契約書が回ってくると、担当者はまず全体にひと通り目を通し、「ここは大丈夫か」を自分なりに判断する必要があります。見慣れない条項が並ぶと、どこに注意を払えばいいのか掴みにくいものです。
一文ずつ読み込む前に、まず論点の地図を作ってもらう。ここでは、契約書を渡して条項ごとの確認ポイント表を作らせ、その表を土台に法務へ相談する手前まで進める頼み方を紹介します。
PDF・Wordファイルの添付
確認したい契約書のPDFまたはWordファイル。社内の契約チェックリストがあれば添える
確認ポイント表が出るまで10〜15分
1. 頼み方
添付した契約書をもとに、確認ポイントを表の形で出させます。〔 〕の部分は自分の立場に合わせて置き換えてください。
添付は確認中の契約書です。契約書の一次確認をする〔事業部・総務〕の
担当者向けに、条項ごとの確認ポイント表を作ってください。
表の列は次の4つにしてください。
1. 条項(原文の番号のまま、例: 第〇条)
2. 内容の要約(1〜2文)
3. 自社にとっての注意点
4. 相手に確かめておきたい質問
法的な助言や有利・不利の断定はせず、最終判断は弁護士・法務に
委ねる前提で書いてください。読み取れなかった条項があれば、
その旨も書いてください。「確認ポイントを表にして」とだけ頼むより、列を先に4つ指定したほうが、条項をなんとなく要約しただけで終わらず、相手への質問まで具体的に出てきます。「法的な助言はしない」と明示しているのは、5節で触れる理由からです。
2. 渡すもの
添付するのは、確認中の契約書のPDFまたはWordファイルです。相手から届いたファイルを、そのまま渡せます。
社内に契約チェックリストや、過去の同種契約のひな形があれば、一緒に添付してください。自社の基準に照らした注意点が出やすくなります。
契約の相手方名や金額など、社外に見せられない情報を入れる前に確かめておきたいことがあります。詳しくは5節で扱います。
3. 返ってくるもの
条項ごとの確認ポイント表として返ってきます。以下は架空の例です。実在の契約書ではありません。
| 条項 | 内容の要約 | 自社の注意点 | 相手に確かめる質問 |
|---|---|---|---|
| 第3条(秘密保持) | 契約終了後も秘密保持義務が一定期間続く | 期間の終期が明記されているか要確認 | 秘密保持義務は契約終了から何年続くか |
| 第7条(損害賠償) | 損害賠償の上限額の定めがない | 上限がないと想定外の負担を負う可能性 | 賠償額に上限を設ける余地はあるか |
| 第12条(解約) | 一方的な解約には〔30〕日前の通知が必要 | 通知期間中の義務が明記されていない | 通知後、契約終了までの双方の義務は何か |
この表はあくまで下ごしらえです。 条項の解釈や、この内容で契約してよいかどうかの判断は含まれていません。
4. 続けて頼むこと
表ができたら、同じ会話に続けて2つ頼めます。
相談メモは、法務担当が表の全部に目を通す前に、優先度の高い論点から見てもらうために使います。修正希望の文案は、自分の言いたいことを丁寧な言葉に直す下書きとして使い、送る前に一度は自分で読み返してください。
5. うまくいかないとき
法的な助言に見えてしまう
Claudeが出す確認ポイントは、一次確認の下ごしらえであって法的な助言ではありません。この条項が有効かどうか、リスクがどれくらい大きいかという最終的な判断は、弁護士・法務の役割です。表に「問題ない」「大丈夫」といった断定的な言葉が出てきても、そのまま鵜呑みにしないでください。
機密の契約を入れる前に
契約の相手方名や金額、非公開の取引条件を入力する前に、自社のプランが会話をどう扱うかを確かめてください。個人アカウントでは学習利用の設定次第で扱いが変わり、会社の契約プランでは組織の管理者が決めた条件が優先されます。何を入れてよいかの基本は、安全に使い、次へ進むで扱っています。
条番号を原文で照合する
Claudeが要約する際、条項番号が原文とずれることがあります。表に出てきた「第〇条」の番号は、使う前に必ず契約書原文を開いて、内容が一致しているか照合してください。特に相手に送る質問や修正希望の文案は、番号違いのまま送ってしまうと信用に関わります。