確に伝える力全般を指しますが、中身は1種類ではありません。何を作ってほしいか、どう進めてほしいか、どんな態度で関わってほしいか。この3つは、それぞれ別の記述です。


記述力の3つの種類

記述力の3要素

01

成果物の記述

何を作ってほしいかの定義。対象読者・形式・スタイル・長さなど、出来上がりの姿

02

プロセスの記述

どう取り組んでほしいかの指定。参照してほしい材料・手順の順番・考え方の癖

03

振る舞いの記述

協働中にどう振る舞ってほしいかの指定。簡潔か詳細か、率直な指摘がほしいか支持的でいてほしいか

3つとも埋める必要はありません。仕事の性質によって、効く記述は変わります。

成果物の記述:何を作ってほしいか

オンボーディングガイドであれば、対象読者(経理部に配属された新人)、形式(A4で2枚程度、見出しごとの箇条書き)、スタイル(専門用語は初出時に説明を添える)を具体的に渡します。「案内資料を作って」だけでは、AIはこの3つすべてを推測するしかありません。成果物の記述は、記述力の中でいちばん効果が出やすい部分です。

プロセスの記述:どう進めてほしいか

プロセスの記述は、AIにどの順番で・何を参照して考えてほしいかの指定です。「添付した業務フロー表を土台にする」「フロー表に載っていない手順があれば、書く前に質問する」といった指定がこれにあたります。込み入った判断が絡む仕事ほど、プロセスの記述が結果を左右します。何も指定しないと、AIは自分の判断だけで手順の順番を組み立ててしまいます。

振る舞いの記述:どんな態度で関わってほしいか

振る舞いの記述は、AIに求める態度そのものの指定です。「分からない箇所を憶測で埋めず、都度確認して」「遠慮せず、抜けている手順があれば指摘して」といった一言を添えると、AIの応答の姿勢が変わります。下書きをただ受け取るだけでなく、批評役として使いたいときほど、この記述が要ります。


曖昧な依頼と、3種を埋めた依頼

オンボーディングガイドの下書きを頼むとき

曖昧な依頼

「新しく入った人向けの案内資料を作って」

これだけでは、どの業務の担当者向けか、どれくらいの分量か、専門用語をどこまで使ってよいかが分かりません。AIは推測するしかなく、無難で一般的な案内文が返ってきます。

3種を埋めた依頼

「経理部に配属された新人向けの案内資料。成果物: A4で2枚程度、見出しごとに箇条書き中心、専門用語は初出時だけ説明を添える。プロセス: 添付した現行の業務フロー表を土台にし、抜けている手順があれば質問してから書く。振る舞い: 分からない箇所を憶測で埋めず、都度確認して」

同じ依頼でも、狙った形に近い下書きが一度で返ってきます。

書く力そのものより、何を・どう・どんな態度で、という3つをどれだけ具体的に渡せるかが結果を左右します。


言葉で説明しにくい形は、見本で渡す

文体やレイアウトのように、言葉で説明しにくい形は、実物の見本を1つ渡すほうが早いことがあります。

見本を渡して依頼するテンプレート
以下は、別の部署で使っているオンボーディングガイドの見本です。
同じ構成・同じ丁寧さで、〔配属先の部署名〕向けのガイドを作ってください。

【見本】
1. この部署の役割(3行程度)
2. 最初の1週間でやること(チェックリスト形式)
3. よくある質問(Q&A形式、5問程度)

【今回】
配属先: 〔部署名〕
参照する業務フロー: 〔資料を貼る、またはファイルを添付〕

見本を渡すときのコツは、Claudeにどんな見本を選ぶかを任せず、こちらが望む形の見本を渡すことです。役割設定や複数の見本を組み合わせるような、より細かい技法は頼み方の技法で扱っています。


やってみよう

演習1:3種の記述を埋める

自分の題材について、成果物・プロセス・振る舞いの3つを、それぞれ1〜2文で書き出してください。プロセスや振る舞いは、思いつかなければ空欄のままで構いません。

演習2:4つの力の問いに1文ずつ答える

  • 委任力:AIに任せると決めた範囲は、前回から変わっていないか
  • 記述力:成果物・プロセス・振る舞いのうち、今いちばん言葉にできていないのはどれか
  • 評価力:下書きが返ってきたら、最初に何を見るか
  • 倫理的責任:見本として渡す資料に、社外秘や個人が特定できる情報が混ざっていないか

今日のまとめ

3行で振り返ります。

  • 記述力は成果物の記述・プロセスの記述・振る舞いの記述という3種でできている
  • 3つすべてを毎回埋める必要はなく、仕事に応じて効くものを選ぶ
  • 言葉で説明しにくい形は、実物の見本を1つ渡すほうが早い

次のレッスンでは、出来上がった下書きを評価力でどう見るかを扱います。記述力の裏返しにあたる力です。

セルフチェック

1. 記述力の3種の組み合わせとして正しいものはどれですか。

2. 言葉で説明しにくい文体やレイアウトを伝えるとき、本文で紹介した方法はどれですか。

3. 本文の「曖昧な依頼」と「3種を埋めた依頼」の比較から言えることはどれですか。

SourceAMPL LEARN
頼み方の技法:見本と条件

見本の渡し方と、形式・長さ・言語などの制約の指定をさらに掘り下げたレッスン

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amplinc.com/learn/prompting-techniques/03-examples-and-constraints

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