同じアプリの中に、もう2つ入り口がある
前のレッスンまでで、チャットに話しかけて答えをもらう、というやり方には慣れてきたはずです。目的や読み手を伝えれば、返ってくる下書きの質が変わることも見てきました。
実は、チャットだけがすべてではありません。同じClaudeの中に、チャットとは別の働き方がもう2つ用意されています。ひとつは「作業を任せる」ための働き方、もうひとつは「手元のコードやファイルを扱う」ための働き方です。デスクトップアプリを開くと、この3つを同じ画面から選べます。
ここを知らないまま使っていると、本当は任せられる作業まで、いちいちチャットで一往復ずつやり取りすることになります。長い資料の要点をまとめてほしいだけなのに、段落ごとに指示を出し直す、といった具合です。逆にどこで何ができるかが分かれば、同じデスクトップアプリの中で仕事の任せ方そのものを選べるようになります。
もう一つ、このタイミングでこのレッスンを置いた理由があります。2026年9月にAnthropicが発表を出し、この3つの入り口のうち2つが1つにまとまったからです。中身を先に知っておくと、これから画面が変わっても迷いません。
デスクトップアプリの中にある3つの入り口
質問して答えをもらう、下書きを見て直す、というこれまで通りの会話。1つの返信ごとに人が読んで次を決める
目標だけ渡すと、複数のファイルやつないだツールをまたいで作業し、レビューできる形の仕上がりを返す
手元のコードやファイルを直接扱う入り口。ターミナル・IDE・Slack・Webから同じ作業を任せられる
この3つは別々のアプリではありません。同じClaudeの中にある、3通りの働き方だと考えるとわかりやすいです。チャットは1往復ずつ人が読んで次を決める働き方、Claude(旧Cowork)は目標だけ渡して途中を任せる働き方、Codeはコードやファイルそのものを直接触る働き方です。次の節からは、この2つ目と3つ目を順番に見ていきます。
2026年9月、CoworkとチャットがひとつのClaudeになった
ここまで「Claude(旧Cowork)」と書いてきたのには理由があります。もともとCoworkは、チャットとは見た目も分かれた、独立した画面でした。
2026年9月16日、Anthropicは「Claude CoworkとチャットをひとつのClaudeに統合する」と発表しました。Cowork固有の画面を無くし、いつものチャットの中から同じ働き方ができるようにする、という変更です。
展開はいきなり全員には来ません。まずPro・Maxプランから、Web・デスクトップ・モバイルのアプリで順に始まり、Team・Freeプランは後を追います。Enterpriseの管理者には、変更の30日以上前に通知が届く決まりです。読んでいる時点でどこまで自分の画面に来ているかは、プランと展開のタイミング次第です。
補足
まだ来ていない人の画面はどう違うか
自分の画面でまだ統合が来ていない場合、Coworkは今まで通り別の画面・別のタブとして表示されます。使い方自体は変わりません。統合が来ると、その別画面がなくなり、いつものチャットの入力欄から同じ働き方を呼び出せるようになります。どちらの状態でも、これから説明する「目標を渡して任せる」という中身は同じです。
引き継ぎについても発表ははっきりしています。これまでのチャット・プロジェクト・アーティファクト・コネクタ・スキルは、そのまま引き継がれます。それぞれの中身は後のレッスンで順番に扱うので、ここでは名前だけ見ておけば十分です。統合のために設定をやり直す必要はありません。プロジェクトに入れておいた資料も、つないでおいたコネクタも、自分で作ったスキルも、統合後のClaudeで引き続き使えます。
目標を渡して、ファイルやツールをまたいで作業させる
チャットとの一番の違いは、渡すものです。チャットには質問や指示を渡します。こちらには目標を渡します。
目標を渡す
「これをやっておいて」と、やりたいことのゴールだけ伝える
複数をまたいで作業する
必要なファイルや、つないだツールを横断して手を動かす
仕上がりを受け取る
レビューできる形で結果が返ってくる。中身を見てから次を決められる
たとえば、社内向けの案内文を1本作りたいとします。チャットなら「案内文の下書きを書いて」「ここをもう少し丁寧に」と、こちらが1往復ずつ指示を出します。目標を渡す使い方なら、「新しい手続きの案内文を作って、関係する資料を確認して、下書きをまとめておいて」と渡し、途中の細かいやり取りを任せて、できた仕上がりだけを確認する形になります。
チャットで相談する / 目標を渡して任せる
- 1つの返信ごとに人が読んで次を指示する
- 会話のやり取りそのものを見ながら進めたいときに向く
- 短い質問、下書きの微調整、考えを整理したいときに使う
- 目標だけ渡し、途中のやり取りは任せる
- 複数のファイルやコネクタでつないだツールをまたぐ作業に向く
- 仕上がりが返ってきたところで、まとめて確認する
どちらが正しい、という話ではありません。細かく相談しながら詰めたい仕事はチャットに、任せて仕上がりだけ確認したい仕事は目標を渡す働き方に、と分けて考えると選びやすくなります。
Codeは別の入り口: 手元のコードやファイルを扱う
もう1つの入り口がCode(Claude Code)です。こちらはチャットや目標渡しの延長ではなく、手元のコードやファイルを直接扱うための、独立した入り口だと考えてください。
ターミナル・IDE・Slack・Webのどこからでも同じ作業を任せられ、バグの修正やテストの作成、何日もかかるような移行作業まで、Claudeに手渡して監督する使い方をします。文章や資料ではなく、動くコードやファイルそのものを相手にする場面はこちらの領域です。
利用できるプランも少し違います。CodeはPro・Maxのサブスクリプションに含まれており、Team・Enterpriseでも利用できます。開発者向けのConsoleアカウントから、API利用分の従量課金で使うこともできます。プログラミングをしない仕事であれば、Codeを開く場面はほとんどないはずです。
自分のパソコンの中でファイルを直接触るところまで踏み込みたくなったら、この先はClaude Code入門で1から扱います。このレッスンでは「デスクトップアプリの中に、そういう入り口もある」ということだけ覚えておけば十分です。
今日のまとめ
- デスクトップアプリの中には、チャット・Claude(旧Cowork)・Codeという3つの入り口がある
- 2026年9月16日にCoworkとチャットを1つのClaudeにまとめる統合が発表され、プラン順に展開されている。チャット・プロジェクト・アーティファクト・コネクタ・スキルはそのまま引き継がれる
- 相談しながら進めたい仕事はチャットで、目標だけ渡して任せたい仕事はClaude(旧Cowork)の働き方で、コードやファイルを直接扱いたい仕事はCodeで開く
次のレッスンでは、この目標を渡す働き方を支える「プロジェクト」機能を見ていきます。指示と資料をひとまとめにして、毎回同じ説明を繰り返さずに済む形を作ります。
セルフチェック
1. 2026年9月16日にAnthropicが発表した変更として正しいのはどれ?
2. この統合の展開順として正しいのはどれ?
3. 「目標を渡して任せる」使い方と「チャットで相談する」使い方の違いとして正しいのはどれ?