社内の手続き案内は、たいてい規程の文章をそのまま切り貼りして作られています。休職、住所変更、経費精算のような手続きのたびに、担当者は同じ問い合わせを受け続けることになります。「結局、何をいつまでに出せばいいのか」が、規程の言い回しの中に埋もれてしまっているからです。
このレシピでは、根拠となる規程と、今使っている案内文書を渡すだけで、手順・必要書類・締切・問い合わせ先がそろった手順書と、社員向けのやさしい言い換え版を一度に作らせます。規程の正確さを保ったまま、読む側の負担だけを削る書き換えです。
規程・既存の案内文書の添付。仕上げにWord文書の作成
該当する規程の条文、今使っている案内文書やメール文面(あれば)、申請先の窓口名
手順書のたたき台が出るまで15分
1. 頼み方
添付した規程と案内文書をもとに書き直してもらう、そのまま送れる形です。〔 〕の部分は自分の職場に置き換えてください。
〔手続き名、例: 育児休業の申請〕について、添付した規程と現在の案内文書を
もとに、社員向けの手順書を作ってください。次の4項目を漏れなく含めてください。
1. 手順(申請から完了までのステップ)
2. 必要書類(様式名まで具体的に)
3. 締切(いつまでに、何を基準にした期日か)
4. 問い合わせ先(部署名と窓口)
続けて、同じ内容を中学生にも伝わる言葉で書き直した、やさしい言い換え版も
作ってください。「わかりやすく書き直して」とだけ頼むより、欲しい4項目を先に指定したほうが、規程の抜け漏れが少ない手順書になります。
2. 渡すもの
添付するのは、根拠となる規程の該当条文と、今使っている案内文書やメール文面です。規程が複数の版で残っている職場では、最新版だけを渡してください。古い版が混じると、書き直した手順書にも古い基準がそのまま残ります。
同じ手続きの案内を年に何度も更新するなら、プロジェクトにその手続き専用のフォルダを作り、規程と過去の案内文書をまとめて入れておくと、次の改定のときも同じ文脈から続けられます。
渡してはいけないものもあります。特定の社員が実際に申請した際のやり取りやメールをそのまま添付しないでください。手順書は誰にでも当てはまる一般的な案内であって、個別の事情を含む必要はありません。
3. 返ってくるもの
手順・必要書類・締切・問い合わせ先の4項目に沿った手順書と、やさしい言い換え版の2つが返ってきます。以下は架空の例です。実在の社内規程ではありません。
- 手順: 上長に相談する、申請様式に記入する、人事へ提出する、人事が受理し控えを返送する
- 必要書類: 育児休業申出書(様式3号)、母子健康手帳の写し
- 締切: 休業開始予定日の1か月前まで
- 問い合わせ先: 人事部 労務担当
やさしい言い換え版は、規程の言い回しそのままではなく、たとえば「休業を取りたいときは、まず上司に相談してください。次に、決まった書類に記入して人事に提出します」のように、文の長さと語順だけを平易にした文章になります。
手順書とやさしい言い換え版がそろっても、そのまま配らず、次の節の点検を済ませてから配布してください。
4. 続けて頼むこと
手順書ができたら、同じ会話に続けてもう二手仕上げます。
よくある間違いをあらかじめ案内に添えておくと、同じ問い合わせを受ける回数そのものが減ります。
チェックリストにしておくと、窓口の担当者も「どこまで済んでいるか」を一目で確認できます。Word文書として出せば、そのまま印刷用に手直しできます。
5. うまくいかないとき
規程と食い違っていないか
手順書は分かりやすさを優先して言葉を削るため、規程が定める条件の一部がそぎ落とされることがあります。配布する前に、**手順書の各項目を規程の条文と1行ずつ突き合わせてください。**特に締切の起点(申請日基準か、対象となる出来事の日基準か)は、削られやすいわりに間違えると影響が大きい部分です。
例外の扱いが抜け落ちる
通常のケースの手順はきれいにまとまりますが、規程にある例外規定は、まとめの過程で抜け落ちやすいところです。例外条項は通常の手順から切り離し、「こういう場合は窓口に相談」という一文で別枠にしておくと、抜け落ちに気づきやすくなります。
古い版が混ざり込む
添付した案内文書に、すでに改定された古い基準がそのまま残っていることがあります。出てきた締切や書類名は、最新の規程の条文と照らし合わせ、日付の古い記載が紛れ込んでいないか確認してから配布してください。