同じ説明を何度も貼っていると、どれが最新の条件だったか分からなくなります。資料の中身、作業の約束、いまだけの依頼は、置き場所を分けます。
この回では、ナレッジデスクの入力を架空の6件に揃えます。表示の実装は次の回です。
会話の続きだけに頼らず、ファイルを読めば作業を再開できる状態を作ります。
情報の置き場所を決める
| 置き場所 | 書くもの | ナレッジデスクの例 |
|---|---|---|
README.md | 人が読む使い方と説明 | index.htmlの開き方、架空データであること |
CLAUDE.md | 作業を繰り返すときの約束 | 静的ファイルだけ、変更後の確認方法 |
data.js | ページが表示する入力資料 | 資料の名前、カテゴリ、説明、タグ |
BRIEF.md | 今回完成させる条件 | 検索とカテゴリの受入条件 |
| 会話 | 今回の操作と結果の報告 | 「今日は表示だけ」「この検索で0件だった」 |
CLAUDE.mdは、Claude Codeが読むプロジェクトの指示書です。Anthropicのメモリの説明では、こうした指示は文脈として扱われ、強制的な権限設定とは区別されています。書いた約束を守っているかは、変更後にも確かめます。
この実習では、PC全体に効く個人設定を変更しません。練習用フォルダの中だけに、教材の約束を書きます。
配布データを6件に揃える
スターターZIPをダウンロードして展開します。最初のページを自分で作った人は、展開したフォルダのdata.jsをknowledge-desk-practiceにコピーしてください。既存のindex.htmlはそのまま残します。
スターターから始める場合は、展開したフォルダをCodeで開きます。そこには準備用の資料があり、完成した画面はまだありません。
data.jsはJavaScriptの形式で書いた資料です。中身は次の6件です。個人名や実在する会社の情報は入っていません。
| 資料の名前 | カテゴリ |
|---|---|
| 会議の準備と議事録 | 仕事の進め方 |
| 週末の振り返り | 仕事の進め方 |
| 新入社員の最初の一週間 | チーム |
| 引き継ぎのチェック | チーム |
| 学習記録の作り方 | 学び |
| 参考資料の整理 | 学び |
ファイルの中にあるglobalThis.KNOWLEDGE_RECORDSは、後でページの表示処理からこの資料を受け取るための名前です。すべてを手で書き直さず、まず配布ファイルをそのまま使います。
このフォルダの約束を作る
CodeのモードをManualにし、次の指示を送ります。すでにスターターのREADMEやCLAUDE.mdがある場合は、中身を読み、必要な点だけ補います。
READMEの「まだできないこと」が、今の画面に合っているか見ます。検索をまだ実装していないなら、検索できると書いてはいけません。
CLAUDE.mdも読みます。今回の作業で確かめられる約束だけを残し、長い要望は足さないでください。古い条件が残っている場合は、新しい条件と並べず、どちらを使うか決めて直します。
別のセッションへ渡す
セッションは、Codeで進めるひとまとまりの会話です。新しい会話にしたとき、前の会話で何をしたかがすべて同じ形で渡るとは限りません。
残したい情報は、手元のファイルに置きます。自動メモリだけに任せず、次の作業へ渡す短いメモを作ります。
余裕があれば、同じフォルダを選んで新しいセッションを開きます。CLAUDE.md、README.md、BRIEF.md、HANDOFF.mdを読み、まだファイルを変えずに現在地を説明してもらってください。説明が実際のファイルと合うか、自分で見ます。
AIが何を覚えているかだけに頼らず、必要な情報を読み直せるように整えると、作業を再開しやすくなります。
この回の合格条件
data.jsに、表と一致する架空の6件がある。- README、CLAUDE.md、BRIEF.mdが、それぞれの役割を持っている。
- READMEとHANDOFFに、未実装の検索やカテゴリを完成済みと書いていない。
- 新しいセッションへ、読むファイルと次の作業を指定できる。
つまずいたとき
| 起きたこと | 確かめること | 直す依頼 |
|---|---|---|
| 別の資料が使われる | 表示データの保存先 | 「data.jsを入力の正本にして、複製を作らないで」 |
| 約束が守られない | CLAUDE.mdの保存先、矛盾、実際の差分 | 「このフォルダのCLAUDE.mdを読み、変更との違いを報告して」 |
| 再開後、完成した扱いになる | READMEとHANDOFFの未確認欄 | 「未実装と未確認を分けて書き直して」 |
ファイル名を指定することも、文脈を渡す方法です。まず、今回の作業に必要な資料だけを読ませます。
今日のまとめ
- 入力資料、人向けの説明、AIへの約束を分けて置きました。
- 架空の6件を、data.jsの一か所に揃えました。
- 次の会話へ渡すメモに、未実装と未確認も残しました。
次は表示、検索、カテゴリの順に作る回です。各段階で、依頼書の条件を確かめます。
セルフチェック
1. 表示する資料の名前、カテゴリ、タグを置くファイルはどれですか。
2. CLAUDE.mdの性質として適切なのはどれですか。
参考・出典
- Anthropic: プロジェクトの指示とメモリ。CLAUDE.mdの役割、読み込まれる範囲、強制設定との違いを参照。
- Anthropic: Codeタブでセッションを管理する。会話と作業フォルダの扱いを参照。
操作説明の確認日: 2026年10月10日。ファイル構成と引き継ぎメモは、この実習の制作手順です。