メールを開いて本文をコピーする。ドライブからファイルを探して、中身を貼り付ける。Claudeに何か頼むたびにこの作業をしているなら、地味に時間を取られているはずです。
コネクタを使うと、この「開いて→コピー→貼る」が要らなくなります。ClaudeがGoogle DriveやGmail、カレンダーの中身を自分で見に行けるようになるからです。このレッスンでは、コネクタの2つの種類、Team・Enterpriseでの使い方、そしてつなぐ前に確かめておきたいことを順に見ていきます。
コネクタとは何か
コネクタは、Claudeが手元のアプリやサービスに直接アクセスし、データを取ってきたり、つないだサービスの中で操作したりできるようにする仕組みです。ファイルをこちらから渡すのではなく、Claudeのほうから取りに行かせる、という向きの変化だと考えると分かりやすいです。
標準コネクタとカスタムコネクタ
コネクタには2つの種類があります。
Google Drive・Gmail・Googleカレンダー・Microsoft 365・Slackなど、Anthropicが用意した定番のアプリ。Free・Pro・Max・Team・Enterpriseの全プランで使える。
自分たちで用意したMCPサーバーにつなぐ方式。社内システムなど、標準コネクタに無いものを足せる。全プランで使えるが、Freeは1個までという制限がある。
カスタムコネクタには、もう1つ知っておきたい仕組みがあります。接続はAnthropicのクラウドから行われ、自分のパソコンからではありません。つなぎたいMCPサーバーは、インターネットから届く場所に置いておく必要があります。ローカルのPCで動かしているだけのサーバーは、そのままではつながりません。
個人のアカウント(Free・Pro・Max)で使う分には、ここから先の話はシンプルです。使いたいコネクタを、Claudeの設定画面から自分でオンにするだけで済みます。次に見るTeam・Enterpriseの話は、組織のアカウントで使う場合だけ関わってきます。
Team・Enterpriseで使うには
Team・Enterpriseのプランでは、コネクタは最初から全員が使えるわけではありません。組織のオーナー、またはプライマリオーナーが、管理画面でそのコネクタを組織向けに有効にして初めて、メンバーは自分のアカウントで接続できるようになります。
つまり、欲しいコネクタが選択肢に見当たらないときの最初の一手は、自分でもう一度設定を探し回ることではありません。管理者に「これを有効にしてほしい」と頼むことです。
社内の情報をまとめて探す
コネクタを1つずつつなぐのとは別に、Team・EnterpriseにはEnterprise Searchという機能もあります。サイドバーに組織専用のプロジェクトが用意され、そこで質問すると、SlackやMicrosoft 365など、つないだ複数の情報源をClaudeが横断して調べ、引用付きで答えます。セットアップも案内付きで進められるように作られています。
見せかけの一括検索ではありません。自分がもともとアクセス権を持っている範囲のデータしか、検索結果には出てきません。権限のない非公開チャンネルの中身が、そのユーザーにだけ見えてしまうような設計にはなっていません。Free・Pro・Maxのプランにはこの機能自体が無いので、心当たりがなければこの節は読み飛ばして構いません。
つなぐ前に、3つだけ確かめる
コネクタは便利な分、つなぐ前の一呼吸が要ります。
つなぐ前のチェック
見える範囲
そのコネクタが読めるのは1つのフォルダだけか、ドライブ全体か
機密の扱い
契約書や人事情報など、検索対象にしてよい情報かどうか
会社のルール
情報システム部門やセキュリティ規程が、その接続を認めているか
この3つは、コネクタを1つ増やすたびに、毎回同じように確認する項目です。1回つないで終わりではなく、新しいコネクタを足すたびに繰り返します。
つないだあとの頼み方
コネクタをつないだら、あとは日本語で頼むだけです。ファイルを探して開いてコピーする手順は、もう要りません。
メールも同じ頼み方でいけます。「先週届いた請求書関連のメールを集めて、金額と支払期限を表にして」のように頼めば、Gmailのコネクタ経由で該当するメールを探し出してきます。自分でメールを1通ずつ開いて転記する作業は、ここでは発生しません。
今日のまとめ
3行で振り返ります。
- コネクタには、Anthropicが用意した標準コネクタと、自分でつなぐカスタムコネクタ(リモートMCP、Freeは1個まで)の2種類がある
- Team・Enterpriseでは、オーナーが有効化して初めてメンバーが使え、Enterprise Searchなら複数の情報源を横断して検索できる
- つなぐ前に、見える範囲・機密・会社のルールの3つを毎回確かめる
次のレッスンでは、Researchを扱います。同じ「調べる」でも、コネクタ経由でつないだ手元の資料を探すのと、Web上の情報を調べに行くのとでは、向いている場面が違います。
セルフチェック
1. Freeプランでカスタムコネクタ(リモートMCP)を使うときの制限は?
2. Team・Enterpriseのメンバーが新しいコネクタを使えるようにするには、まず何が必要か?
3. Enterprise Searchの「権限を尊重する」設計とは、具体的にどういうことか?