求人票は、書き手の癖がそのまま出ます。長年同じ書式を使い回していると、必須条件がいつの間にか実際の業務より厳しくなっていたり、特定の層を暗に想定した言い回しが残っていたりします。書いている本人は、なかなか気づけません。
このレシピでは、職務内容メモをClaudeに渡し、求人票の下書きと、偏った表現・曖昧な要件・盛りすぎの点検表を一度に作ってもらう頼み方を紹介します。
ファイル添付。職務内容メモ(募集背景・仕事内容・条件)をそのまま貼り付けるか、ファイルとして渡す
職務内容メモ(募集背景・仕事内容・必須条件・歓迎条件・勤務条件)。既存の求人票があれば、それも渡してよい
10分
1. 頼み方
そのまま使えるプロンプトです。〔 〕の部分を自分の求人に置き換えて、この後に職務内容メモを貼り付けてください。
以下は〔職種名〕の求人票を作るための職務内容メモです。
これをもとに、次の2つを作ってください。
1. 求人票の下書き(募集背景/仕事内容/必須条件/歓迎条件/勤務条件の見出しで)
2. 偏った表現・曖昧な要件・盛りすぎの点検表(該当箇所/指摘の種類/理由の3列)
点検表では、次の観点を確認してください。
・年齢、性別、国籍などを暗に絞り込む表現がないか(該当があれば指摘するだけにとどめ、載せてよいかどうかの判断はしない)
・「コミュニケーション能力必須」のように、具体的な業務内容を伴わない曖昧な要件がないか
・渡した職務内容メモに書かれていない、実態より良く見せる表現がないか
〔ここに職務内容メモを貼る〕点検表の観点を先にこちらで指定しているのには理由があります。5節で触れます。
2. 渡すもの
このレシピに渡すのは、次のようなものです。
- 募集背景(なぜ今この人を採るか)
- 仕事内容と必須条件・歓迎条件
- 勤務条件(勤務地・雇用形態・給与レンジなど)
- 既存の求人票(あれば、旧版として)
前任者や現メンバー個人の氏名、評価に関わる記述は渡さないでください。 求人票に必要なのは仕事の中身と条件であって、特定の人物についての情報ではありません。給与レンジの内部下限額のように、社外に出す前の交渉材料も、渡す前に外しておきます。
3. 返ってくるもの
戻ってくるのは、求人票の下書きと、その下に続く点検表です。架空の例で示すと、次のような形になります。
求人票の下書き(架空の例、抜粋):
- 募集背景: 増員のため、経理事務の担当を1名募集します。
- 仕事内容: 伝票処理、月次決算補助、経費精算の確認。
- 必須条件: 経理事務の実務経験1年以上。
- 歓迎条件: 日商簿記3級以上。
点検表(架空の例):
| 該当箇所 | 指摘の種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 「若手が多く活躍しています」 | 年齢を暗に絞り込む表現 | 特定の年齢層を想定させる言い回しになっている。掲載可否は人事・法務に確認 |
| 「コミュニケーション能力必須」 | 曖昧な要件 | どんな場面でどの程度必要かが分からない。具体的な業務内容に言い換えられる |
| 「業界トップクラスの成長環境」 | 盛りすぎ | 職務内容メモに根拠となる記載がない |
これはあくまで架空の例です。実際の下書きと点検の指摘は、渡した職務内容メモの中身に応じて変わります。
4. 続けて頼むこと
下書きと点検表ができたら、同じ会話のまま続けて頼めることが2つあります。
媒体別の短い版は、内容を削るのではなく、削ってよい表現から削る作業です。面接の質問案は、求人票に書いた条件を、実際の面接で確かめる材料に変えるための一手です。
5. うまくいかないとき
年齢・性別に関わる表現は、Claudeに結論を出させない
「若手」「主婦(夫)歓迎」のような表現は、募集の対象を年齢や性別で暗に絞り込んでいないか、人事・法務の確認が必要になることがあります。点検表はこうした表現に気づく手がかりとして使い、載せてよいかどうかの判断そのものは求めないでください。可否を聞くと、もっともらしい理由をつけて答えてしまうことがあります。
実態より良く見せる表現をそのまま出さない
求人票は候補者への最初の説明です。渡した職務内容メモに書かれていない「風通しの良い職場」「急成長中」といった言葉が下書きに混ざっていたら、それは職務内容メモの外から補われたものです。実際の職場と合っているかを、出す前に自分の目で確認します。
点検表の指摘は、そのまま削らず自分で採否を決める
点検表に挙がった項目を全部そのまま削ると、必要な情報まで抜け落ちることがあります。たとえば「コミュニケーション能力必須」を消すのではなく、「電話やメールでの顧客対応を想定した意思疎通ができる」のように、具体的な業務に言い換える判断は人が行います。