「できました」と言われても、それだけでは完成を判断できません。変更した場所、実行した確認、未確認の範囲を揃えます。
ナレッジデスクは、ローカルで動くところまででも一つの成果です。インターネットで共有するなら、公開するものと、公開先を改めて確認します。
この回の成果物は、提出メモと公開前のチェックです。新しいアカウントの作成や、公開ボタンを押すことは必須ではありません。
レビュー:変更の範囲を読む
Gitを使っているなら、練習フォルダで次を確認します。すでにステージした変更は git diff --staged で読みます。git status に出る未追跡のファイルは、通常の git diff には内容が出ないので、個別に開きます。
git status --short
git diff --stat
git diff
見るのは、依頼した機能と関係する変更か、テストの期待値を弱めていないか、不要な依存や通信が増えていないかです。画面では検索、カテゴリ、0件、クリア、キーボード操作を確認します。
今回の変更をレビューしてください。まだ編集しないでください。
BRIEF.mdとACCEPTANCE.mdを読み、差分と実装を照合してください。
依頼した動作、検索の条件、データの表示方法、
キーボード操作、外部通信の有無を確認してください。
問題は再現条件と該当ファイルを示してください。
テストや画面を実行していない項目は、未実施と明記してください。
新機能の提案と、完成条件を満たすための修正を分けてください。
AIのレビューも、見落としがないとは限りません。指摘を一つずつ読み、再現するかを確かめます。読取りだけのレビューでも、不要なファイルを読ませない範囲指定は続けます。
提出:成功と未確認を分ける
完成見本には ACCEPTANCE.md が入っています。作ったアプリでも、テストと手動確認を分けて記入します。
提出メモ
目的: 架空の6件の資料を、検索とカテゴリで探せるようにする
変更: [ファイル名と、何を変えたか]
自動確認: [実行したコマンド、成功/失敗の件数と結果]
画面確認: [ブラウザ、画面幅、試した操作と結果]
未確認: [まだ試していない条件]
残る課題: [不具合、または今回は見送った機能]
公開対象: [公開するファイルの一覧]
戻す方法: [保存した版、戻す先、再確認する操作]
「7件通過」は検索のテストの結果です。画面の読みやすさや、すべてのブラウザでの動作まで保証する数字ではありません。ブラウザ名や幅を残すと、確認の限界も分かります。
公開対象:アプリのファイルだけを選ぶ
完成見本の公開に必要なのは、次の5ファイルです。
index.html
styles.css
data.js
domain.js
app.js
作業記録、テスト、CLAUDE.md、会話ログ、認証情報などは、閲覧用のアプリの公開には不要です。学習用ZIPにはテストと指示書を含めていますが、実際の公開フォルダとは目的が違います。
ブラウザへ配るJavaScriptの中身は、利用者が読めます。data.js に社内資料や秘密を移してはいけません。フロントエンドにAPIキーを入れて隠す方法もありません。
公開後:本番URLで同じ操作を試す
公開を選ぶ場合、対象のホスティング、プロジェクト、URLを先に確認します。料金が発生する契約や独自ドメインの設定は、別の判断です。公開手順は入門のデプロイ回で扱います。
アップロードの成功表示だけで、公開先の動作確認を終えないでください。本番URLを開き、全6件の表示、検索、カテゴリ、0件表示を試します。JavaScriptとCSSも正しいURLで読み込めているかを確認します。
戻すときも、旧版を戻したあとに本番URLで確かめます。Gitの記録を戻したことと、公開先が戻ったことは別です。
つまずき:ローカルでは動くのに、公開先で動かない
まず、index.html と各スクリプトの置き場所を確認します。次に見るのは、ファイル名の大文字小文字、相対パス、アップロード漏れ、古いキャッシュです。推測で全ファイルを作り直さず、ブラウザのConsoleとNetworkで読み込み結果を観察します。
この時点でログインや実データを足すのは、新しい設計です。静的な練習アプリが完成したことを、そのまま業務システムの完成とみなさないでください。
完成条件:判断材料を渡せる
- 依頼書の条件と、確認結果が対応している。
- テスト、画面、未確認事項を分けた提出メモがある。
- 公開対象と戻す方法を決めている。
- 公開した場合は、本番URLで実際の動作を確認している。
今日のまとめ
- 完成報告は、差分・検証結果・未確認事項を揃えて読みます。
- 公開するファイルを選び、ブラウザに配る内容を確かめます。
- 公開を選んだら、本番URLで同じ操作を確認します。
最後は自分の題材で、もう一度作るへ進みます。
参考・出典
セルフチェック
1. 公開作業の成功表示が出たあとに、確認することは?
2. ブラウザへ配るdata.jsに入れてよいものは?