サービスの一部機能を有料化する、オフィスを移転する、社内システムの提供時間を変える。こうした変更が決まったとき、広報担当者は社外向けのお知らせ文と社内向けの説明を同時に書き、あわせて「なぜ今なのか」「対象外の人はどうなるのか」といった質問に答える準備もしておく必要があります。
文章ごとに言葉づかいの丁寧さも、説明する順番も違います。決まっている中身は同じなのに、書く量だけが増えていきます。
このレシピでは、決定事項の要点を渡して、社外向けと社内向けの下書き、そして想定問答10問までを一度に用意してもらう頼み方を紹介します。
決まった決定事項の要点を入力、参考資料(過去のお知らせ文や社内資料)を添付
決まったこと・対象範囲・開始日、社外に出せる情報とまだ出せない情報の区別
下書きが出るまで10分
1. 頼み方
決まっている中身を箇条書きで渡し、次のように頼みます。〔 〕の部分は自分の変更内容に置き換えてください。
次の決定事項について、2つの文章と想定問答を用意してください。
【決定事項】
・変更内容: 〔何がどう変わるか〕
・対象: 〔誰が対象か、対象外は誰か〕
・開始日: 〔いつから〕
・理由: 〔社外に出してよい範囲で〕
1. 社外向けのお知らせ文(丁寧な文体、結論から)
2. 社内向けのお知らせ文(背景と問い合わせ先を添える)
3. 想定問答10問(答えにくそうな質問も含めて)
ここに書いていないことは、決まっていないので書かないでください。最後の一文が要点です。渡した情報の外側まで埋めさせないための歯止めになります。
2. 渡すもの
渡すのは、決定事項の要点と、参考になる資料です。過去に似た変更を知らせたときの文章があれば、そのまま添付します。文体や決まり文句をそこから引き継げます。
同じような変更を何度も告知する仕事なら、社外向け・社内向けそれぞれの型と言葉づかいの決まりをプロジェクトに登録しておくと、次からは決定事項だけを渡せば済みます。
まだ社内で検討中の選択肢や、承認前の数字は渡さないでください。 下書きの材料として読み込まれ、確定事項と並んで書かれてしまう可能性があります。個人が特定できる情報も同様です。
3. 返ってくるもの
戻ってくるのは、社外向け文、社内向け文、想定問答10問の3つです。架空の例で示すと、次のような形になります。
社外向け(架空の例、抜粋)
このたび、一部機能を来月1日より有料プランの提供に切り替えます。既存プランをご利用中のお客様は、今月末までは従来どおりお使いいただけます。
社内向け(架空の例、抜粋)
来月1日から一部機能を有料化します。問い合わせが増えることが見込まれるため、サポート窓口向けのQ&Aを別途共有します。担当は〔部署名〕です。
想定問答(架空の例、抜粋)
- なぜ今のタイミングで有料化するのか
- 無料のまま使い続ける方法はあるか
- 価格はどう決めたのか
- 解約したい場合はどうすればよいか
厳しい質問ほど、実際の問い合わせでも先に来ます。ここで一度言葉にしておくと、当日の対応が落ち着きます。これはあくまで架空の例です。実際の下書きは、渡した決定事項の中身によって変わります。
4. 続けて頼むこと
下書きができたら、同じ会話のまま続けて頼めることが2つあります。
厳しい質問を追加させるのは、想定問答を長くするためではありません。自分では思いつかなかった角度を見つけるためです。短い版は、電話やチャットで即答が要る現場向けに、詳しい版とは別に用意しておきます。
5. うまくいかないとき
まだ決まっていないことまで書いてしまう
渡した情報に隙間があると、Claudeはそれらしい理由や条件で埋めてしまうことがあります。テンプレートの最後の一文を削らず、出てきた文章を決定事項の一覧と1つずつ照合してください。書かれていない条件が混ざっていたら、そこだけ削るか、決まってから足します。
日付・固有名詞は自分で照合する
お知らせ文は、日付・部署名・商品名を間違えたまま出すと訂正の手間のほうが大きくなる文章です。**開始日、対象範囲、固有名詞は、渡した決定事項の原文と1つずつ突き合わせてください。**下書きの言い回しが変わっても、数字と名前だけは変えない箇所です。
法務・広報の確認を通さずに出さない
下書きが早く出てくると、そのまま送りたくなります。ただし社外向けのお知らせは、これまでどおり法務・広報の確認を通してから出します。Claudeの下書きは確認の手前にある材料であって、確認の工程そのものを省く理由にはなりません。